2/24 愛知県立芸術大学卒展 見に行ってきた。 | ちょっとその辺行ってくる!

ちょっとその辺行ってくる!

興味の沸いたものを見に行ってはちょっと書いてます。

中の人のネット環境が絶賛崩壊中なので更新は不定期。
即時の反応は出来ません。

花粉症が始まってうまいこと寝られず。
姉の子供に母か姉が帰って来るまで

家に居るよう言われたが、
オヤジが居るから知らんわ!と出発は11時。



長久手市内の香流川沿い。
「カモ居ねーかな?」くらいの気持ちで走ってると


対岸に濃いオレンジ色の小鳥を見つけた。
あのサイズ感、背中側が濃いメタリックブルーなら
カワセミに違いないのだが、
...濃いメタリックブルーの小鳥が飛んできて
先に目を付けた小鳥と1mほど離れて止まった。
どちらも胸側をこちらに向けていて
止まった鳥の色の胸側も濃いオレンジ色。
進行方向に居たベビーカーを引いた夫婦が
小走りで寄ってきてスマホを掲げ、
俺の位置より一段低い護岸上に居た
50cmくらいの長さのレンズのカメラを持った人が
「ペア!鳴き交わしてる!」と、
近くの人を押し退ける勢いで寄ってきて撮っていた。
意外と居るんだな、カワセミって。
写真はズーム機能がクソでボケるから

ほぼ俺の視界のような景色で。

中央の橋の上、右端くらいに居るよ。


県立芸大には12時に到着。


総合受付で地図を貰って出発!!



野外展示を見つつ、

展示のある旧音楽学部棟へ。
二重扉の防音室を1~3人で使っている。
その一室。
壁のあちこちに絵がかけられてるというより


何かが突き出てる部屋という印象の展示。
...わからん。と出ようとしたら


出入り口近くの出っ張った角、

真っ白な壁に囲まれた部屋の中、
目線のやや上に小さな出っ張りに気づいた。
色がついてる。
まさかと手を伸ばして撮る。


絵だ。長辺が2cmくらいの絵。
防音室前のポートフォリオなどと

共に置かれた展示の説明書きや

ラミネートされた作品配置図を見る。
タイトルは作品名と印象が一致しないのは
多々あることなのでいちいち取り上げないが
見る側の注意力を試しているのかな?

最初に上げた部屋の画像も

作品を避けるような感じなのは

部屋の角近くに小さな絵があるから。

這いつくばって撮ったよw

別の人の作品は


窓の外に吊されていていた。
絵の技術より表現、見る側の固定観念を突く展示で
わかりやすい美しさ、本物と見間違う写実表現は
写真の登場により絵描きは写真に出来ない
新たな表現を求めるようになったろうが、
なんなんだろうなぁ...。


食堂は大混雑してたのでスルー。

ここの2階に展示を見に行ったら

見てる人は居なかった。


芸術資料館へ。

『土から生まれる宝石』
卵状の中から昆虫が生まれる作品。


甲虫は完全変態だから

卵から成虫で出て来ない。
蛹から脱皮し土から這い出る様子だろう。



『あみのあみ』
親が漁師で漁網の手入れを見て育った作者が
その日の印象を記録する為に編んだカラフルな網。
網にはQRコードのタグがついていて
その日書いた日記にリンクしてあるそうだが
日記の実物も展示してあったので手に取る。
カバーは編み物で作られていて
内容はカラーペンで出来事を綴り、
その日使った毛糸のサンプルが貼ってあった。
ひとまず今年の1月1日の記載を見たら
地震が怖かったことを綴った後に
「pixivでエロいBLを見ることで
全てを忘れようとしている」とあって笑った。
単独の性処理を自慰とは呼ぶが

不安の慰めになるのか?実感ないなぁ。

不安は誰かと居た方が紛れると思うよ。

俺はぼっちだから独りきりで乗り越えないとダメだけど。


油画アトリエを見てから
大工房、日本画彫刻アトリエを抜けて
基礎デッサン室へ。


黒線に沿って走る玩具が走る町。
カラフルなキノコの傘のようなものが乱立する中に
Nゲージの人形が点在する。
タイトルを確認すると『乳の街』。
作者は発育が良くコンプレックスに苦しんだ
当時の自分へ贈る作品だと書いてあった。
展示者は3人で在廊してるのは女性だった。
クラスメイトが皆、胸の大きさにちなんだ
あだ名で呼ぶとかどの程度?と気になったが
当人じゃないかも知れないし
胸元をガン見するのも...と、

好奇心を殺してしれっと通り過ぎた。
どう呼ばれてたかわからないけど
巨乳を連想するあだ名の女子なんて
俺が学校に通ってた時には居なかったな。
胸が大きい印象の女子の記憶もないなぁ。
そもそもギーク系には女子と会話する余地がないわw



日本画と彫刻アトリエへ。


『8/24』
タイトルは理想的とされる睡眠時間で
睡眠をモチーフにした彫刻。
展示室に他の作品があるにも関わらず
あちこちに20cmくらいの女性の寝姿が置かれている。
等身や髪、肉感から、同じ人がモデルだろう。


作品とは言え

パンツ丸出しの人形を撮るのは...。
作者も在廊者も女性。
しかも在廊場所はパンツ丸出し像の目の前、


後ろめたさを感じて変な緊張が...。


『おきらせる』
最初に見た時は脚立に乗って作業中だった。
デザイン棟から戻ると学生らしき人たちが
「これ、大学お買い上げでしょ?」みたいな会話をしていた。
大学が残すべきと判断して買った?
まだ脚立も残ってて完成かわからんこれを?
部屋のあちこちに転がる様々な紐、
天井へ伸びてパイプへと集まるのは
バランスを取って柱を立てる方法、
寺院の善の綱と回向柱みたいだと思えばいいのか?


