そば屋の通し言葉 | みたか 鷹場そば

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蕎麦鑑定士1級&野菜ソムリエ&唎酒師のいる            石臼で挽きたて打ちたて茹でたての蕎麦屋          
純水仕込つゆ みたか野菜と卵                

そば屋では、お客様の注文を調理場に

伝えることを「通す」と言います。

注文品のことを「出し物」「通し物」と言います。


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通し言葉は、江戸っ子の機知から生み出された、

解りやすい符丁で独特の用語が使われます。


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皆様方のご注文を通す声が聞こえてきませんでしょうか?
覚えるまでには少々時間がかかるやも知れませんが、

慣れて参りますと、一つ一つ通すよりも

早くて便利になってくるのです。

【つく】

1個のことを指す言葉。

「天つき3杯のかけ」は、

天麩羅そば1杯にかけそば2杯の意味。
「つき」のあとの杯数が注文の総数、

後からいわれる出し物の数は注文の総数から「1」をひいて数えます。

【まじり】

2個の意味。

「ざるまじり7枚もり」は、

ざるが2枚にもり5枚のことを指します。
ちなみに枚はせいろを数える単位、

杯は種物を数える単位です。

【かち】

2種類以上の出し物が5個以上の奇数で

注文されたときに使います。
多い方の出し物を先にして「かち」を付けます。
「鴨が勝って7杯のおかめ」は、

鴨南蛮が4杯におかめが3杯となります。
総数が偶数の場合は「と」が使われます。

「鴨とおかめで8杯」は、それぞれ4杯ずつの意味です。

【まく】
出物が三種類以上にわたる場合は「まくで・・・」と続け、

一緒の客だから同時に出してほしいと言う意味を持つ。

「おかめが勝って七杯てんぷら、

 まくで、うどんとそばかも四杯」は、

おかめそば四杯、天ぷらそば三杯、

うどんとそばの鴨南蛮各二杯の合計十一杯となる。

まくで一緒に通しても二組の客からの注文で有れば、

「うどんかも二杯は離れです」といって、

仕事場の都合で別に出してもよいことを知らせる。

また、全部がうどんの場合は「総うどんで・・・」

といって最後まで通してしまう。


【土用寒(どよかん)】

どよは「土用」、かんは「寒」で、

どよかんでもり二枚」は、

湯通ししたあつもりと冷たいもり各一枚のこと。

熱いと冷たいを一緒にあらわした洒落た言葉。【さくら】
そばの量を普通より少な目に盛って出すことを言います。
「もりお代わり、台はさくらで」と言えば、

2枚目は量を加減して盛ること。

台とは蕎麦・うどんの様な出し物の本体の事。

【きん】

「さくら」とは反対の意味の通し言葉で、

蕎麦の量を少し増やして盛ることを言います。

【おか】

岡に上がるから連想されるように、

種物の具をそばやうどんの上にのせないで、

別の入れ物に盛って出すこと。
で天ぷら」と通されると天麩羅は、

独立した注文品として別盛りされます。

【お声がかり】

複数のご注文の中で後で出すものを指す。
「板わさに天せいろ、天せいろはお声がかりで」は、

板わさをつまみ、食べ終わってから天せいろを出すという意味。

【かんばん】
通し言葉ではありませんが閉店時間を告げる言葉。




ただし、この通し言葉は、寿司屋と同じで通ぶって

お客さんがお使いにはならないほうがいいかもしれませんね...。