● 胡散臭さの源
今回の記事は情報溢れる時代に呑まれない為の考え方をお伝えします。
最近YouTubeでもTwitter等のSNSでも「胡散臭い情報発信」が増えてきている印象はないでしょうか?
過去の記事でもそういった怪しげな情報に関しての本質の見極め方に関する事はいくつか言及してきましたが、この間「こんな目を曇らせる要因があるのか」と思う事がありました。
事の発端はどこにでもある主張と反論でした。
・怪しいインフルエンサーを「胡散臭い」という理由で敬遠する人は詐欺に引っ掛かりやすい
・詐欺というのはぎりぎりのラインを言葉巧みに誤魔化してくるものなので胡散臭いと感じる方が正しいのではないか
原文のままではありませんがこんな感じの意味で、それぞれの主張を交わしたのではなく、どちらも言いきりで終わっています。
なんというか、「これは良くないな…」と感じましたね。
一番の問題は、主張の論点がずれているので本来並べて話すべきではないにも関わらず、後者が前者の発言に対しての反論のような形で発された為に周囲がずれたまま騒ぎ始めた事です。
実を言うと前者の主張も元の発言だとちょっと怪しいインフルエンサーに毒され気味な人が攻撃的な論を展開しているような感じになってしまっていたので、そこにも問題はあったように思います。
インフルエンサー側か否かの対立になったということです。
私が前者の主張を見た時に読み取ったのは「人を嫌う、敬遠する理由が印象しか無いということは本質を理解出来ていないから上っ面を騙されるとコロッと詐欺に引っ掛かる」ということです。
過去の記事にも書いた事ですね。
言い換えると「嫌いなら嫌いで良いのでそう感じる理由をつけられるようにすべき」です。
なぜそうした方が良いかと言うと、印象は人の判断に大きく影響する割に当てにならないからです。
これも先日Twitterで少し話題になった話ですが、「良い薬があります」というセリフを医者の絵の吹き出しに付けるか、イカつい黒スーツ黒サングラスの男の吹き出しに付けるかで何の薬なのかのイメージは大きく変わります。
しかし、今出した情報だけではそもそも2人が言う薬が違うものかどうかという事すらわからないわけです。
ここで「どちらから薬を貰いますか?」と質問があったときに何の薬かを確認せずに印象だけで医者の薬を選ぶのは実はギャンブルでしかないということです。
印象だけではなく、一歩踏み込んで情報を得るようにする思考があると、「何の情報が足りなくて、その情報を相手が意図的に隠したのか否か」等も分かるようになります。
これはある意味「胡散臭さを感じとる精度が上がる」と言えます。
つまり、本来であれば最初に挙げた2つの主張は矛盾無く成立するのです。
しかし、これが恐ろしい事でSNS上で対立しているかのように拡散された結果、的外れな意見が乱立してしまいました。
本来矛盾しない主張を感情的に対立させようとすると当然ながら筋が通らなくなります。
しかし、感情的に正しいと思い込んでしまうとそのおかしさに気付けなくなり、どんどん謎の理論が出来上がるのです。
今回の出来事を見て私は「人って簡単に正気を失うな」と感じました。
胡散臭いと感じたらそこで止まらずに理由まで考えましょう。
それが情報社会で身を守る事に繋がります。