● 手を動かす
今回の記事はビジネスにせよ何にせよ、何かを分析したりアイデアを練る時に役立つお話です。
過去の記事にある脳のリソースを節約するというお話も合わせてお読みいただくとわっかりやすいかと思います。
今回も本質としては「脳のリソースを節約してクリエイティビティに当てる」という事ですが、より具体的な例を挙げていきます。
その例とは「本のタイトル決め」
このブログとは別の情報発信活動において、kindleにて出版が決まったのですが、そのタイトル決めを行なった時の話をいたします。
書籍のタイトルの決め方も、今どきはネットで検索すればいくつもポイントの解説サイトが見つかります。
そういったサイトの情報もただ眺めているだけではあまり意味がありませんが、最大限有効に使う為に必要な事があります。
それは今売れている物を参考にする事です。
書籍の売り上げランキングの上位を片っ端からピックアップし書き出します。
これは別にワードにコピペでも構いません。
その中から共通する単語や要素を抽象化するという作業を行います。
例えば健康関連で調べれば健康にしたい部位やアプローチ法の共通点がある程度見つけられるはずです。
因みにこれは書籍のネタ探しにも使える手法で、流行っているジャンルを見つけたり、逆にニッチな所を見つけてそこのポジションを取りに行ったりという事にも役立ちます。
ジャンル以外にも例えば「最強」とか「かんたん!」とかタイトルの修飾に使う言葉の傾向を読む事にも繋がりますし、どういった手法で目を引こうとしているかの分析にも役に立ちます。
このあたりで書籍のタイトル決めについて書いているサイトの情報を参考にすると、抽象化にあたっての切り口を探すのに役に立ちます。
例えば長文のタイトルは初見で読者に何を伝えたいかを知らせているであるとか、常識から外れた言葉の流れにしてインパクトを与えて目を引くとか様々です。
このあたりは同じような事を解説しているサイトも書き手によって分類の基準が変わるので興味深かったりもします。
そして、「売れるタイトル」の共通点を抽象化したら自分の書籍にどう当てはめるかを試行錯誤していくのです。
抽象化した要素を全部乗せる必要はありません、むしろ狙う効果によっては矛盾する要素も多々あるのでそこの選別も必要です。
大事なのはここまでの間の工程はちゃんと手書きでなくてもいいので書き出す事です。
抽象化した要素も参考にした分類法もどの路線でタイトルを決めるかの試行錯誤の途中も全てです。
頭の中でやっていると途中で「何の要素があったっけ?」などというような無駄な思考力の消費が起こるのでとにかく書き出してすぐわかるようにしておきます。
そして最後に、候補のタイトルも大量に書き出します。
細かい助詞の違いから単語をひらがなにするかカタカナにするか漢字にするか、細かい違いも全て並べて比較して最後はインスピレーションです。
この作業をするにも頭の中で、「これは似ているから書き出さなくていいか」と思うと比較の際の解像度が一気に下がるので少なくとも最後の詰めの段階ではそういった比較の仕方をしましょう。
これをやるやらないで出てくるものが大きく変わります。
大事なのは思考の途中をなるだけ手を動かして書き出す事です。
思考だけではなく必ず形にしましょう。