真空管ラジオ『 コロムビア COLUMBIA 1510 』の修復 - Part.9 | アナログ三昧、そして時々ディジタルな日々
Part.8までで、交換すべき古い部品はほとんど取り外しました。
このPart.9 から新しい部品をひたすら取り付けて配線していきます。

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部品を取り外した後、改めてシャーシを清掃しました。
“新品同様”とは言えないまでも、思ったより綺麗になりました。

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先ずシャーシのこの位置に新しいブロックコンデンサを取り付けます。

奥のロータリースイッチの2個の端子間に接続された古い抵抗を発見!
しかし、左側の端子には抵抗以外にシールド線の網線など5本の配線が接続
されていて、一旦取り外したが最後、元に戻せなくなりそうな気がするので
見なかった事にします。
“君子は危うきに居らず 賢人は危うきを見ず 聖人は危うきに寄らず”

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ブロックコンデンサ取付用の金具を取り付けました。
オリジナル品ではなく、新たに入手したブロックコンデンサの添付品です。

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ブロックコンデンサ本体を取り付けました。

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オリジナルのブロックコンデンサは静電容量『50μF+20μF+5μF』で
定格電圧(耐圧)『350V』だったけど、同じ仕様の製品が見つからなかったので
静電容量『50μF+50μF』、定格電圧(耐圧)『500V』の製品を某ネットオーク
ションで見つけて落札しました。
勿体ないけど『50μF+50μF』の片方だけを使用します。

残りの『20μF』と『5μF』は単体のチューブラー型コンデンサを使用します。

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取り付けたブロックコンデンサの接続端子側です。

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各端子のリベットの頭に“1”“2”“3”と番号が刻印されています。
“1”と“2”が+(プラス)端子で、“3”は共通の-(マイナス)端子です。

取り付け穴が少し小さめなので、+端子がシャーシに接触しないように
取り付け位置を微調整しました。

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唐突に、作業机と周囲の様子です。
シャーシの右側に回路図、工具、テスターなどを置き、更に右側の段ボール箱
の上にはノートパソコンを置いています。

回路図を基に実際の部品の形や部品間の配線ルートを示す“実体配線図”を
作成し、その“実体配線図”に従って部品を取付けて配線するのが本来の手順
だけど、“実体配線図”を省略して回路図から直接組み立てる事にしました。

代わりに、予め撮影しておいたオリジナル状態の画像を必要に応じてノート
パソコンに表示して、部品の実装位置や配線ルートを決める参考にします。

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シャーシ中央のやや上に取り付けたブロックコンデンサの周辺から
組み立てる事にします。

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添付の回路図からブロックコンデンサ周辺、つまり“B電源”の平滑回路周辺
の回路を抜粋して描いてみました。

この回路図の一番下に描かれている平滑回路入力側の『50μF』電解コンデンサ
として、前記のブロックコンデンサの片側『50μF』を使用します。

平滑回路出力側の『20μF』と、6AV6のプレート給電系のパスコン『5μF』
としては、前記したように単体のチューブラー型電解コンデンサを使用します。

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オリジナル状態の画像です。
緑色の長方形で囲んだ部分がこの回路に相当します。

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配線用には『耐熱電子ワイヤー』を使用します。

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錫(すず)メッキ線も使用します。

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始めの1本として、周波数変換/局部発振用『6BE6』のスクリーングリッド
へ15kΩの抵抗を介して“B電源”を供給するための配線をラグ板の左端の端子
に接続しました。
この赤い線材はオリジナルの残存品で、状態が良かったので流用しました。

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ラグ板に『15kΩ3W』の金属被膜抵抗を取り付けました。
ブロックコンデンサの端子3(共通マイナス端子)とシャーシのアース端子の間を
錫メッキ線で接続し、端子2(50μFのプラス端子)に整流管のカソード端子から
の配線と出力トランスへの配線、そしてラグ板の端子への配線を接続しました。

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ラグ板の端子に『2kΩ1W』と『30kΩ1/4W』と金属被膜抵抗を取り付けました。
右から2番目の端子は“B電源”の中継端子で、既に抵抗のリード線3本と
“B電源”の各部への配線2本の合計5本が仮付けされた状態だけど、更に
コンデンサを2個取り付ける必要があります!

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ちょっと厳しいので、2個のコンデンサを抱き合わせてリード線を1本に
まとめてから取り付ける事にしました。

この部分は、オリジナルではブロックコンデンサの『20μF』部と『0.05μF』
のチューブラー型オイルペーパーコンデンサで構成されていたけど、前記の
ように適当なブロックコンデンサが入手できなかったので『22μF450V』の
縦チューブラー型アルミ電解コンデンサと『0.047μF400V』のメタライズド・
ポリエステルフィルム・コンデンサの構成になりました。

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2個抱き合わせたコンデンサを、極性に注意しながらラグ板の端子とシャーシの
アース端子に半田付けしました。

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端子から突き出していたリード線の余長をカットして完成です。

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“B電源”を、ラグ板の端子から各部へ配線します。

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“B電源”から『30kΩ1/4W 』の金属被膜抵抗を介した先の端子とシャーシの
アース端子の間に『4.7μF450V 』の縦チューブラー型アルミ電解コンデンサを
接続しました。
オリジナルではブロックコンデンサの『5μF』部が使用されていました。

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上記の『4.7μF450V 』を接続した端子から低周波増幅管『6AV6』のプレ
ート端子へ『250kΩ1/2W』の金属被膜抵抗で一跨ぎで接続するために、
抵抗のリード線に錫メッキ線を継ぎ足しました。

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リード線に熱収縮チューブを被せて、ヘアドライヤーでシュリンクして完成。

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ちょっと判り難いけど、右上の緑円内の端子と左下緑円内の『6AV6』の
プレート端子の間を、延長リード付きの『250kΩ、1/2W』金属被膜抵抗で
接続しました。
やはり抵抗をラグ板などにしっかり固定して配線するのが正道かと思います。

これでB電源の平滑回路とその周辺回路の配線は完了です。

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