以前の記事では、ある種強制的に全力が出せない状況でオーケストラの練習に臨んだところ、適度に力が抜けてかつ周りが見える様になってパフォーマンスが向上したというお話をしました。 

 

 

 それに気付いたオーケストラの練習の次の日にも、別の要因でパフォーマンスが上がる事があるなと感じたので今回はその事について話していきたいと思います。 

 

 そのパフォーマンスが上がる要因とは、見栄を張る事です。 

 

 そう感じる事になった経緯を説明しましょう。 

 

 それは前述の記事の気付きを得たオーケストラの練習が3団体重なった次の日の事でした。 

 

 その日は母校の管弦楽部の練習だったんですね。 

 

 ちょこちょここのブログでも書いている様にコントラバスを現役だけで賄う事が出来ない為、助っ人要因という事です。 

 

 そう、助っ人要因 

 

 この辺り人によってスタンスは違うのでしょうが、私の個人的な感覚としては、助っ人として呼ばれているからには、平均以上のパフォーマンスをしなくてはと思っています。 

 

 ましてや相手が遠く離れているとはいえ後輩となると、更にハードルが上がるというか…やっぱり「先輩凄い!」って思ってもらいたいじゃないですか(笑) 

 

 まあ、それで先輩面を吹かそうという訳でもないんですが、このちょっとした気負いが力を生むのかなという感覚が前からあったんですね。 

 

 本当に曖昧な感覚ですが、毎年いくつもの団体に参加して演奏する中で、「母校の演奏会が一番パフォーマンス高いな」という風に思ってはいました。 

 

 それは別に母校の演奏会がその年の最後だから経験が積み重なっているとか、練習に多く参加出来ているとかいうような特別な要素がある訳でも無かったので、まあ謎は謎だなという感じだったのです。 

 

 しかし、今回は母校の演奏会と同じ曲を演奏する団体があった事もあり、ぼんやりとした感覚だったパフォーマンスの高さの理由がある程度はっきりわかったんですよね。 

 

 単純に見栄というとそれも曖昧な指標ですが、更にはっきりとした言葉に置き換えれば「自分がしっかりしないといけない」という意識を持つ事が大事なんですね。 

 

 他のアマオケに乗っていると、自分と同じかそれ以上の経験値のある人も多く、そういった人たちの中にいながら怠け心が働いてしまうと、入りのタイミングなど割と大事な部分を人任せにしてしまったりします。 

 

 こういう言い方もあれですが、それでミスをしても「まあ今のは意識が低かったな」という変な理由付けが出来てしまう為、焦りとかが生まれないんですね。 

 

 ところが母校に行けば、基本的に私が経験値の一番高い人間になってしまいます。 

 

 状況によってはトップも上手く行かない部分がある中で、それに倣ってミスをする訳には行かないという感情が芽生えるのです。 

 

 そうすると、何かスイッチが入ったように演奏中入りにくい箇所にしっかり入る為にカウントを取り、周りを聴き、指揮を見る等のアンテナを強く張り、勢いで転びそうな部分も正確に弾く様になるのです。 

 

 これはある種パートを率いる首席奏者になった時の感覚に近いんでしょうね。 

 

 周りのパート員に頼るのではなく、自分自身の力で食らいつく。 

 

 その気負いが力を生むのです。 

 

 世の中なかなか演奏会で主席になる機会はありませんし、そういった感覚を得られる場として、母校の手伝いは案外良い効能があるという事ですね。 

 

 そしてこの話の大事な所は、こういったパフォーマンスは頭で「しっかりしよう」と思うだけではなかなか上手く発揮されないんですね。 

 

 前回の記事の薄っすら命の危機もそうですが、今回の見栄も心からそうしたいと思った時にだけ力が発揮されるのです。 

 

 単にマインドだけでなく、環境にも気を使って見ると良いかもしれませんね。