今回はエンタメ回音楽編です。
以前の記事で現在の作曲家は実際に皆そうかは別として楽譜制作ソフトで作曲が出来るという話をしました。
さらに言えば楽譜を作ってパートごとに楽器を指定すればどんな楽譜でも完璧に鳴る演奏が実現します。
裏を返せば既存のクラシック曲もソフトに打ち込んでしまえば完璧な演奏を作るのは容易いはずです。しかし、今日に至ってもプロのオーケストラは無くならず、「人による演奏」は無くなりません。
それはなぜかと問われれば、人の演奏でしか出せない魅力があるからです。
そもそも楽器のが発生させる音というものはどんなに音程が正確に聴こえても単一の音ではありません。
物凄く分かりにくい表現かもしれないので、少し正確性を欠きますが分かりやすい例を挙げると、固定電話で電話番号を打つ前に聞こえる「プー」という音色も何もない音が真の正確な周波数の音です。
弦楽器には弦楽器、管楽器には管楽器、打楽器には打楽器の音色があるという事は幾つかの音が混じりあって生まれる音なのです。
弦の震え方、楽器の振動の仕方、そして奏者がどのように鳴らすかで細かな違いが生まれます。人が演奏すれば自然に一つ一つの音に違いが生まれ、それがその時々の個性となりライブ感が生まれます。
オーケストラ等で言えばさらに同じ譜面を演奏していてもそれぞれの楽器のわずかな違いが音楽のうねりを作りそれが厚みや迫力に繋がるのです。
単純に音色の面だけでなく、アンサンブル面でも人が演奏することによって大きな変化があります。
曲の時々でメロディに合わせるのか、ベースに合わせるのか、同じ動きをしているパートがあったら誰がイニシアチブを取るのか、そういった一瞬一瞬の駆け引きで演奏は大きく変わっていきます。
例えばオーケストラで言えばその人数の多さから例え指揮者を置いたとて奏者一人一人のパートに関する解釈、全体の解釈が一致することはまず有りえません。
その一人一人の僅かな差が積み重なる事で、ある程度の方向性が揃っていても多様性が生まれます。
少人数のバンドやアンサンブルなら、個々のやり取りはよりしやすくなるのでより柔軟な変化にも対応出来たりします。
ある程度人数と変化への対応力はトレードオフの関係にはありますが、その規模の違いからどちらにおいても同じ譜面の演奏でも大きな多様性が生まれるのです。
以上の様な性質から、音楽というのは人が演奏することで再現芸術でありながら同じ演奏は一つもないという絶妙な立ち位置に存在します。
さて。ここまでの話は私が触れてきたクラシック音楽やポップスの話です。
電子音楽の発展によって私が知らない世界には楽譜制作ソフトに打ち込んだ方が、完成度が高いと言える曲がたくさんあるのかもしれません。
しかし、一旦そういった話は置いておいて、「基本的に音楽は人が演奏した楽曲の方が優れている」という認識を持っていた私が驚愕した曲があります。
ですがここから話すと長くなるので続きは次回に回します。お楽しみに!