過去の記事で複数のゴール設定をするという話をしました。 

 

 複数のゴールを作る理由に関して、私が理解している事としてはリソースを偏らせないという事なのですが、その他にもいくつもゴールを設定する事でそれが一つのゲシュタルトを形成する」という事があるそうです。 

 

 …まあ理屈としては分かりそうですよね。 

 

 仕事をしている私、趣味に興じている私、誰かとコミュニケーションを取っている私、etc. 

 

 これらはどれか一つだけの存在ではなく、統合された一人の「私」であるという事です。 

 

 複数のゴールが一つのゲシュタルトを形成すれば、それぞれが影響を与え合い、全てが妨げあう事無くレベルが上がる、という事でもあるそうなのですが、概念として頭で理解できても、なかなか実感が湧きませんでした。 

 

 しかし、最近その実感が湧く出来事があったんですよね。 

 

 それは空手とコントラバス演奏が繋がるという体験です。 

 

 先日の事です。 

 

 勤務先の異動の関係で、地方へ引っ越しになってしまう関係で、稽古会から離れる方がいらっしゃるのですが、その方が稽古に参加できる最後の日に私はオーケストラの練習が被っていることが分かりました。 

 

 オーケストラは午後で空手は夜の練習なので、完全に被りはしないのですが、練習場所の関係で、その日の稽古は遅刻になる見込みだという事になりました。 

 

 オーケストラの練習会場と家と稽古会場の距離的に、一度楽器を置きに帰ろうとすると、30分くらいロスが生まれてしまうんですよね。 

 

 何の気なしに「楽器をそのまま持って来れれば早く着くんですけど…」と稽古会長に話した所、「良いんじゃない?持ってくれば」と割と簡単に話が通ったんですよね。 

 

 さらに「せっかくだから送別会のイベントを兼ねて一曲弾いてよ」という話になったんですよね。 

 

 この話に関しては一瞬の間にかなりの葛藤がありました。 

 

 元々私は一人で楽器を鳴らしているだけでも満足な質ですが、演奏の場があるに越したことはないですし、前向きな気持ちはありました。 

 

 ただ、レパートリーが無い… 

 

 元々コントラバスという楽器に求められる役割を考えると、楽器一本で出来る曲がほぼ無いんですよね。 

 

 独奏曲も無いわけではないですが、目玉が飛び出る程演奏難易度が高く、一週間程度で作るのは無理ゲーなんですよね。 

 

 前向きな感情と出せる物が無いという葛藤に相当悩みましたが、結果その話を受けて一曲弾くことに決めました。 

 

 で、話はここからなんですよね。 

 

 「演奏するからには良い物をお届けしたい!」という事で曲探しです。 

 

 幸い高校の時に卒業式で歌う様な合唱曲を、チェロの友人と二人で演奏したことがあったのを思い出し、歌のパートを繋げればフォーマットとしてはちゃんとしたものになるなという考えに至り、すぐに譜面を用意しました。 

 

 そして、練習に取り組み始めたのです。 

 

 不思議な物で、短期目標が出来た事によって、毎日仕事が終わった後でも練習をする時間をしっかり取ったり、演奏の工夫や、音楽的な作りに関する思考等、今までで一番クリエイティブに行動が出来ている感覚があります。 

 

 セルフイメージも変わりました。 

 

 これが仮にオーケストラ仲間の集まりでこういう状態になるのであれば、オーケストラ仲間に囲まれている状態の私のセルフイメージは「発展途上」です。 

 

 これは上を目指すモチベーションにも繋がりますが、ともすれば「自己評価の低下」にも繋がりやすい物でもあります。 

 

 しかし、普段楽器を弾かない人の前で演奏するのであれば、私は発展途上かどうか関係なく「コントラバス奏者」です。 

 

 こうなると下手な物を聴かせたくなくなるんですよね。 

 

 セルフイメージが切り替わった感覚はなかなか新鮮でもあり、今の所良い傾向にあると思います。 

 

 今まで、空手で学んだ身体操作を演奏にも生かすという、直接的な関係付け方はしたことがありましたが、空手のコミュニティというものが間接的に影響を与えて演奏に変化が出るとは思いませんでした。 

 

 これが全てでは無いでしょうが、複数のゴールが互いに影響を与え合う一例とはなったかなと思います。 

 

 この調子で、色々な分野で複合的に結果を出せるよう頑張ります。