最近やったこと・やっていること | Analog of Magic もみじとクラフトマンのblog

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アナログ回路を中心とした話題をお届けします。

GND分離ポータブルヘッドホンアンプ【Zwei Flugel】【Eins Flugel】など各種アンプなどを販売中

今年もよろしくお願いします。

 

最近やったこと・やっていること

 

1.有名なホームページの自作ヘッドホンアンプ記事に沿って製作されたアンプを測定しました
2.据え置きヘッドホンアンプを製作(また中身はほとんどパワーアンプですけれど)
3.おもちゃDACを設計中

4.オフ会&試聴会&勉強会準備中

 

 


1.有名なホームページの自作ヘッドホンアンプ記事に沿って製作されたアンプを測定しました

 

このアンプ(ディスクリートのヘッドホンアンプ)はコンセプトによくあっていると思うのですが、妙な考察をしている人が結構いるようで賛否両論あるようです。実際に見かけた例だとゲインの理論値も出せない人がフィードバック量について何か言っていて、その理解度で何を語れるのか甚だ疑問です。

このアンプを組み立てた方が「このアンプは巷で言われているような欠点があるのか」と疑問を持たれていたので、お借りして測定と考察をしました。※普段はこのようなことはしません。


測定前に回路図を見たところ、誰でも作れる構造・部品点数で音質もそこそこ良いというコンセプトにはばっちりハマっていると思いましたし、計算してみても特別悪い部分は少ないと思います。何より製作者様が測定データをしっかり公開しているのが良いですね。他を批判するだけで、ご自身の技術がどの程度あるかの参考になるデータも公開しない人が多い界隈ですので。

ただし気になる部分が全くないわけではなく、私ならそうはしないという部分もいくつかありました。作りやすさやわかりやすさを考えたら、そうなるのかもしれませんが。


このアンプは詳細を記した本が出るそうですし、私が考察と測定したものは組み立てた方にお渡ししたので詳細はここでは書きません。測定結果は、THD+Nや最大出力など製作者様の公開されているものはほぼ同じ結果になりました。十分な再現性があると思います。歪み成分や各部動作も、測定前に考察した通りの結果が得られました。

 

音質も数値ももっとよくできるでしょうけれど、そうすると「誰でも作れる」からは外れますしトラブルシューティングも難しくなります。アンプ自作を始めるきっかけ・ここから勉強してみようというきっかけには大変良いアンプだと感じます。このアンプは真似して作っておしまいなのではなく、あくまでも自作を始める一歩目だと強く感じます。それなりに音が良いアンプがほしいだけなら、少しお金出して適当なものを買えばいいだけですし。

 

 

 

2.据え置きヘッドホンアンプを製作

 

ちょっと久しぶりに据え置きヘッドホンアンプを作りました。メインで研究していた回路ではなく、基本的な回路で細かいところを少し詰めたものです。

ヘッドホンアンプはパワーアンプと比べゲインが低めなので単純に補償容量を増やす…とスルーレートが落ちてしまいますからこのあたりは好みに合わせて適当な値をねらいました。とはいえ、あまり初段のコンダクタンスを落とすと今度は雑音が増えますから、このあたりは好みや考え方によってうまく調整する必要があります。(オペアンプの歴史の中でも、初段gmの違いで特性を変えている品種がありましたね。)

 

私はほとんど選別しない主義ですので部品は一切選別していません。出力用のトランジスタはヘッドホン用なので中電力パワートランジスタです。それ以外のアンプ部のトランジスタはすべて面実装としました。

ポータブルアンプと比べ最大出力が桁違いに大きいことと、DCサーボによるオフセットの収束時間が少し必要であるため、電源on・off時には出力を切り離すようになっています。過去に制作したパワーアンプや据え置きヘッドホンアンプでもやっていましたが、今回はリレーをオムロンではなく秋月で売っているものにしてみました。たぶん音も違うでしょうけど、直接比較していないのでわかりません。

 

どうでもいい蘊蓄はこれくらいにして、特性を貼っておきます。利得は+3倍。33Ω負荷での1kHz THD+Nです。BW:80kHz、発信器の出力インピーダンス600Ω。


0.0007%は測定限界です。最大出力は33Ω負荷で2Wくらい。アイドリング電流を絞っているので最大出力付近ではAB級動作です。測定時のシールドが甘いことと設計上の限界もありますが、この値ならまあ良いと思います。何箇所か暫定の部品になっているのでそれはいずれ交換しましょう。

※この後、改良しましたのでノイズフロアが若干下がっています。

 

 

 

 

3.おもちゃDACを設計中です

 

おもちゃDACを設計しています。荷物を減らしたい・でもDAPをアンプにつなぐのではなくDACがほしい試聴時などに使えるようなものです。SPDIF入力・XLR出力(+RCAか3.5mm)です。出力インピーダンスは若干高いですが外付け部品が最小のDAC ICでシンプルな構造にしようと思っています。
5V入力のみ動作するように設計しています。部品点数は少ないDACですが電源を少しこだわったら電源周りの部品点数が増えてしまいました。5Vで直接動かす部分はありません。

据え置きアンプやパワーアンプにつなぐことを前提としているので、バランス出力もできるようにしています。基板サイズに対しXLRコネクタの大きいこと…(笑)。

 

 

 

4.オフ会&試聴会&勉強会準備中

 

会員登録みたいなのは済ませました。ちょっと窓口の人がテンパっていたので本当に登録できているのかは…?場所を予約してみましょう。詳細はまた別途書きますが、初回は2月中のどこかでやりたいと思っています。

 

 

会の内容は交流&少しだけ勉強です。もちろん参加費は無料。

主にオーディオアンプ(プリでもパワーでもヘッドホンでも)を作る人やその中身に興味のある人、中の人(私)に何か教えてあげたい人などに参加してほしいです。ご自慢の機器を聞かせたい方もどうぞ。パワーアンプだとみんなでブラインド試聴できますが、ヘッドホンアンプでもそれができないか検討中です。

 

また今はご自分で設計していなくても、有名な回路の動作が知りたいとか発振してるアンプを聞かされて自作界隈に不信感がある、詳しく見える人がいたけどトラブルシュートもできてないし特性も見せてくれない…といったことに疑問をお持ちの人の参加も歓迎します。

 

このオフ会は開催してもすぐには(数回は)人がくるとは思っていません。もしかしたら0名かもしれません。気になることを話せる場所があることに意味があると思うのでそれでも良いのです。