連載30周年記念 地上最強刃牙展ッ!inテレピアホール 見に行ってきた。 | ちょっとその辺行ってくる!

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興味の沸いたものを見に行ってはちょっと書いてます。

中の人のネット環境が絶賛崩壊中なので更新は不定期。
即時の反応は出来ません。

男と生まれたからには

誰でも一生のうち一度は夢見る

「地上最強の男」

これは、その夢を諦めなかった

男たちの物語である。

ジョジョ展の時に触れておきながら、

チャンピオンを読んでいる者として

 

刃牙展に行かない

 

そんな選択肢があるわけがないッ!!

...というわけで行ってきました。

 

 

グラップラー刃牙連載開始は1991年。

過去にOVA化とテレビアニメ化され

その後、タイトルと敵を幾度も変えながら

連載は今も続き、

刃牙以外の登場人物が主人公の外伝も多数ある

週刊少年チャンピオンの看板漫画。

 

 

高校生の空手の大会で

範馬刃牙が圧倒的な強さで

対戦相手を倒すところから始まる。

その強さに心当たりのあった

日本最大の空手道場の道場主 愚地独歩は

国内の猛者を集めて闘わせる

地下格闘技場の主催者の徳川光成を訪ね

光成から刃牙がそこの選手で

現在のチャンピオンだと教わる。

同時期、刃牙の同級生で大家の娘 梢江は、

刃牙から過去を語られる。

刃牙は少なくとも中学生の頃から

梢江の母の所有する借家に住んでいる。

(刃牙に負けた街の不良たちが

嫌がらせをしまくってこんな有様)

だが実は企業グループを率いる朱沢江珠と

地上最強の雄 オーガと称されるほどの

圧倒的な強さを誇る範馬勇次郎の息子。

江珠は勇次郎の希望として

刃牙に『強さ』を身につけさせる為に

英才教育をするが、

常識的で効率がいい程度のトレーニングでは

勇次郎の計り知れない強さには届かないと

悟った刃牙は無茶苦茶な武者修行を繰り返す。

山奥に存在するとされる巨大猿、

単身で敵対組織を壊滅させたヤクザ。

様々な相手と戦い、ついに父と対峙する。

 

江珠は刃牙に勇次郎の息子に相応しい

強さを身につけさせることで

勇次郎に振り向いて貰うのを目的としていて

刃牙を勇次郎を釣る餌としか見ていない。

刃牙はそんな母に褒めて貰いたい一心で

勇次郎に勝つ為に

独自のトレーニングを重ねる。

勇次郎に捨てられる不安から

江珠は焦り刃牙をひどく叱責し叩く。

 

 

勇次郎が刃牙の強さを試す日、

圧倒的強さに手も足も出ない刃牙は

用済みとばかりに殺されそうになる。

その姿を見た江珠は

母性から勇次郎に殴りかかる。

その江珠を勇次郎は称賛し抱きしめる

だがそれは不意討ちとは言え

拳を当てられた怒りに満ちたものだった...。

 

刃牙は勇次郎を憧れの父でなく

母を殺した仇、倒すべき相手と見定めて

強い男たちが集まる裏の格闘技場、

地下闘技場へ挑み(国内の選手だけでの)

チャンピオンになったという。

 

 

光成は世界中から最強に相応し猛者を集めた

地上最大トーナメント開催を告げ、

世界中から集まった

力自慢の男たちの闘いが始まる。

最強の不良と最強のボクサー、

空手を終わらせた男と単独で組を潰せる侠客、

空手の達人と合気道の達人、

最強を諦めなかった男たちのぶつかり合い。

決勝まで勝ち抜いた刃牙の決勝戦の相手は、

長い手足で2m越える体躯を誇るものの

下馬評では格闘技量は卓越してない

典型的なパワーファイターの選手で

対戦相手を力と噛みつき攻撃で捩じ伏せてきた

ジャック・ハンマー。

 

