~そば成分と効能~
《そばの栄養成分》
そばが健康に良いことは昔から知られていますが、
近年、消費者の間でも健康や、安全性に対する関心が高まり、
そばの持つ栄養的特徴が、改めて注目されています。
そばの主成分であるデンプン質のほかに、
タンパク質やビタミンB群も豊富に含み、
タンパク質はタンパク価が72以上で、白米と同等量以上の
良質のタンパク質を含んでいます。
また、食生活に欠かすことの出来ない必須アミノ酸であるリジン、
トリプファンを多く含み、つなぎである小麦粉にはメチオニンや
シスチンを含むので、『そば切り』は
タンパク質(必須アミノ酸)補給に優れています。
この他、ビタミンB1、B2も多量に含み、
「蕎麦がき」1人前(そば粉100g)で
B1は成人1日当たりの必要量の約40%を補給できます。
そばが栄養的に優れているのは、白米に比べ、
ビタミン・ミネラル・ルチン・タンパク質・食物繊維など
が豊富であるため、現代にマッチした
健康食品として高く評価されています。
ビタミンB1はイライラを鎮め、肉体疲労、口内炎に、
ルチンは高血圧の予防と改善、
肌をイキイキとさせるコラーゲンの生成にかかわっています。
食物繊維は便秘を解消させ、
腸内に溜まった有害物質を排泄する働きがあります。
毛細血管を強化して動脈硬化などの血管のトラブルを予防し、
血圧を安定させる働きを持つ栄養成分は
ソバの実の中心部から外殻側につれて多くなっています。
《そばは長寿食》
昔からそばを常食とする山村には長寿が多いと言われています。
そばには、ポリフェノールの一種でもある毛細血管壁を強化させ、
高血圧・糖尿病・老人性痴呆症などに予防効果のあるルチンや、
老化を防ぐビタミンEが多く含まれています。
ルチンは「白いそば」よりも黒い「田舎そば」
(殻を取り除いた丸抜きを甘皮も挽き込んだ全層粉使用)
により多く含まれています。そばは便秘を予防する
整腸作用のある食物繊維も白米の2.5倍、その他
カルシウム、カリウム、鉄等のミネラルや
ナイアシン(ビタミンB3:血液循環等に効果)、
コリン(高血圧予防効果)も含んでいます。
《そばはお腹にやさしい》
そばのデンプンは他の穀類のデンプンよりも
ジアスターゼによる消化吸収が早く、
水でも充分と云われるほどに糊化温度が低いため、
そばを腹いっぱい食べても胃にもたれず、
すぐに消化吸収される「お腹にやさしい」食べ物です。
*「つなぎ」の小麦粉が少ないそばほど消化が良くなります。
《そば湯とお酒》
また、ビタミンB1、B2、ルチン、ナイアシン、コリンは水溶性で、
そばのタンパク質の約半分も水溶性の為、
蕎麦の栄養成分はそば湯に大量に含まれていますので、
「そば湯」はおすすめの飲み物です。
そば湯に含まれるナイアシン、コリンは
肝臓を保護するとともに解毒作用を促し、
アルコールの分解を早めます。
このため、お酒を飲んだ後にそばを食べ、
そば湯を飲むと悪酔いしないと云われ、
昔、そば屋ではお酒のことを『蕎麦前』と呼んでいました。