Zwei FlugelとEins Flugelの歴史 | Analog of Magic もみじとクラフトマンのblog

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GND分離ポータブルヘッドホンアンプ【Zwei Flugel】【Eins Flugel】など各種アンプなどを販売中

Zwei FlugelとEins Flugelをどのようにして開発したのか、少しまとめてみます。

・直系の先祖アンプ
直接のベースとなったアンプは10年以上前に製作しました。

目標は大出力化と(それ以前に製作したアンプより)帯域幅が狭くならないことでした。それ以前からアンプは据え置き含め製作していましたが、ポータブルヘッドホンアンプではどうしても最大出力が小さくなりがちで数値上も動作上も余裕があまりとれないという問題に当たっていました。出力が大きければ音が良いわけではありませんが足りないと困ります。

そこで今と同じサイズのケースに単四電池(AAA)を6本搭載し、出力がきっちり電源レールまで振れる構造を狙って製作したのがZweiやEinsの直系のベースとなるアンプです。このアンプは何度も改良され、最終的にはなかなか良いところまできています。ZweiやEinsではより改良しています。少し調整している部分もありますが、音質はベースとなったものより上です。
ただやっぱり電池6本は不便なのと、思うところあって後に電池4本のZwei Flugelを作ることになります。

乾電池を用いたのは毎日電車に乗っている時間が長かったためです。当時は今ほどモバイルバッテリーも普及していなかったので電池交換できないと不便だったのです。(電池交換不可なアンプも作ったのですが不便すぎました。)


・技術的に役に立ったアンプ(先祖製作以前)
上記のアンプ以前に電池4本や電池2本、電源を昇圧したもの、据え置きなどを何台も作っては測定・試聴し改良する…を繰り返しており、それぞれで得た知識や確認したことをZweiやEinsに落とし込んでいます。高電圧で電流を絞っていくより低電圧で振幅を稼ぎながら高音質を実現するほうがどちらかというと得意なようです。
ポータブルアンプにおいて電池は最大の部品であり、その電池には明確な特性差があるため電池は指定して構造も音も決めることにしたのもこの時です。またこれより前にコンデンサをとっかえひっかえする等は一通りやっています。当時はまだブラックゲートも普通に買えましたし。NXとかも買いましたよ…。

・技術的に役に立ったアンプ(先祖製作以降)
PCB設計のみの変更や定数のみの変更などで詰めたアンプをいくつも作っていたのが役に立っています。その過程で電源周りの回路や増幅回路もブラッシュアップしていますが、主にPCBと定数の影響が大きいです。


まとめると
 ・Einsには直系の先祖がありますが電源周りも増幅回路もそのときより進化しています。
 ・特性と音質のためのプリント基板設計など、理論と経験に基づいた設計をしています。オーディオではあまり真剣に検証されない部分も重視しています。
 ・ZweiはEinsの低出力版に見えますがかなり細かい部分まで違いがあります。

そしてどのアンプも音楽を聴く道具として作っています。音楽に惚れこんでその良さをできるだけ再現するのがオーディオ機器だと思いますので。
できるだけアンプによる音の脚色は減らし、音楽の表現を余すところなく再生できるように性能を上げる。これは耳だけ・測定だけのどちらかでできるものではありませんし、短期間でできるものでもないと思います。

あの部品がイイこの部品はダメみたいな迷信に騙されず、一度お試しください。
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定期的に開催しようと思っている試聴会・勉強会では、高音質・高性能なディスクリートアンプやほぼ同じ部品で構造違いのアンプもありますよ♪  (ちなみにバランスアンプは2007年ごろからやってました。なんとなく回路を4ch並べるより2chで回路・プリント基板を突き詰めるほうが良いと思っているため、シングルエンドやGND分離がメインでしたけれども。)