今回は自分の成功例と失敗例から人間の認識のテキトーさ加減についてお話しようと思います。

 以前書いた記事を読んだほうが分かりやすいと思うのでまだ読んでない方は参照ください。

 

 この記事の内容をざっくりおさらいして今回の話に必要な要素を取り出すと、私達が目に写っていると認識している物は脳が目から入った刺激を処理して構築したものに過ぎないということです。

 そして脳の処理能力にも限界がありますから、負荷がかかりすぎないように無意識が働いて入ってきた刺激のうち必要なものを取捨選択しています。

 別の表現をすると、人は目の前の物を認識しているつもりでも結構選り好みして欲しい物だけ得ようとしていると言えます。

 

 これが良い方向に働くと、思考を変えるだけで同じ物を見ていても違った側面に気付く事が出来て景色が変わります。そして何かを心からしたいと思った時にはその事象に纏わる情報が目に写りやすくなり最速での目的の達成への道が開かれます。

 

 実際私はプロフィールにある通り、このコロナ禍にあたって自分を変えるために一歩踏み出し新しい環境に飛び込みました。そうすると周辺の環境は同じなのに情報の受け取り方が変わったのです。今までなら気にも留まらなかった事に興味がわき深く思考するようになりました。

 例えば自分には読書の習慣が無かったのですがこの一週間でKindleを利用して電子書籍を4冊読みました。元々Amazonは利用していたのに目もくれていなかったサービスを今では無くては困るとさえ思っています。また以前は暇つぶし的にだらだらとスマホをいじる時間が多かったのですが不思議と必要なことをする時以外は使わなくなりました。

 

 このように何か努力をしようと思ったわけではないのに、自然と行動が変えられます。望んだ方向に利用できればこれほど有用な事は無いでしょう。

 

 ただ無意識の取捨選択は悪い方向にも働き易いです。元々は人間が動物的な暮らしをしていた時の危機判断にも役立っていた能力なので、ともすれば事象の悪いところばかり見えてくる事も十分ありえるのです。また、それ以外にもネガティブな理由作りのために必要な物を視界から隠すこともあります。

 

 私が体験してしまったのは後者の方で、目の前にあるはずの情報がスッポリ抜けてしまうということでした。

 緊急事態宣言が解除されたことで、久々に仕事に出た時のお話です。

 

 仕事で使う機器の設定を行うために機器とパソコンを繋いで必要な情報を入力するという作業をしていました。機器は2つあって設定の内容はほぼ同じです。結構煩雑な作業なのでマニュアルを見ながら行うのですが、片方の設定は無事終わったのに同じ設定を入れた筈のもう一方がエラーを起こしたのです。設定内容を見比べ、マニュアルを丁寧に見直し、順番に必要な情報を入力し…といくらやっても正常に動きません。困り果てて先輩に相談し設定をチェックしてもらったところ、アドレスを入れる部分のドメインが2字間違っていたのです。

 その部分はマニュアルを見直しながら確認していた場所で、その時はなんで気付かなかったのか自分でも分かりませんでした。 

 後から振り返ればそこで作業を引き伸ばすことで区切りの良い時間まで粘りたかったんだなと思います。しょうもない目的達成に有用な機能を使ってしまいました。

 

 このように人の脳の働き、とりわけ無意識は思考の置き方によって大きく得られる効果が変わってしまうのです。

 なるべくならこの働きを有効に使いたいところですが、なかなかそれは難しい事です。様々なアプローチがあり、恐らく方法ごとに記事が書けるでしょう。

 まず入門編としては人間の認識はテキトーとそこを覚えるだけで十分と考えましょう。それだけでも悪い方向に言った時に抜け出すきっかけにはなります。