今回はライフハック的なマインドの整え方についてのお話です。
このブログの記事では認知科学というか、脳の働きでこうなりやすい、という傾向の話を結構な頻度でしていますが、その中に、「人はネガティブな情報を拾いやすい」とか、前回も書いた「情報を省きながら処理する」といったような性質があります。
これに関しては、例えば前者は人が動物の様な生活をしていた時代に、周囲の危険から身を護る為に必要だった要素で、後者は単純に負荷がかかり過ぎない様にすることで脳を摩耗させないという事もありますし、余力を残しておくことで不測の事態に対応できるようにしているという側面もあります。
こういった脳の機能はもはや構造的なレベルで定着しているものなので、変えようとするのならば、種族単位で長い年月をかけて進化していくしかありません。
しかし、人間においては、文明の発展スピードの方が圧倒的に早く、進化して構造が変化するよりも早く環境が変わっていってしまっている状態です。
そうすると、前述の脳に負荷をかけないという観点は別として、ネガティブな情報を拾いやすいといった要素は、現代社会においてどうしても必要なわけではないのに強く残ってしまっているのです。
そして、情報を省きながら処理する性質とネガティブな情報を拾いやすい性質が合わさると、常日頃自分に悪い事ばかり起こっている様な錯覚に陥ってしまうのです。
しかもこの状態の厄介な所は気付かぬうちに進行していく事です。
ネガティブな情報を拾いやすいのは一種の本能とも言えるので、意識するしないに関わらず自然と行なってしまうんですよね。
さらに言えば身体が弱っている時ほど、生存の為にこの働きは強まるので、仕事に疲れた現代人はネガティブな情報を拾う能力が加速していくのです。
さて、このストレス社会とは逆行して悪い面しか見えないこの性質をどうやって克服するのか。
いくつか方法はありますが、とっかかり易い物としておススメしたいのは寝る前にその日一日の良い事を思い出すという習慣を作る事です。
これはコーチングの用語でフリックアップ、フリックダウンと呼ばれる、脳の機能を逆手に取った手法です。
前述の通り、脳は情報を省略しながら処理しますが、優先される情報は危機的状況ばかりではありません。
状況に応じて「今はお腹がすいているから食べ物を見つけたい」とか「寝床になりそうな静かな場所を探したい」とか「良いお年頃なので魅力的な異性と出会いたい」等々フィルターをかける事で拾う情報の優先度が変わっていきます。
無意識に任せておくと悪い物を拾ってくるのなら、意識的に良い事を探すように脳を使うというわけです。
そうして、良い情報が多く入ってくると、脳のフィルターが切り替わり、意識しなくても自然と良い事に気付きやすい状態に変わっていきます。
寝る前、というのもポイントです。
寝る前というのは、簡単に言ってしまえば無意識との境目に近づいている状態です。
その状態で良い事を探す習慣をつける事で、無意識に良い事を探すフィルターをかけやすいのです。
この時、探す良い事は、小さい事でも良いですし、むしろどんな小さな良い事も見逃さないスタンスで行きましょう。
「今日も時間通り起きて遅刻せず仕事へ行けた」「通勤途中の陽気が爽やかだった」「昨日よりも肩の調子が良い」「今日もゲームが面白い」等々そういった普段は流してしまいそうな事にも目を向け意識するのがポイントです。
そして、小さな良い事を見つけられる習慣がついてきたら、明日はどんな良い事があるだろうか、や、明日はこんなことがあると良いな、と未来に視点を向けた事も考えていきましょう。
最初は良い事を思い浮かべても「いや、でもこんな悪い事があったし」という言葉が頭に浮かんでくることがあると思います。
しかし、そうなった時にそういったネガティブな言葉に流されずに、良い事は正当に評価するという風に考えるのが大事です。
さらに言えば、そういった言葉が頭に浮かんだという事は、ネガティブなフィルターが認識に上がってきたという風に考えられます。
認識に上がったという事は「この視点の考え方は悪いものだ」と理解してそのフィルターを排除する事が出来ます。
「良い事を考えないといけないのに悪い考えが過ってしまった」だとネガティブですが、「悪い思考の基になる視点を見つける事が出来た」と思えば同じ事象でも良い事として捉えられますね。
目的は「その瞬間に良い事を考える」ではなく「良い事を見つける能力を開発する」です。
鍋を炊いた時に出てくる灰汁を取るような物だと思ってください。
まずは小さな幸せをしっかり感じ取れるようになりましょう。
そうすれば健やかな思考で生きていける様になりますよ。
