● 空手と弦楽器演奏に共通する概念その2

 

 前回の記事では私自身が最近得た「空手」と「弦楽器の奏法」に関する気付きの前置きと「空手」の話をしていました。

 

 

 

 次に出てくるのが弦楽器の話なのですが、その空手の学びがあった次の日にオーケストラの練習があり、楽器を弾いているときに突然前日の空手の気付きが想起される場面があったのです。

 

 それは小さめの音を弾いている時の事でした。

 

 コントラバスは擦弦楽器という弦を弓でこする奏法が主体となる楽器ですが、弓弾き(arco)で弾いている時は弓の毛と弦が常に触れている状態になります。

 

 厳密にいうとミクロレベルでは引っかかっては離れてという動作ではあるものの、弓を持つ右手では感覚として弓を通して弦の圧力を感じる状態にあります。

 

 そして、練習中小さい音を鳴らしているときにしくっじったのですが、その時に右手に感じていた圧力がフッと消えたのです。

 

 この瞬間前日の空手での気付きがバチコンとはまったのです。

 

 「これが張りがほどけた瞬間か」と思いました。

 

 空手では技をかける時に上手く行かないと自分が出す力を入れすぎたり抜きすぎたりしましたが、なんのことはない、今までコントラバスを弾いている時に感じていた「上手く行く、行かない」の感覚とほぼ同じだと気付いたのです。

 

 弦楽器は音量や音色をコントロールする際に圧力だけでなく、弦のどこを弾くか、弓を動かす速さはどれくらいか等の要素を変えます。

 

 それぞれがベストな状態であれば、右手に感じる圧力も安定し、それが一種の「張り感」として認識できることに気付きました。

 

 小さい音を鳴らす場合はそれに合わせて右手でかける圧力も小さくしますが、やりすぎると「張り」がほどけてしまい、先ほど述べたように右手にかかる圧力がなくなるのです。

 

 出したい音に対して過不足なく要素をそろえる事で張り感が生まれ、その張り感を持ち続けると自然とよい音が鳴るのです。

 

 コントラバスの奏法に関していえば私もそれなりにこだわりがあり、この「張り感」も感覚としてはぼんやりと「良い音が鳴る時の感触」として認識していましたが、思わぬ所で空手に繋がった事で、奏法の理解が一気に深まりました。

 

 オーケストラの練習ではその張り感を意識する奏法が完全に上手くいき、我ながら良いパフォーマンスが出来たなと思えました。

 

 もちろんコントラバスの演奏に関しての積み重ねがあっての事ではありますが、今までもある程度理解できていた感覚が繋がった事で、空手のほうにも応用が利きそうだと考えています。

 

 こういった思わぬ繋がりが見つけられるように色々なことに真剣に取り組むのが大事ですね。