「踊る大捜査線」は日本映画の何を変えたのか? | 新人ライター奮闘記

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自分は今、制作会社に企画要因、プロットライターとして参加しています。

ブログには、プロデューサーとの打ち合わせや企画書の書き方についても書いていきたいと思います。


また、「文章の書き方」、「企画の見つけ方」なども書いて行きたいと思います

幻冬舎新書から面白い本が出ましたね。


「「踊る大捜査線」は日本映画の何を変えたか?」というタイトルです。


確かに、この問題は考えたくなりますよね、踊るシリーズの異常な大ヒットは、テレビドラマ界と映画界を変えたと言っていいと思います。


本の中には、様々な人が踊るは何を変えたのか?という議題で語っていて、とても興味深い。


そこで、僕も勝手に脚本という観点から考えてみたいと思います。


まず、踊るの脚本家と言えば、君塚良一大先生ですよね。


僕は思うんですが、ハリウッドの脚本術を日本全国の脚本志望者に広めたのは、君塚さんじゃないでしょうか?


2000年、一月号の「月刊 シナリオ」に君塚さんの公開講座が乗っています。

その中で、こんな事を言っています。


「僕がこうやって話しているのは、あくまで、皆さんに楽しんでもらえるドラマ、エンターティメントのドラマをつくるというのが前提です(中略)その方法でやる時に、僕が参考にしているのは、ハリウッドの映画です」


もうはっきりとハリウッドの映画を参考にしてますと断言しているわけです!!(笑)


じゃあ、実際にハリウッドの脚本って、どんな事を考えながら書かれているのか?というのを簡単に書き出してみます。


三幕構成でつくる、団体旅行と個人旅行を同時に味あわせる、良い知らせと悪い知らせが交互に来る、主人公は最初、物語の中心にいる事を知らないように作る、などなど今や有名なハリウッド映画の法則ですね。


君塚さんは、これらの要素を使って、踊るを書いたと言っています。

このようなハリウッドの法則が踊るに何をもたらしたか?と言うと、一つにはテンポだと思います。起承転結の感覚では作れなかった速いリズムのテンポを作り上げたのではないか?と思うんです。


それ以来、テレビドラマのテンポが変わりました。もの凄くテンポが速くて、どんどんストーリーが展開していきます。


だから、踊るは、まずテレビドラマ、映画のテンポを変えたと言ってもいい。

でも、その事で失われてしまったものもあります。それは、じっくりとしたドラマが無くなってしまった事です。


踊るが大ヒットした事によって、山田太一先生の「ありふれた奇跡」や倉本先生の「北の国から」みたいなテンポはゆっくりだけど、味わい深い作品というのが無くなってしまったような気がします。


本の中で、脚本家の荒井晴彦先生も嘆いています。


「映画があまりにも大ヒットすると、多面性が失われる」。


それは、きっと、大ヒットした映画の良いところを制作する側がマネしてしまうために、同じような考え方を持った作品が多くなってしまうという事を荒井先生は言いたかったんだと思うんです。


やっぱり、それって、テレビドラマ、映画ファンとしては寂しい事ですよね。


お馬鹿な作品もある一方で、難しい社会派の作品もあるから、テレビドラマも映画も面白いはずです。


それは作品の質やテンポにも言える事です。ハリウッド型のテンポの速い作品が続くと、たまにはゆっくりとした作品も観たいと思うようになりますよね。


そんな事を考えて行くと、もしかしたら、踊るシリーズが変えた事って、良い意味でも悪い意味でもテンポ、リズムなのではないでしょうか?


だから、最近、オンエアされた坂元先生の「Mother」は、とても新鮮でした。


これからの脚本家は、ハリウッド型の脚本術だけではなく、昔の山田太一先生や倉本先生のようなじっくりと展開して行く作品を書く事を求められて行くと思います。


コンクールの審査員からも、「ハリウッド脚本術って、もう飽きたよね?」みたなコメントが多く出て来るようになった気がします(笑)


誰も観た事がない、新しいエンターティメントが求められているんですね。