行ってきました空手道場!最初から入会するつもり満々でしたが実際に指導を受けてみて、やはりその意志はより固くなりました。空手そのものには皆さん興味はあったりなかったりだと思いますが、今回はある種当たり前でもある体験の重要性を私の今回の実感からお伝えしようと思います。

 

 以前の記事にも書いた通り私は空手やその他古武術的な身体操作方法等について興味があり、書籍を何冊か持っていたり、大学時代は武術系の月刊誌が購買に売っていたので立ち読みでしたが、毎月目を通したりしていました。

 

 また、十年くらい前には既にネットで武術系の身体操作の解説サイトが幾つもあったり、You Tubeで動画が上がったりしていました。ここ最近コロナ禍の影響があるのかそういったチャンネルも増えている傾向にあるように思います。

 

 先日ふとYou Tubeを見ていたら、私が浪人時代に本屋で見かけて、当時のお財布事情により買えなかった空手の本を書いていらした方がYou Tubeで型等の解説動画を上げていて驚きました。その時は立ち読み程度ではあったにせよ中々に難解で理解しづらかった内容が動画だと情報量が増えるのでかなりわかりやすくなっていました。

 因みに言ってることが矛盾しているように感じるかも知れませんが、1つの書籍として見た時にその方の本が特別意味不明かというと決してそんな事はありません。むしろ目を惹くということはそれだけ理解しやすい様に書かれているという印象でした。

 しかしこれはまた後に別の記事に纏めるつもりですが、文章と映像では読み手や視聴者に与える情報の具体性が大きく変わってしまいます。こと武術書を素人または他ジャンルの格闘技を納めている人間が見る場合には読解力や想像力の違いで認識の違いが生まれてしまう事も往々にしてあり、それを確認する方法も無いので読書だけで完全に理解することはかなり難しいのです。

 

 話を私が体験入門した空手道場に戻しましょう。私がその空手の流派を知ったのもYou Tubeの動画でした。空手には型という身体操作方法と鍛錬を複合した練習様式があるのですが、その用法の解説と応用をわかりやすく教えるセミナーの風景を抜粋したものでした。

 

 抜粋とはいえちゃんとした物が見えた時には説得力が生まれます。短い動画にせよ私はその流派に信頼性を感じ、いつかその流派に習いに行きたいと感じました。ここでいう信頼性とは、そこの流派から例えば総合格闘技のような別ジャンルに成功者を出したかという様な外面の話ではありません。そこで教わる内容を自分の中に落とし込むことが出来るというイメージが持てるかという事です。その後道場を見つけ出し、入門を決めるまでの流れは以前の記事の通りです。

 

 昨日の体験入門の前にはその流派の師範の書いた本を一冊読んでおくようにしました。その本もかなり分かりやすく書いてありましたがふと気づくことがありました。

結局道場で学ばないと理解できない

 実際の所前述した浪人時代に読んだ本に関しても同じことが言えたのだと思います。それに気付くことが出来たのはいざ体験入門をすることに決めて習うことに臨場感が湧いてきたためでしょう。

 やはり文章というものはどうしても情報量が足りないのです。もっと言えば動画でもそれは足りない。本や動画はどうやっても一方通行の情報の流れです。自分が出来ているかのフィードバックも取ることが難しく、また手本のパターンも限定されてしまいそこから自分に落とし込むのはかなりのセンスが求められるのです。

 

 これはなにも武術の指導に限った話ではないと思います。よくYou Tubeを見たり書籍を買っても結局道場や講座に入る事を促されるだけの商売道具でしかないというような見解を持つ人を見かけます。それは実際にその指導を直接受ける事を促しているという点に関しては間違っていないのですが、本質としてはやはり実際にその世界に身を投じる事に勝る理解の機会は無いというのがシンプルな答えだと思っています。

 

 今回の体験入門に関してもそうでした。体験にあたりその流派で重視している型の1つは座学?で学んでいた時代に動きは覚えていましたし、その解説動画を観て自分なりの解釈を持ち、暇な時には練習をするといった準備をしてから臨みました。結果としてそれは役立つ部分も大いに有りましたが、足りてない部分の気付きのほうが遥かに多かったです。

 足の開きはどれくらいか、腕の使い方はどの様にするべきか、重心の移動はどの様に行うか、力が逃げない身体の構え方は etc.まずシンプルな教え方でも入ってくる情報量の多さに驚きますし、何より自分がどれくらいのキャパを持って対応出来ているかということも臨場感を持って学ぶことが出来ます。

 

 また自分が教わった通りに出来ているかのフィードバックもその場で取れるのは大きな利点です。さらに言えば自分の状態に合わせたアドバイスももらうことも出来ますし、他の方の指導も横から見せてもらったりすることで、一回の練習の中でも相当のパターンを見ることが出来ます。繰り返しになりますが途轍もなく情報量が多いのです。それは一回の練習では到底消化しきれるものでは有りません。

 

 情報を浴びるだけでなく整理する事も重要です。体験して得た情報がある状態で解説動画や本を読むとさらなる発見や理解の深化が起きます。一歩引く事で視点の変化が起こり、違う角度での解釈や気付けなかった課題が見つかったりするのです。

 

 以上のように学ぶ事において体験するということはそれを起点に様々メリットを持ちます。皆さんも興味がある物事があったなら、外から見るだけではなく可能であれば体験をしてみるようにしましょう。