椅子に写ルンですと置き手紙。
これで作品を撮ってほしいとある。
本名が書いてあったからカメラで隠したけど
インスタのアカウントも載せてあった。
見てる人が見映えのいい角度と判断したものは
作者の想定を裏切る新たな見え方があるのだろうか。

二間続きのような部屋で

メインっぽい大きいのを遠くから狙うと

垂れ壁のせいで見えないからと
這いつくばって撮った人はどれだけ居たろう?

上の方の写真と撮ってる位置はほぼ一緒で

ただ視点が低いだけで見えるものが変わる。

狙った構図をきっちり掴めてるか怪しく
ミスしてもリトライ出来ないレンズ付きフィルムで
大胆な構図はやれないから普通に、

こう撮るだろう最初の構図で撮ったよ。



彫刻。


『二畳にひろがる』
目を惹く大きな立方体。
側面4面は赤青黄緑の4色で塗られ
床面にもその4色のテープが貼られている。


中には等身大の人形が埋められている?

デザイン棟の方へ。
それぞれの大学の展示でもこっち系の展示は苦手。


透き通る衣装が4着吊され
段階を踏むよう色づいていってる展示。
『両親の死と向き合う
〈がんのステージを刺繍で表現する〉』
「私の両親はがんで亡くなりました」の一文で
がんの浸潤、病が体を蝕む様子を視覚化した衣装で


徐々に色濃くなるのは病変で
スパンコールは零れる命の輝きか?
「前向きに両親の死に立ち向かう決意を表しています」に、
病苦死苦に苛まれた両親との愛別離苦を刺し子した
作者の人生というステージ衣装、

決意の戦闘服なのかな?と
闇の向こうを見据えた強い意志のようなものを感じた...。


ちょっと面白かったのが


『まぬけの研究所』の
極太鉛筆と巨大消しゴム。


持ってたペンと比較するとこんな感じ。
消しゴムがノートに見える大きさ。
ナンセンス系展示だけど売ってるみたいで
ケース部分に値段らしきものが書いてある。
巨大消しゴムの小さい方が1000円で
大きい方は10000円。これに触れるだけで面白い。
使用感は最悪w
大きさと重さのせいで力をかけると
消しゴムが折れそう。紙が破れそう。
消すのに向かなさ過ぎる。
こんなデカいので消す必要ないだろう。
別用途、消しゴム判子の為にあるんだろうか。



渡された地図は展示のある建物の場所の地図で、
建物や受付には展示配置図がある場合があって
前者の位置と後者の配置のズレが気になって
意識的に探して見ていたら
前者の地図に載ってない展示場所に気づいた。

あった。


作品は『The girl』。
石膏室の外、池を眺めるように置かれた
等身大のマネキン。フィギュアかな?
表面は粗めで彫刻か張り子で作ってあるのかな?
髪がかかって顔はよくわからないが目はある。
たぶんドールアイを使ってるんじゃないかな?
石膏室のガラス窓に貼ってあった

屋外使用許可証に気づいて目を凝らす。
表面には作者と担当教員となどの名前があったが
透けて見える裏面は地図になっていて
使用範囲が囲われている。
展示らしきものがなかった芝生前通路も

範囲として設定されていたから
野外展示はこの作品だったのかな?


これで展示物は一通り見たはず。
卒業を死と見立てたものやグロテスクなもの、
悪趣味な展示が少なかった気もしたのは
コロナ禍で健康と命を大事にしたい気持ちが
そういう作品を作る気にさせなかったのかも?



見終えたのは16時過ぎた頃、


自販機で抹茶ラテ買って展示物の茶室に置いて
写真でも撮ろうかとも思ったが
蓋付きの紙コップで蓋外しても
中身が抹茶ラテと認識出来るか怪しいし


茶室モチーフとは言え作品。
汚しかねない飲食物を置くのはダメだよね。
もし抹茶ラテがペットボトルだったなら...(ォィ
まっすぐ帰るには早くて西日が眩しいのが辛くて
時間潰しに長久手のイオンに寄ったけど
いっつも渋滞してるよね、ここ。
長久手市役所方面から東郷、みよし、日進と
他の大型ショッピングモールのある場所や
高速に乗るにもここがポイントになるからかな?



大学3校分の卒展を見てきたが、
県芸のある展示に
卒展の思い出として持ち帰ってほしいと
うすい本の頒布があった。
残りわずかだったから持ち帰りはしなかったが
内容には目を通した。


作品の印象が残らないのは仕方ないけど
本を持ち帰ったことで思い出してくれたら...と
ささやかな希望が漫画として綴られていた。

うすい本の人の作品はこれ。

『to exhibit』

これで少なくとも俺はこれを見返せば思い出せるよ。


誰かの記憶に残すとしたら
見てくれる人の絶対数を増やすことが最短の手段。
今回の3校、
特に2校は受付で芳名帳に名前を書く必要もなかったし
卒展巡りがもっとメジャーな娯楽になればいいのに。
出来れば中学生や高校生が
将来を見越して気軽に見に来るといいのに...。