「自分は不器用だな」と実感する時ってないだろうか?
きっと、会社の会議や普段の人間関係で、「自分の不器用さを味わってばかりいる!」と、叫びたい人も多い事でしょう。
僕が自分は不器用だなと実感する時は、こんな時です。
飲み会や結婚式の披露宴などでスピーチをしなきゃいけない時。
これは本当に緊張します。
「何か面白い事を言わなきゃいけない」、「気のきいた事を言わなきゃいけない」というプレッシャーに押しつぶされそうになってしまうんです。
皆さんの中にも、覚えがある方いらっしゃるんじゃないでしょうか?
そんな、あなたに、今回、ささやかな自信を身につける事が出来る映画をご紹介したいと思います。
「英国王のスピーチ」という映画です。
主人公は、イギリスの王室、ジョージ6世。
彼は、幼い頃から、吃音症に悩まされていた。
王室として国民の前でスピーチをしなくてはいけないのだが、上手く原稿が読めずに失敗ばかり。
そんなジョージを見ていられなくなった妻が、専門の医師を探して来る。
その医師との出会いがジョージを大きく変えるきっかけになって行くのだった。
物語はとても地味なんですが、それだけに伝えたいテーマは、はっきりしていて、無駄がありません。
「人は変われる、なりたい自分になれる!」というテーマをこの映画は貫いているんです。
そもそも映画は、変化する、成長する人間を描き続けて来ました。
60年代頃にフランスからスタートした自主映画ブームの影響で、変化しないまま終わったり、主人公が成長しないまま終わる映画も量産されました。
しかし、観た後のスカッとする気持ち、晴れ晴れとした気持ちを味わうためには、主人公の変化、成長が欠かせない事をこの映画は証明してくれています。
僕には、この映画の主人公、ジョージは、観客そのものに思えてなりません。
一年に一回ぐらいしか映画を観ない一般の観客は別にして、週に一本は映画を観てしまう僕のようなマニア系の映画ファンは、大なり小なりジョージと似た想いを抱えているように思えるんです。
かつて、ウディアレンという映画監督が、インタビューで、ある作家の言葉を引用して、こんな事を言っています。
「映画館は人生の臆病者たちの神殿である」
つまり、現実の厳しさ、理不尽さを知っているから、人々は映画の虚構世界に惹かれるんだと、ウディアレンは言っているんです。
僕は、この考え方は、正しいと思っているんです。
この映画の主人公も、「何で自分だけ?」と、心の中で何度も叫ぶことになります。
しかし、出会った医師と向いあう事で、しだいに自分を認めて行く事が出来る。
この映画を観て、映画館が臆病者たちの神殿だからこそ、人が変わっていく姿、成長していく姿を堂々と描くべきだと実感する事が出来ました。
有名な映画評論家の淀川さんは、言っています。
「映画は人を大人にします」
まさに、そんな映画です。
ぜひ、ご覧あれ!