プロレスラーの如くガウンを羽織って

入場してきたジャックの背には

『範馬』の文字。騒然とする会場。

そこで語られるジャック出生の秘密。

ジャックも範馬勇次郎の息子だった。

奇しくも異母兄との対決、

共に地上最強の男を倒すことを目指す

兄弟喧嘩となった決勝戦。

死闘の末、ジャックを倒し

地下闘技場最大トーナメント

チャンピオンになるまでがグラップラー刃牙。

 

 

その後、体ひとつで死刑囚となった

怪物的な強さを持つ奴等が

「敗北を知りたい」と脱獄して日本に終結し

闘技場の猛者と闘う最凶死刑囚編。

 

その後も、

中国拳法家たちと闘い、

伝説のボクサーの息子と、

イメトレで巨大カマキリとも闘った。

更に死刑囚編で死刑囚を捕まえに来た

誰にも繋ぎ止められない男、

ミスターアンチェインこと

ビスケット・オリバのいる刑務所に

自ら望んで収監されて刑務所内ヒエラルキーの

序列を駆け上がって闘ったり

更には恐竜の時代の地層から目を覚ました

恐竜時代の人類...らしき生物 ピクル。

様々な相手との闘いを繰り返し

ついに勇次郎と闘うことに。

 

当初あった母の仇への憎しみは抜け落ち

勇次郎という圧倒的な強さへの憧れ、

それに比肩する自分をただ試してみたい、

挑みたいという想いで対峙する刃牙。

ついに二人は激突する。

...エア夜食ってなんだよッ!?って思うよね?

読んでない人にはわからないだろうけど

たぶん読んでても

刃牙の脳内シミュレーションは

自身にダメージを負わせるリアリティーで、

『リアルシャドー(ボクシング)』と

評した回があって、その頃は感嘆出来たけど

前に似た展開を見て耐性があるだけで

疑問符が浮かばないわけないからね?

フラッシュ撮影すると

ちゃぶ台が写るギミックが仕込まれてた。

決着に至るまでの闘いでは

勇次郎の首に組み付き攻撃する姿が

かつて闘ったライバルの技を思わせたり

父親にじゃれる子供を思わせるシーンもあって

今までの積み重ねがあるからこそ、

見え方が変わるシーンもありながら

最強の親と子の親子喧嘩は決着した。

 

この技は

夢枕漠原作で刃牙の作者 板垣恵介が作画した

漫画、餓狼伝に出てくる

虎王って飛びつき型の技で、

下から顎を、上から延髄を蹴り頭や首に

ダメージを与えると同時に相手の腕を取って

極めつつバランスを崩させて地面に倒す。

 

餓狼伝の技だけでなくストーリーも

他の漫画の影響を受けたと思える箇所がある。

昆虫ブームが起きたら

巨大カマキリが出てきたり、

恐竜が出てくる漫画が連載されれば

恐竜時代の地層からピクルが出てきて

(でも恐竜に詳しくないようで

ジュラ紀の地層からティラノサウルスが出て

トリケラトプス拳の後ろに見える恐竜は

スティラコサウルスのフリルをしてる)

刀剣ブームで宮本武蔵を現代に蘇らせ

作者の急死で相撲漫画が絶筆となったなら

相撲の神の名を冠する男と、

週刊少年チャンピオンを読んでいたら

他の作品から貪欲にネタを仕入れてる

そんな気がするんだよなぁ。

 

 

 

勇次郎とのいちおうの決着がついた後、

「自衛隊時代の自伝的漫画を描く」と

予告を出したものの刃牙シリーズを再開。

光成が科学とオカルトの力で宮本武蔵を甦らせ、

グラップラー刃牙時代に残った

魅力的なキャラクターたちを

様々な困難にぶつけては乗り越えさせる

その作風の都合、強さを際立たせる為か

再起不能の怪我を負わせることはあったが

ついに人気キャラからも死者が出た。

武蔵は最終的には刃牙が闘ってる最中に

魂を吹き込んだ婆さん(光成の姉)の

奇襲ディープキスでの魂を吸い出して勝利...。

 

