● 鬼灯の冷徹と鬼滅の刃と少しだけHUNTER×HUNTERとBLEACH その1

 

 今回の記事は久しぶりに「二次創作脳で鍛える抽象化能力」の回です。 

 

 こういった遊び心から「物事の共通点・相違点を探す能力」を養い、他の分野でも高い視点で思考が出来る事に役立てばと思います。 

 

 今回はちょうど先日遊郭編が終わった鬼滅の刃と鬼灯の冷徹、どちらもこのブログで取り上げた事がありますが、その時はそれぞれ別の作品とのクロスオーバーを語っていました。 

 

 鬼滅の刃はジョジョの奇妙な冒険と、鬼と戦う戦士という共通点を元に、作品の展開される地域と武器、戦う為の手段を総合した一つの世界観を考えました。 

 

 

 鬼灯の冷徹は聖☆おにいさんと、天国と地獄や信仰を題材にしているという視点から、物語の舞台裏で実は主人公たちの交流がありえる世界観を想像しました。 

 

 

 では今回は?という事で、直接クロスオーバーというよりは「倒された鬼たちのその後」という見方をすると面白そうだなというお話です。 

 

 鬼滅の刃のファンの方ならお分かりかもしれませんが、この作品で倒されるべき「鬼」という存在は全てが元人間です。 

 

 鬼になってしまった後は基本的に鬼舞辻無惨の配下となり人間を餌程度として扱う恐ろしい存在ですが、鬼に至るまでのプロセスで同情の余地がある者達が多いのです。 

 

 そんな鬼に炭治郎が討伐の間際にわずかでも救いを与えるのがこの作品の魅力なのです。 

 

 先日アニメが最終回を迎えた遊郭編のボスとして描かれた妓夫太郎と梅(堕姫)もそんな存在でした。 

 

 私は本誌で読んだのでこの部分はかなり前に通過したのですが、それでもその時のグッとくる感情はかなり根深くこの作品への印象に繋がっています。 

 

 過酷な環境で歪んだ乱暴な性格でも妹の幸せを願う妓夫太郎が死の間際に梅を突き放すもそれ以上に梅が兄を慕い「一緒に居て欲しい」と、安らかに天に昇れる道を捨ててまでわがままを通す場面はやはり心を打つものがあります。 

 

 余談ですが、この妓夫太郎と梅の兄妹と途中まで同じ描写がされている兄妹が他にも居たりします。 

 

 別の漫画ですがHUNTER×HUNTERに出てくるキメラアントのオロソ兄妹です。 

 

 二人で一つの強力な能力で主人公の前に立ち塞がるも敗北、首だけになってお互いを罵倒しあうシーンを見た時は流石に一瞬「オマージュにしてもどうだろう」と思いました。 

 

 しかし、途中まで同じ描写でも最後に抱く印象が全く変わってしまう所に奥深さを感じてしまうのです。 

 

 話を戻しまして、この遊郭編のラストは私にとっても印象深いもので、前から「倒す鬼にも堕ちるまでのドラマがある」という風には思っていましたが、それがこの作品の大きな魅力であるという認識が確固たるものになったのもこの兄妹のエピソードが大きいというのは確実にあります。 

 

 普通に考えれば二人はこの後無に帰すのか地獄で責め苦をという事なんですが、なんとなくもう少し救いが欲しいなあという思いが出てきてしまったんですよね。 

 

 と、ようやくこの後鬼灯の冷徹の話に繋がるのですが、かなり長くなったので今回はここまでにします。

 

 次回をお楽しみに。