「子供たち」- 日本語全訳 9 (第二章「聖書」 P40-P47) | 日本におけるJWの歴史を考察するサイト

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この部分で、第二章は終わります。久しぶりにジョンとユニスの会話も弾んでいるようです。では、本文を見ていきましょう。預言という副見出しから始まります。

 

預言



聖書に記録された預言は、聖書の真実性を示す最も確かな間接的な証拠です。人類は、遠い未来に起こる出来事を正確に予告することはできません。すべての真の預言は全能の神、エホバから出ています。彼は知恵において完璧であり、始めから終わりまで知っています。「世の初めからこれらの事を知せておられる主が、こう仰になった」(使徒 15:18) これらの預言を彼の意志に従って書かせたのは、偉大なるエホバ、永遠の神でした。

神の真の預言者は、エホバの力によって語るように指示された通りに語る者のことです。彼は人のメッセージを話すのではなく、神のメッセージを話します。キリスト・イエスは、父からの権威を持って語る、エホバの偉大な預言者でした。真の預言は、将来の日に必ず実現することを高らかに語る、権威ある言葉として記録されています。預言が語られた時に、その言葉を述べ、また記録した者たちは、その意味を必ずしも理解していませんでした。しかし、適切な時期に、神は正しい人々にそのような預言の意味を知らせます。

これは、イエスが彼の弟子たちに向けた言葉によって証明されています。イエスは彼らに、未来の年月、特に世界の終わりがいったい何をもたらすのかを告げました。イエスは彼らに、イエスが天に昇った後に神が送るであろう聖霊、そして彼がペンテコステで彼の忠実なしもべたちに送るであろう聖霊について教えました。地上で、彼の弟子たちと一緒にいた最後の日々に、イエスは彼らに言いました。「そして、事が起こる前に、私はあなたたちにそれを告げました、それが起こった時、あなたたちは信じるかもしれません」。- ヨハネ 14:29。

聖書の中で最も際立っているのは、神の王国に関する教えであり、それが非常に重要であるため、イエスは彼の追随者たちに、その王国の到来を常に祈るように指示されました。 (マタイ 6:9,10) それは神の王国であり、当然その王国に関するすべての預言は全能の神から出ています。キリスト・イエスは、正式に任命された神の王国の、油注がれた王である。神のすべての預言者は、その王国と王の到来を予告し、その日を最も重要なものとして述べています。

人がエデンにいたとき、エホバ神は最初の預言を語られました。(創世記 3:14-17) その後神は、神への奉仕に自らを奉げている者たちを使って、預言を語らせ、彼の指示に従ってそれを書き記させました。聖霊の導きの下、神はペテロに偉大な王、キリスト・イエスに関する預言の言葉を語らせて、このように言わせました。「イエス、そしてすべての預言者からサムエル、そしてそれに続く者たち、語った者すべてが、これらの日々を予告している。」(使徒 3:24) - 使徒 3:20-26。


実に約4,000年もの間に、神に自らを奉げ、神のご意志に従って預言した古代の人々は、メシアであるキリスト・イエスの到来を預言しました。彼らはキリストの到来を預言するだけでなく、彼が生まれる場所、彼の宣教活動、彼の誘惑、彼の迫害、彼の苦しみ、彼の不名誉な死、彼の復活と昇天についても詳細に記録しました。そのような知恵は全能の神からしか生じることができません。これらの預言が予告された通りに正確に成就したことは、その真実性を疑問の余地なく証明しています。(預言に関するさらなる議論については、"預言"という本を参照してください。)

神の預言は、神とキリストに対する信仰がない人々には理解できません。そのような人々は真理に対して盲目です。神に信仰がなく、神の言葉を信じない人は聖書を理解することができません。そのような人々は自分の学問に頼り、暗闇の中を歩んでいます。そのような人々は自分たちを高等批評家や進化論者として分類し、彼らの議論は、進化の"科学"に基づいたものです。彼らについて神は言いました。「彼らは愚かだ。」(詩篇14:1) 後の時代である今日、大学は人間、人間の創造物、そして人類の発展についての進化を教え、神の言葉を完全に無視しています。彼らは自分たちが賢いとうぬぼれており、そのような者について主はこう述べました。「彼は賢い者たちを彼ら自身の策略で捉える; そして、曲がった者たちの助言は突然に運ばれる。彼らは昼間に暗闇に遭い、昼間にも夜のように手探りしている」。 (ヨブ 5:13,14) 「賢い人々は恥ずかしく、驚き、捕らえられる。見よ、彼らは主の言葉を拒絶している。 彼らの中にはどんな知恵があるのか?」 - エレミヤ 8:9。

 「これらの聖書は、昔に書かれたものであり、今日の大学で存在する状況を確かに、正確に描写しています」。とジョンはユニスに言いました。 「私が通っていた大学の教授で、神と聖書に何らかの信仰を持っている者はほとんどいません。彼らはすべての若い男性と若い女性に、神と聖書を無視するように教えています。最近、私は”Literary Digest”紙で、アメリカの牧師たちの投票が行われ、その大多数が進化論者であり、聖書の霊感を否定し、それでも福音の宣教者であると主張していることに気づきました」。「確かに、ジョン」。とユニスが言いました。 「これは、私たちが主からどれほど素晴らしい恵みを受けているかを証明しています。主は私たちに、私たちが幼いころから神と聖書、すなわち神の言葉に対する確信を持てるように教えてくれた両親を与えて下さいました。信仰がなければ、神を喜ばせることはできません。そのように聖書に書かれているからです」。

