恒例の空手稽古備忘録です。
今回は普段通っている所は本番が近いオーケストラの練習との日程被りがあったため、別の稽古会に行きました。
その稽古会には練習の会場として使わせていただいている総合格闘ジムの柔術クラスのインストラクターの方も所属していますし、稽古会長がそのジムの柔術クラスに所属しているということもあって、時々空手以外の余談的な話も聞けてまた新鮮な感覚があります。
今回の稽古はナイハンチの移動から。割とうまく決まるようになってきたなと思っていましたが、移動して止まった後に微調整をしてしまう癖を見つけていただきました。
こういった癖というものは、そもそも認識の外にあるから気付けないので自力で探そうと思ったらかなり大変です。動作ごとに自分の感覚を振り返るというのが個人でやりながら行える所の限界ですが、それも厳しいのでやはり知識がある人に客観的に見てもらえるのが一番ですね。
その次はセイサンの移動。以前教えてもらった後ろ足も張る感覚を持つことで大分安定してきたのではないかなと思います。
以前来た時に教えてもらった上を向いて背骨の位置を調整してセイサン立ちを行う方法も個人練ではすっぽりと頭から抜けてしまっていてやっていなかったですが改めて効果を実感しました。
その後はナイハンチの型をやりました。普段意識していなかった手の動きによる重心の移動や、前の動作から滑らかに溜めを作るポイントなどについて教わりました。
基本の型でも奥がとても深くまだまだ先は長そうですがその分長ーく学べる良い型だなと改めて思いました。
セイサンの型の時には受けと歩法の意味について教わりました。普段私が行っている稽古会での受けとは微妙にモーションが違うというのが興味深かったです。
受けのモーションの原理は両者で矛盾するところはなく、重視するポイントの違いで変わっている感じでした。新しい考え方が入ることによってさらにこれまでの事にも理解が深まるという経験をしました。
その後は押し合いと背中の鍛えという二人組の稽古を行いました。その稽古会は比較的上級の方が多いので、先輩毎に微妙に違うコツと言うか意識の捉え方を学ぶことが出来たのでとても面白かったです。
今回参加した稽古会は稽古会長が話し好きなのか、普段参加しない私へのサービスなのか色々と興味深い話を聞けました。
特に印象に残ったのが中国拳法とこの会派の空手の類似性の話でした。中国拳法に造詣が深い方の話によると、立ち方やいくつかの理論が中国拳法でも実践重視の流派と似通っている所があるそうなのです。
面白いのがその中国拳法に詳しい方が実際に師について習った流派に過去の記事でも少し取り上げた八卦掌は入っているそうです。
そう考えると私が八卦掌の套路を見て感じた参考になる要素もあながち間違いでは無かったかもしれないですね。
今回の稽古では同じ会派の空手で同じ要素を守ろうとしていても、人によってそれぞれ自分にあう感覚は違うんだなと言うことを改めて学びました。
その方が習う方も自分に合う物を探すためにアンテナを張り巡らせますし、教える側もより深化させることが出来ます。
そしてその状態を作ろうとしたのは師範であるとの事でした。
結果としてそれは功を奏し、色々な学びを経て自分への物に変える機会を今私達は享受出来ていると思います。
自らの所属に誇りを持った上で自発性を持って学び取るこれを今後他の分野でも活かしていきたいと思います。