今回はコミュニティの規模と情報の具体性の関係についてお伝えします。
結論からいうと小さい規模の集団の方がより細やかな情報がやりとりされるという話になるのですが、具体的にそれを実感する機会がありました。
その機会は何かというと、物販ビジネスで同期会が結成されたという所です。
同期会と言ってもチャットでグループが作成されただけなのですが、中々面白い変化を感じ取る事が出来ました。
特に大きく感じたのは、発言が著しく増えた人が居たという所です。
元々オーナー会には期を跨いで全員が参加しているメインチャットは存在しています。
同期での中でも活動が活発な人はそちらでもある程度存在感を放っていましたが、同期会のチャットでは普段あまり目立っていなかった人の発言がグンと上がりました。
そういった人は何故メインチャットへの発言が少なかったのかと言えば、全体の流れを止めてしまったり、関係ない人が多い話題を投げかける事に遠慮があったのだと思います。
前回の記事では、「分からない事を潰していくのは大事だがすぐに人に聞くのも良くない」という趣旨の事を述べましたが、それは当人の思考力の為でも勿論ありますが、それ以上に場を共有する仲間のリソースを「無駄に」奪わないという事でもあります。
助けあいは大事ですが、本来なら自力で解決出来る所まで他人にもたれかかるのは、個人レベルでも一方的なリソースの搾取ですし、全体で見ても不必要な事にリソースを割いた人の分のパフォーマンスが落ちるので不利益でしかないのです。
…という事を皆頭では理解しているからこそ、「無駄な発言をするまい」というブレーキは人によっては強めにかかってしまうのです。
そういった場に飛び込んでみると分かるのですが、特に新しい環境で知識がまだゲシュタルトを構築できておらず、点でしか存在空いていない間は「この疑問は全体に投げかけるのにふさわしいのか?」ということ自体の判断が難しいのでとりあえず黙るという事になりがちなんですね。
メインチャットには主催者の方々もいるので、そういった良くない面を見られたくないというメンタル面のブロックもかかるでしょう。
それが同期会となれば、人数規模も小さくスタートラインが揃った仲間であることもあり、より気兼ねなく発言できるようになるのです。
こうして実際に発言量が増えた人などを見ていると、基本的には「黙るよりは聞く」方が良さそうだなとはいう印象があります。
失敗を恐れずに行動するというのは、出来ない人にとってはかなりの苦行です。
しかし、多少の失敗は何でもない状況を作ればある程度行動する余裕が生まれて失敗の恐怖への耐性もつくんですね。
予防接種の様なものです。
今まで少なかった人の発言量の増加の他にも、元々発言量の多かった人達の発言の質の向上も見られました。
先輩達も居る環境から、同期会の結成によってトップの人たちに「自分がこのグループを引っ張る」という意識が生まれたのでしょう。
また、ほぼ同じ進捗のグループだからこそ、具体的な情報がそのままグループ全体に役立つという事もあり、出てくる情報もより同期に対してクリティカルなものになっていました。
全体に対する発言というものは、なるべく全員に関わりのあるようにしようと思うとどうしても抽象的になってしまいます。
これが難しいもので、その抽象的な要素を自分にどう生かせるかを考える力は慣れも含めて個人差があります。
この辺りは空手や楽器演奏の技術も同じで、まずは個々のレベルに合わせた具体例を積み重ねた経験の先に抽象化された技術が形成されるのです。
そういった点でレベルが近く小規模のコミュニティも間違いなく必要だなと感じました。
抽象と具体の行き来の訓練の為にも大きなコミュニティと小さなコミュニティを持つ事は大事です。
そういった所を意識して、積極的に色々なコミュニティに顔を出すようにしましょう。