● 試しに気功やってみようの巻

  

 前回の記事で認知科学の観点から考える気功に関してのまとめをお伝えしました。  

  

 

 

 今までは「こういう考え方の気功もある」というような事の紹介で止まっていましたが。今後はより実践的なというか、「どうやって気功をやるか」「どのように生かすか」というような事を書いていこうと思います。  

  

 まず初めに、前回のまとめ記事の中でも紹介した気功の定義についておさらいしておきます。  

  

 このブログにおける気功の定義は「共感覚による内部表現の書き換え」です。  

  

 共感覚も内部表現もちゃんと理解してもらおうと思うとそれなりに説明にボリュームが必要になってきてしまうので、その話についてはまた別で記事にまとめます。 

 

 ざっくりと共感覚は「五感に関係する」内部表現は「脳でどう認識しているか」くらいのものだと思っておいてください。 

 

 この辺り、人によって「理屈を知ってから実践したい派」と「まずはやってみて体感したい派」に分かれるとは思いますので、理屈から入りたい派の人は理屈の記事から読んでも良いでしょう。 

 

 因みにですが、私は前者で理屈を先に考えてしまう方なんですが、正直な話ちょっと気功に関してはそれで上手く行かなかったかなという感覚もあります。 

 

 自分自身で試している感じとしては、気功の実践において小難しい理屈よりも「感覚を鋭敏にする」という事がまず大事になってきます。  

   

 なぜそう考えるかというと、気功によって起こる変化はごくわずかなものだからです。  

  

 かめはめ波や病気を治す奇跡的なパワーのような印象が先行している事もあり、気功に関して過度な期待を抱く人は多いですが、そういった強い力は気功にはありません。  

  

 実際には瞑想に近いというか、心を落ち着けたり、集中できる脳の状態を作るという内面的な働きかけをしていると思ってください。 

 

 さて、前置きが長くなりました。 

 

 気功の実践の初歩の初歩のレクチャーをしましょう。 

 

 気功の最初の一歩は気を感じる事です。 

 

 気を感じる為の感覚を養う訓練法として、第一に行なうのは手のひらの感覚を開くことです。 

 

 やり方を説明しましょう。 

 

 まずは両手の手のひら同士を重ね合わせてください。 

 

 この時、中指から手首まで一本通る線をイメージして、そのラインが直角に交わるように手を重ねて、そこから自然に指を曲げて互いの手のひらを包むイメージで重ねましょう。 

 

 こうすると、手首に余計な緊張が生まれて気を感じる感覚の邪魔をしてしまうという事がなくなります。 

 

 そして、重ね合わせた手の体温や触覚を感じ取るようにしましょう。 

 

 右手で左手の輪郭のラインと体温を感じる、右手で感じ取れるようになってきた所で今度は左手で右手の輪郭と体温を感じる、これを交互に繰り返していくのです。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 出来ましたか? 

 

 文章で読むと簡単に見えるでしょうが、やってみると意外と右手と左手の境目を感じるのが難しく感じるのではないでしょうか。 

  

 因みに私はこの初歩の訓練かなり苦戦しました。 

 

 というか、今でも調子が悪いと重なった部分が暖かいとは感じるものの境目が分からなくなります(笑) 

 

 心を落ち着けて、リラックスした状態で感覚を集中させないと重ねた手のひらの境目を正確に感じる事は難しいのです。 

 

 

 この初歩の訓練はある意味、「気功で起こる変化はこれくらい繊細な領域なんだ」という事を理解する為にも重要だなと感じています。 

 

 手のひらの感覚を研ぎ澄ます為に心の落ち着きやリラックスが必要という事は、逆説的にこの訓練を通して意図的に心を落ち着ける術を得る事も可能とも言えるのでこの訓練は非常に有意義だと私は考えています。 

 

 まずは手のひらを感じる事から始めましょう。