● 制限と創造性

 

 前々回の記事で自由も少し考え物という過去記事の掘り出しをしたのですが、今回はその具体例に近い体験をしたのでその事をお伝えしようと思います。

 

 

 今回の話の題材は過去の記事で書いたブログ記事をインスタグラム用に書き出すという仕事についてです。

 

 以前の記事は以前の記事で仕事を通しての気づきがありましたが、また視点を変えるといろいろ出てくるものです。

 

 

 今回の振り返りで特に感じたのは「制限が掛かったほうが創造性が発揮される」というものでした。

 

 厳密な言い回しをするなら制限があることによって答えへの道筋がはっきりするという事ですね。

 

 詳しい内容に入りましょう。

 

 以前書いた記事の中ではインスタグラムという媒体の利用者層の違いによる雰囲気の違いを読み取るというような話をしましたが、この仕事で苦労したのはシンプルに「文字数の壁」です。

 

 そもそもの仕事の内容が「一本の長い記事を要点ごとの短い記事にまとめる」という内容なのですが、そこで一つの記事の文字数は300~400を超えないようにという縛りがあります。

 

 これが中々難しいんです。

 

 一応記事は小見出しには分かれているのである程度の要点の切り出しポイントは見えるのですが、小見出しごとにもまとめやすいもの、まとめにくいものはあります。

 

 例えば聞きなじみのない単語があるものはかなり厄介です。

 

 単語そのものの説明をしないと情報の説得力が弱くなります。

 

 かといって単語の説明だけで文字数を消費して用法を入れないと、読者がその単語の必要性を理解せず読み飛ばしてしまいます。

 

 ブログのように字数制限が無いのならば、単語の説明もより詳しく、用法も様々なパターンで多角的に伝えることが出来ますが、字数制限があることによっていかに重要な部分だけピンポイントで抜き出すかという事を求められます。

 

 インスタグラムっぽい雰囲気の文章を作るより、この要点の抜き出しのほうがよっぽど難しかったですね。

 

 しかし、この作業のおかげで要約のスキルがかなり上がりました。

 

 ただ、なかなか興味深いとも思ったんですが、今のところ私はその要約力を「インスタグラム記事作成の場面」でしか使えていません。

 

 それはこの記事を読んでいただいていてもそう思うのではないでしょうか(笑)

 

 字数制限が無いなと思うと油断してしまうのか、冗長な内容になりがちです。

 

 もちろんブログで必要な文章とインスタグラムで必要な文章で求められているものが違うという事もありますが、縛りがないとそれはそれであれもこれもと話を広げてしまうのです。

 

 

 こう考えると、字数という制限が掛かることで要点を鋭く切り出す力と端的にまとめる力が発揮されるという事です。

 

 

 これは考えようによっては、「制限が掛かることでできる手法の選択肢が減っている」から答えを見つけやすくなっているという事でもあり、創造性の幅としては減っているともいえます。

 

 しかし、「実際に形にする」という事に関していえばしっかりとしたものができるという意味で創造性が上がっているともいえます。

 

 また、今は私はインスタグラムの記事作成だけでしかその創造性を発揮できていませんが、うまくその感覚を他の分野でも応用できるようになればどちらの視点でも創造性が上げることが出来ます。

 

 制限もよい感じに自分に生かせるようにというマインドを持つのが○です。