『D-3500』の修復に必要なモータープーリーを入手するため某ネット
オークションでD-3500のジャンク品を捜していたら、D-3500の発売から
10年以上後の1986年頃に発売された『 Lo-D D-707Ⅱ 』というカセット
デッキの中古品が出品されているのを見つけました。
商品の説明には「基本的な動作等は問題ございませんが、録音時の
音質があまり良くない感じです」とあり、状態相応の開始価格が設定
されていました。
中古オーディオ機器専門店からの出品で、店頭およびネット通販でも
販売可能との説明があったので同店のホームページを覗いてみたら、
オークションの開始価格と同じ価格で販売されていました。
「D-3500のモータープーリーを入手する」という目的から外れるけど、
とりあえず約30年前にD-3500で録り貯めたカセットテープの状態を
確認するのに使えそうなので、オークションの成り行きを見極めながら
入手する方向で対応する事を決めました。
入札者がないままオークションの終了日時が迫っていたので、あえて
入札せず、入札者なしでオークションが終了するのを待って、直接
販売店に発注して購入しました。
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一番上に載っているのが今回購入した『 Lo-D D-707Ⅱ 』です。
さっそくアンプとスピーカーを繋いで、30年ほど前にD-3500で録音した
カセットを試聴したところ、思ったより良い音で再生できました。
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現在の機器構成は次の通りです:
・カセットデッキ『Lo-D D-707Ⅱ』(このたび中古で購入)
・FM/AMチューナー『KENWOOD KT-1010F』(1988年12月購入)、
・CDプレーヤー『Lo-D DA-703D』(1988年2月購入)、
・プリメインアンプ『Lo-D HA-610』(1975年12月購入)、
・スピーカー『YAMAHA NS-10M』(1976年5月購入)、
・レコードプレーヤー『DENON DP-1700』(1976年6月購入)
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28~35年前にD-3500で録り貯めたカセットテープを納めたラックです。
約90巻入ってます。
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上段は主にクラシック、バロック、イージーリスニングなど。
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下段はフォーク、ニューミュージック、ポップスなどです。
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ラックに入り切らなくて上に積み上げてあったカセットは、引っ越し
の時この段ボール箱に詰め込みました。
ラジカセで録音したテープや未使用テープも含めて様々なジャンルの
ものが50巻ほど入ってます。
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これは、D-3500で録音したテープの中で最も古い録音日のものです。
ほとんどのテープは、このようにFM情報誌の番組表ページの該当箇所
を切り抜いてケースに挟んであります。
当時はFMエアチェックがブームになっていて、FM情報誌が3誌も発行
されていました。 これは小学館発行の『FMレコパル』の番組表です。
おすすめ番組に赤いナマズのロゴマークが付いています。
いずれ綺麗なラベルを作ってやろうと思いつつ35年経過! 光陰矢の如し。
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ケースから取り出したカセットのA面です。
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Dolby On
ドボルザーク/交響曲第9番ホ短調「新世界から」
PM 8:05 75.11.28 NHK-FM 横浜 FMコンサート
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と鉛筆書きの汚い文字で記されています。
当時は神奈川県に住んでいて、NHK-FMは東京と横浜の電波が受信できた
けど、横浜の方が若干強かったので専ら横浜の電波を受信していました。
民放FMは80年代半ばまでFM東京のみで、その後 FM横浜、J-WAVEなどが
開局しました。
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B面です。
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Dolby On
〔シンセサイザー音楽特集/富田勲〕
75.11.28 PM 7:15 NHK-FM 横浜 サウンド・オブ・ポップス
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と記されています。
試聴した結果、A面、B面とも高音域が若干劣化している感じがするけど、
35年前に録音したものとは思えないほど良好な音で再生されました。
一つ気になったのは、カセットハーフの窓から見えるテープのエッジ
部分が白いカビのような物で覆われていた事です。
この写真はA面~B面一往復再生した後なので目立たなくなっています。
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別のテープのケースから取り出した直後の写真です。
窓から見えるテープのエッジ部全体が白くなっています。
このテープを中央辺りまで早送りして磁性体の表面を観察したけど、
記録面に異常はなくエッジ部分だけに白い粉末が付着していました。
他のテープもチェックしたところ、ほぼ全てのクロームテープで発生して
いてノーマルテープでは全く発生していないので、クロームテープ特有の
現象のようです。
磁性体などの材料が化学変化(析出?)を起こしているのでしょうか?
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クロームテープを再生した後のデッキのヘッド周辺です。
赤丸を付けた部分に白い付着物が残っています。
供給側のキャプスタンとピンチローラー周辺が特に汚れています。
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軽くクリーニングしただけで綺麗に落ちました。
それほど悪質な物ではないようです。
5本ほど試聴してみた結果、少なくとも再生動作については全く
問題がないようです。
これでD-3500を修復する必要性が無くなったような気がしないでもない
けど、修復作業自体に意義を認めて引き続きジャンク品を捜して修復を
続けます。
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<参考リンク>
ろでぃすとの家>ローディのカセットデッキコレクション>D-707Ⅱ
ろでぃすとの家(TOP)
カセットデッキ 『 Lo-D D-3500 』の修復 - Part3
-完-