映画には、様々なジャンルがある。
ラブストーリー、サスペンス、ミステリー、サクセスストーリー、アクションもの、コメディ、ホームドラマなどなど
全国の映画ファンには、きっと、それぞれのジャンルのベスト1が存在したりするんだと思う。
でも、どんなに映画が好きでも、苦手なジャンルってありませんか?
僕はあるんです。
ホラー映画です(笑)
とくに心霊系のホラー映画が苦手なんですよ(笑)
だから、何十年か前のホラー映画ブームにまったくついて行けませんでした。
「エクソシスト」観るのに、5年かかった人なので、「リング」とか「呪怨」とか、問題外だったわけなんです(笑)
でも、ある時、シナリオを仕事にしたいと思っているのなら、やはり、すべてのジャンルのパターンに精通していなければいけないなと思った僕は、何年か前からホラー映画を観るようにしていました。
黒沢清監督作品も観たし、「リング」も「呪怨」も観たし、カーペンター監督作品のスプラッター映画さえも観ました。
案の定、眠れない夜を過ごして、めちゃくちゃ寝不足な日々を送る事になりましたが(笑)、それなりに収穫もあったと思っているんです。
と言うのも、ホラー映画すべてが怖いわけじゃないという事が解ったからなんですよ。
ホラー映画が苦手な人って、ホラー映画なら何でも怖いと思ってしまいがち。
けれど、そうじゃない。
やっぱり、映画なので、下手な映画と上手い映画ってあるんです。
つまり、必死に怖くしようと作ってはいるんだけれど、演出とシナリオが下手だから、どうしても怖くならない(笑)
そんなホラー映画も結構たくさんあったりするんです。
そんな事からホラー映画の奥深さに気がつく事が出来ました。
それが何よりの収穫ですね。
やっぱり、ホラー映画って、観客をただ怖がらせるために作らている。
それだけに、監督のカット割りのミスやシナリオライターの展開の失敗が目立ってしまうんですね。
照明が明るすぎて、幽霊がぜんぜん怖くなかったり(笑)、前触れもなく襲ってきて、幽霊と言うよりは、モンスターじゃねぇか?(笑)と思ってしまうホラー映画もあったりするわけです。
そんな事を考えていくと、ある事に気がつきます。
映画史の中で、ホラー映画って、B級映画の代表みたいにされていて、低俗なものとして見られているところがある。
でも、意外に、作り手側に相当な技術がないと成功する事が出来ない難しいジャンルなんじゃないか?という事に気がつくわけなんですよ
思い返してみると、本当に怖いホラー映画って、かなり丁寧に緻密に作られている。
今まで、食わず嫌いで観て来なかったホラー映画達に、なんだか謝りたい気持ちで、ここ何年か一杯だったわけなんです(笑)
最近も、ホラー映画の手法を使った素晴らしい映画が日本にやって来ましたね?
ダーレン・アロノフスキー監督作品
「ブラック・スワン」です。
「アカデミーの候補になる作品に対して、ホラー映画とは何事か!?」
と、怒る真面目な映画ファンもいるかもしれません。
でも、思い返せば思い返すほど、「ブロックスワン」は基本的なホラー映画の手法を使っているんです。
たとえば、鏡に女が写る。驚いた主人公が振り返ると誰もいない、とか。
そんなようなホラー映画的なテクニックをたくさん使っているんですよ。
そして、「ブラックスワン」という作品の凄いところは、そのホラー映画的な手法を、変化球で使っているところにあります。
言ってしまえば、怖がらせればいいだけのホラー映画的手法を逆に、逆手に取って、ナタリーポートマン演じる、バレリーナ、ニナの不安定な内面を描く事に使っている。
僕は映画を観ながら、「この監督、頭いいな!」と思ってしまいました(笑)
映画史を振り返れば、「ブロックスワン」と同じような映画があったかもしれません。
たとえば、カサヴェテス監督作品の「オープニングナイト」、
「こわれゆく女」もテーマ的には似ているかもしれません。
あとは、なんと言っても、「赤い靴」。
ただ、「ブラックスワン」のように、徹底的にホラー映画的な手法を使って、主人公の精神障害を描いて見せたのは、久しぶりじゃないでしょうか。
それだけでも、「ブラックスワン」という映画に拍手を送りたい気持ちになってしまいました。
あと何より、ナタリーポートマンがいいんです!!(笑)
ホラー映画的手法と展開がナタリーポートマン演じる、バレリーナ、ニナの何とも言えない色気を際立たせているんです。
あれは、本当に美しかった(笑)
皆さんもぜひ、監督のホラー映画的手法とナタリーポートマンの美しさを劇場で堪能してください!!