死んだキャラの方はスピンオフ作品で

五体満足で異世界転生していきいきしてるという...。

 

 

 

俺が刃牙の読み方を

ワカっていないのかも知れないが

キャラという資産を元本に

他の連載陣や流行りを採り入れては、

またはスピンオフ作品を出しては

資産運用を行ってる印象で、

その荒波に翻弄されるかの浮き沈みが

今の魅力なのだと思っている。

 

次の展開が楽しみだったのは

俺は刃牙vsジャック、花山vsスペック辺り、

ドリアン戦が終わるまでかな?

 

 

 

作画面の見処。

原稿は全てアナログ、

カラーの展示は最初期に集中してるが、

現在までの生原稿が展示されまくっている。

 

板垣恵介の作画は眉毛から描き、

筆運びを一定方向に動かすだけでいいように

紙の方を回すように作画するんだったかな?

ホワイト、修正液は

はみ出しを消すだけでなく、

勢いよく殴られた反動で飛び散る汗や

オーラを描くのに使われる画材。

展示用のライトアップで陰影が際立ち

ホワイトやスクリーントーンがよくわかる。

掲載誌や単行本では感じられない原稿の厚みを感じられる。

 

独特とされている作画方法に、

コマの枠を引いたらコマごと切り離して

1コマを1枚絵のように仕上げていく。

原稿用紙1枚にかかる時間と手間が大きくて

アシスタントの作業を振り分けて

同時進行出来るように切り分けてるか

回しながらペン入れする都合上、

紙が小さい方がやり易いのかも知れない。

展示の多くが見開き1枚絵の展示で

コマ割りのある原稿は少なかったものの

かなり早い段階からこの手法が見られる。

その反面、時系列や視線誘導を促す

読みやすさに繋がるコマ運びや、

コマぶち抜きのページは少なくなっていく。

ページごとのコマが少なく

似た構図も多用しまくる漫画だから

自ずと順番はわかるだろうと

作者側から工夫を凝らしたコマ割をしない、

視線誘導を廃した作風なのかも知れない。

原稿の多くが水色の枠線のある

いわゆる漫画用原稿用紙でなく、

近づいて見ると紙の表面のざらつきがわかる

画用紙に青鉛筆で枠線を引いたものだったのも、

最近の漫画家の作画としては珍しいかも?

ほとんどの雑誌がデジタル化されて

完成原稿は紙で存在してない。

そんな漫画も多いとも言うのに

紙の完成原稿が見られるのはレアだよね。

 

 

最後にちゃんと連載陣や

他の出版社で連載を持つ漫画家からの

お祝いイラストたちは

撮影禁止なのが惜しいくらい

どれもこれも面白かったんだけど、

ファンに呼び掛けた作品の中に

あんまりなシーンの再現で笑った。

(勇次郎が夜叉猿を殺して

その首を刃牙に見せつける回がある。

そのシーンの首を再現したポーチ...)

 

 

見に行く前にテレビで刃牙展の

内容を紹介するローカル特番をやってたけど

展覧会の紹介は賞味15分しかなかったし、

後半はマッチョに刃牙に出てくるポーズを

再現して貰うのもポーズがネタにされる

ジョジョほど面白くないしな。

トリケラトプス(じゃない)拳くらいしか

面白ポーズないし...。

見に来てた人はほぼ男で

ヤンチャっぽいか格闘技経験ありそうな

ガタイのいい人が目立った。

 

 

4/9まで開催された刃牙展の後、

テレピアホールでの次の展覧会は、

テレビ放送40周年記念 超キン肉マン展。

さあどうしようか?

2世ならまだしもアニメを見たことある程度、

リアルタイムで漫画追ってた時期もないし、

アニメ見てれば満足だったのか

漫画喫茶やブックオフでも読んだことなくて

間違いなくジョジョや刃牙より詳しくないんだよなぁ。