各国の五輪選考会が1ヵ月ほどに迫る中で、ある程度のタイムを出しておきたい今大会。

 

昨年ライルズと共に世界最高の9秒83を保持していたクリスチャン・コールマンが9秒95(+1.2)で制して少しずつ調子を上げて来ました。

 

コールマンでまず一番気になったのは、スパイクです。

 

 

マックスフライ2ではなく、薄底のスーパーフライエリート2のように見えます。

 

コールマンは初代のマックスフライの頃から薄底と併用したり、マックスフライに完全に満足しているという感じは受けていなかったのですが、特性が変わったマックスフライ2も好みかというとそうではないのかもしれません。

 

 

10mごとの区間タイムを見て行くと、昨秋の好調時は80mまでほぼトップスピードを維持出来ていましたが、今回は失速し始めるのが早い印象です。

 

これがスパイクの影響なのか、調子によるものなのかは今後のコールマンのタイムの出方で見極めて行こうと思います。

 

女子の優勝は昨年の世陸王者のS.リチャードソンが10秒83(+1.5)で制しました。

 

今年のリチャードソンは100mも200mも非常にパフォーマンスが低調で、アメリカ代表すら危ぶむようなシーズン序盤でしたが、前走の11秒28(+2.0)から10秒83(+1.5)と僅か3週間で大きく立て直してきました。

 

 

リチャードソンの変化は最初の10mで出遅れなかった事です。

 

リチャードソンはマックスフライ2を履いていて、初代マックスフライはスタートが難しいという選手も少なからずいるので、リチャードソンも初代ではスタートに苦戦していて、マックスフライ2では解消されてスムーズなスタートが出来るようになった可能性があります。

 

今回の好スタートがたまたまなのか、根本的に改善されたのか注目したいと思います。

 

東京五輪覇者で五輪3連覇を狙う立場のE.トンプソンは五輪出場すら危ういシーズンインとなりました。

 

3週間前のリチャードソンとほぼ同じパフォーマンスなので、急激に改善する可能性も0ではないですが、非常に厳しいスタートであるのは間違いないです。

 

 

全盛期までとは言えないまでも、それなりに調子を戻していた昨秋と比較しても、違いは歴然です。

 

全体的なスピード不足で、トップスピードは0.06秒も違います。

 

フレイザープライスがまだシーズンインしておらず、シェリカ・ジャクソンもそこまで調子が良い状態ではないものの、五輪の切符を掴むには無風換算で10秒台には入れておかないと厳しいと思います。

 

ジャマイカ選手権まで残り約1ヵ月で0.4秒以上パフォーマンスアップが求められます。