「本当にそうですね、ユニス。そして、あなたは真理を愛する、真の信仰を持つ女性です。学校の教授や他の教師たちが聖書を無視し、人間が進化による生き物であると教えているのを見ていますから、次回の勉強で、人間の始まりと人々が辿って来たあゆみに関する聖書の教えを考えて、この地の人々や国々の間に、現在なぜ悲惨な状況が存在するのかを学んでみたいと思いますが、どうでしょうか?」

「そうしましょう、ジョン。しかし、聖書が神の言葉であるという主題から離れる前に、もう一つ提案したいことがあるのですが、いいですか?聖書は多くの世紀にわたってその敵の攻撃に耐えてきました。これは世俗的な歴史から学びました。聖書を破壊するためのあらゆる手段が使われてきましたが、これらはすべて失敗しました。これは、神が聖書を、正しい道を知りたい人々のために保存し続けてきたという強力な状況証拠ではないでしょうか?確かに、聖書には永遠に続く全能の神の言葉が含まれています。それは人間にとって唯一真実で安全な導きであり、賢い人は理解を得るために、熱心にそのページを紐解きます。聖書自身がこのように述べています」。

「私の子よ、あなたが私の言葉を受け入れ、私の戒めをあなたと共に隠しておくならば、あなたの耳が知恵に傾き、あなたの心が理解に耳を傾けるならば、あなたは主の恐れを理解し、神の知識を見つけるでしょう。主は知恵を与えます。彼の口から知識と理解が出てきます。彼は正しい者のために確かな知恵を蓄えています。彼は正しく歩む者たちのための盾です。彼は判断の道を守り、彼の聖者の道を守ります。その後、あなたは正義と判断、公平を理解するでしょう。はい、すべての良い道。知恵があなたの心に入り、知識があなたの魂に快適であるとき、分別はあなたを守り、理解はあなたを守るでしょう。悪い人、前進することを話す人からあなたを救うために。」 (箴言 2:1-2, 5-12)「知恵を見つける人、理解を得る人は幸せです。」 (箴言 3:13)」

「ユニス、このニュースの記事をあなたに読ませて下さい。それは最近110,000冊の聖書を破壊した古い宗教組織の話です。これらの聖書は、人々に配布するためにイギリス聖書協会がスペインに送ったものです。間違いなく、これらの聖書は、宗教が罠であると神が申命記7:16で言っていることを学ぶのを防ぐために破壊されました。誠実な人々が聖書に書かれている真実を知ると、宗教的な独裁者は彼らを自分たちの中に留めることができなくなります。その記事には、このように書かれています」。

「”イギリスと外国の聖書協会”が最近スペインに送った、新約聖書を含む、110,000部もの聖書が破壊された。誰もが知っているように、スペインは聖書の破壊に対して望ましくない評判を持っていたが、これら10万部の大量破壊は、歴史を記録した本、聖書に対する公然とした敵意の最も目立つ例かもしれない。そしてそれは1940年に起こった!また、この報告がロンドンから送信され、10月6日のニューヨークタイムズの早朝版に掲載されたにもかかわらず、第2版とそれ以降の版から削除されたことは非常に興味深いことである。誰がそれを削除するように命じたのだろうか?どの秘かな検閲機関が、この非常に重要なニュース記事がプロテスタントの国の人々に届かないようにしようとしたのだろうか?誰か推測できるだろうか?」 - ”時代のきざし”-1941年1月21日。

「私たちが神の言葉に注意を払い、いくつかの重要な聖句を心に留めておくために、それらをここに書き残して置きましょう。これによって、神の言葉だけが私たちの安全な導きであるという真理に対して感謝することが出来ます。 詩篇119:160; 箴言13:13,14; ヨハネ6:63,68; 詩篇119:9-11; ヘブライ4:12; 詩篇91:4; 申命記4:2; 箴言30:5,6; 黙示録22:18,19; ローマ人3:3,4; マルコ7:5-13; イザヤ46:11; イザヤ55:10,11; マタイ24:35; マルコ13:31; ルカ21:33; テモテ2:15; ヨハネ8:31,32; ローマ人10:17。これらの聖句を頻繁に読むことで、私たちは真の祝福を得ることができるでしょう」。

 

 

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これで、第二章「聖書」は終わりです。特に現在と理解が大きく違う部分はありません。82年前の本ですが、特に違和感なく読めると思います。後半のジョンとユニスの長い会話も、第一章のストーリーを楽しんだ者としては、すこしうれしくなりますね。

 

ちなみに、ジョンが参照した"Literary Digest"紙ですが、1890年発行の週刊ニュース雑誌だそうです。なかなか人気もあったようですが、興味深いことに同紙は、1936年のアメリカ大統領選挙に際して、共和党のアルフ・ランドンが民主党のフランクリン・ルーズベルトを抑えて勝利するだろうという予測と立てていました。しかし、実際の選挙では、ルーズベルトが地滑り的な大勝利を挙げたことで、同紙の信頼性と評判は大きく傷つけられ、1938年に廃刊に追い込まれたとのことです。

 

預言を大きく外すというのは、どこかで聞いたような話ですが、一方はその後も勢力を伸ばし続けられたのは、何が違うのでしょうか…。