「迷う理由が値段なら買え 買う理由が値段ならやめておけ」はネットでよく言われているので見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。これは値段で迷っても良いことないから買ってしまえ・値段が安いからといって買うと後悔するからやめておけという意味です。私も無理して買って良かったものもありますし、安いというだけで買って失敗することもあります。
特にオーディオ機器だと安いほど設計が甘い物を踏む可能性が高いように思います。どんな機器でもちゃんと設計するには多くの知識や経験、十分な開発環境が必要です。メーカーの場合はここに社員の給与が毎月発生しますし広告費や流通費などもかかります。そのためオーディオ機器のような出荷台数が限られるものだとどうしても一台あたりの価格が高くなります。それが妙に安いということはメーカーや設計者が自腹を切っているかまともに設計していないかです。もちろん高くても設計がひどいものもありますけれども。
いくら部品代がかかっていてもそれは音や性能に直接は関係ありませんし、もっとうまくその部品を使える人もいるでしょう。だからこそデータや考え方は出したほうが良いと思うのです。それが信用につながるわけですから。
自分が何か買うときは、値段がもっと高くてもその設計にお金を出せる価値があるのかを考えるようにしています。その人やメーカーにしかできない設計は大きな価値を持ちますからね。私個人ではメーカー品の何倍も出すから据え置きヘッドホンアンプを作ってほしいという人や、高いメーカー製アンプを持っているのに私にプリアンプを作ってほしいという人もいました。コツコツやっているとそういう話もチラホラと出てきます。まだまだエンジニアとして未熟なのにありがたい話です。
一方で色々と調べたり試聴していると電子回路を消費コンテンツのように扱い、技術にも先人にも敬意がないような人が設計した機器も見かけます。儲かる・自己顕示欲が満たせるからやるという焼畑農業のようなやり方の製品は好きになれません。電子回路自体が好きだから納得いかないのです。たとえ安くてもそんなものを買ってしまったら後悔するでしょうし。
AoMも少しラインナップを整理しましょうか。私が個人でやっていることと重複する部分が出てきてしまいそうですけれども、本当に大事なものがわかる人だけわかればいいというモデルがあっても良いでしょうし。