『西楚覇王』前編を見たよ | 呉下の凡愚の住処

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映画『西楚覇王』(邦題:『項羽と劉邦/その愛と興亡』)の前編を見ました。
見るのはもう3~4回目なんですけど、どうしても見たかったので(笑)
あらすじはWikipediaをご覧ください。

項羽と劉邦/その愛と興亡 - Wikipedia

勝手にキャストを載せる。
百度で記事が探せなかったので(&中国版Wikipediaの記事が怪しかったので)、
DVDの予告に載ってた配役丸写しです。
■総監督 張芸謀
■出演
 項羽:呂良偉、虞美人:関之琳、呂雉:鞏俐、劉邦:張豊毅、
 范増:劉洵、樊噲:陳松勇、張良:金士傑、鍾離眜:徐錦江、
 虞子期:呉興国、項荘:徐向東、戚姫:葉全真、胡亥:張世、
 趙高:関海山、韓信:杜少津、楚懐王:顧宝明、蕭何:徐展
 季布:靳徳茂、始皇帝:朱牧
がんばって書いたものの、ほとんど知ってる役者さんがいなかった。
虞子期というのは明代の『西漢通俗演義』あたりから登場する
オリジナルキャラで、虞美人のお兄さんです。

一応[映画感想]のカテゴリに入れちゃいましたが、すごく雑記です。
あほすぎる語りをしているだけです。

これが見たかった理由は3つありまして……

中国語をどれだけ聞き取れるか試してみたかった
ドラマ『楚漢伝奇』の気が早すぎる予習
張豊毅が見たかった

この映画、前から思ってたけどツッコミどころ満載なんです。
項羽がおバカすぎて(通常営業)、虞美人が平和ボケすぎて(通常営業)。
通常営業のところにつっこんじゃダメかなあ……
いや、もともとおバカで平和ボケなのが、さらにひどくなってるんです!!(笑)
でもそれがいいんです。だからこその覇王別姫。
そして呂雉がすごく腹黒い!!(通常営業)
呂雉の場合はこれでも(史実に比べたら)物足りないっていうのがすごい。

私はこの映画と、『史記』の伍子胥列伝で中国史に目覚めたようなものなので
(↑すべてが始まる前から楚まみれという衝撃の事実)
楚漢ものは自分にとっての原点なんです。
項羽も劉邦も范増も虞美人も張良も大好きです!
でも呂雉は怖いので勘弁してください。

実際は、項羽が近くにいたら迷惑極まりない、と言うか怖いですよね……
自分の知り合いに虞美人みたいな人がいても
考えが違いすぎて間違いなく交流関係がないと思いますし……
史実を鑑みても、項軍は破壊の限りを尽くしすぎてて怖い。
っでもあくまで歴史ドラマとして楚漢争覇を見ると
どうしても楚軍に肩入れしちゃうんですよね!!
楚を背負って江東で挙兵した勢力を指示しない理由がない。

項羽のセリフで「我らはみな楚軍だ」ってのがあって、
こんなこと言われたら喜びで血が沸騰する……と思いました。(病気)

この映画の范増……スーパーかわいいです。
さすが全中国史じいちゃんの中で初めて私の心を射止めた人物。
項羽が章邯に勝った日の夜、
范増は大喜びで酒を飲んで酔っ払ってこんなことを言います。

(完全雰囲気)
「うっひょー章邯に勝った!
 これで天下はお前(項羽)のものだ、逆らうやつは皆殺しだ!
 見たか始皇帝、貴様の天下はすべて我らのものだ!! うっひゃー!!」

范増ってこういうこと言うんだろうか、と一瞬疑問に思いましたが
よく考えたらこの人にも楚の血が流れてるんだった(出身地は居巣)。
なるほど納得!!(……)

鴻門の会で范増と張良が論戦するところもいいわあ~。
『楚漢伝奇』ではこの張良を霍青老師が演じるんですよね……
見る前から想像で鼻血が止まりません。(重病)

前編は、項羽&劉邦の挙兵~鴻門の会あたりまでで終わりです。
後編は呂雉があまりに黒すぎて、誰か止めろよ! って悲しくなるので
あんまり見たくないんですよね~。(……)
でも張豊毅劉邦が見たいので見てしまうと思う。

今回の結論:
何度見ても范増が大好きです。


合戦シーンの時代を感じる映像にドラマ老版『三国演義』が思い出されて、
老版を見ていたころが懐かしくなりました。
そして張豊毅若かったー! 今とあんまり変わってない気もするけど!
張豊毅の古装はええなあ~。眼福です!!

中国語も結構聞き取れてよかったです。
日本語字幕を見ながら中国語の音声を聞き取るのって楽しい。
字幕は文字数が限られてて、
長いセリフも短く訳さないといけないから大変ですよね。
「字幕ではこう書いてあるけど実際はああ言ってたなー!」
ってニヤニヤするのが最高に楽しい。中国語を始めてよかった。