ANCORAーアンコーラー -16ページ目

ドンジョヴァンニ(16)

そんなわけで二人は意気投合!

さあ、朝までのみ明かそうぜ!なんて、どっかのオペレッタのような健全な展開など夢のまた夢。爽やかで屈託のない音楽にのせて、罪悪感のない不倫道まっしぐら。
花婿マゼット危うし!

といったところで、かつてそうやって騙されて、ひどい目に遭った張本人エルヴィーラが現れて一言(でもないですが)

騙されてはだめよ!!

もしジョヴァンニが真実に彼女を求め、彼女もそれを求めたならそれは騙されたというんですか?

考えさせられるテーマですが、ひとつ決定的に違うのはジョヴァンニにとっては恋多き男の一夜の情熱であったとしても、女性陣にとっては貞節の敵であり、当時の最も失われてはならぬものの一つをうばっていく悪魔に他ならないのです。

かの椿姫のヴィオレッタなんて、高級娼婦であるというだけで頭も容姿も良くたって日陰者扱いです。

そんなわけで第二(どころではない)の犠牲者をくいとめるべくエルヴィーラはツェルリーナを誘惑から救うのでした!

でもほんとはやきもちなんじゃないの?---とは、また別の話で----


ドンジョヴァンニ(15)



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「ああ、あてどないしたらええのん。このいかした旦那さんとこのまま一夜を共にしたいような---でもあてにはマゼットという愛しい旦那さんもおるし、あの人を裏切るわけにはいけしません。せやけど、あての心はゆらゆらとあの風船のようにゆれているのどす。ああ、せやけどこの人と一緒になれば玉の輿---あてはお姫様や。絶対に幸せになれるはずなんやけど---」

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「信じていいんやろか、この人を。あてはこの人と幸せになれますのやろうか。ああ、マゼットがここにいてくれたらまようこともあれしまへんのに。せや、マゼットがあてを置いていったのが悪いのや。あてはなんにも悪いことあれしまへん。あてはあの人においていかれて、この素敵なだんさんの誘惑に勝てるわけあれしません。せや、私は悪ないのや!せやけども---」」

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「もうあての心も体もあなたのものや。あてを幸せにしてくださいますか。だんさんが太陽ならあてはだんさんの月になりたいんどす----」

つづく

ドンジョヴァンニ(14)

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「なあ、ええやろ。ちょっとそこで休憩していくだけやんか?え?御休憩やないかって?ちゃうちゃう。ちょっとあんたのことについてよーく知りたいんやんか?----いやらしい気持ちがないか言われたら、そらないとは言われへんけれども。しかし、そういうことではないねやんか?それはそう--好奇心のような、恋のような、夜中に君のことを思うとドキがむねむねして眠れへん、あの頃の夜のような、そんな清純な中学生時代の気持ちやねんか」

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「彼氏に気ぃつこてる気持ちはよくわかるよ。せやけど、彼ではまだ君を満足させられないのよ。なぜならこういうのは経験がものをゆうからね。そんなわけでちょっとあそこで休憩してこ。な。ほんまにへんなことはせえへんから」

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「うたごうてるんやったらおれも本気出すわ。あんたを幸せにする自信はあるよって!おれについてこい!さあ、おれたちは御休息---いや、あそこで愛を語り合うんや!そして、この恋の苦しみをハートカクテルしようやないか!!」

つづく