穴吹 圭のブログ -38ページ目

穴吹 圭のブログ

日常の話、コミュニケーション、外国語習得法などを



中心に、小学生から大学生まで幅広く教育のあり方を



考えます。



教育についてはこれまでの経験を活かし、実際に役に



立つ内容を読者と一緒に掘り下げていきたいと思います。

 「釜わらし」などという存在は、聞いたことがなかった

ので、どう理解すればいいのか戸惑った。


 確か東北地方にいる「わらし」は、実際の子どもと

等身大の大きさだったと記憶している。


 しかし、今、目の前にいるのは15センチぐらいしか

ないため、どう接すればいいのか困った。


 小さな顔に長いまつ毛の目がくるっとしており、赤み

を帯びた口が可愛い。体つがほっそりしていて、カモ

シカのような足はすばしこそうだ。


 「だけど、いままで一度も見たことないよ」
 「そりゃそうです。わたしたちの姿は、普通の人間に

は見えないのですから」
 「どうして?」
 「わたしたちは精霊の塊ですから、純粋な心の持ち

主以外の人には見えないのです」
 「ええ?じゃぼくは純粋なわけ?」
 「そうですよ」
 「そんなこと言われたことないなあ」
 「いいえ、わたしはずっと伸介さんを見てきました。

とても純粋で正義感が強いと思います」
 「えへへ、照れるなあ」


 この釜わらしとの出会いが伸介の心を大いに慰めて

くれた。なぜなら、この日以来伸介は釜焚きを一人で

やらなくてもよかったからだ。


 薄暗いところで、釜焚きをしながら釜わらしを待って

いると、周囲にだれもいないのをを見計らって、必ず

かわいい姿を見せてくれた。


 伸介は、釜わらしといろんなお話をするのが楽しかっ

た。その仕草があまりにもいかわいいため、スケッチ

することにした。


 彼は小さいときから絵が得意だったので、釜わらし

と話しながら、彼のはやい動きに負けないように素描

をやってみた。。


 夢中になって色々ななポーズを描いたので、気が

ついてみると、スケッチブックはたちまち釜わらしの

姿が踊っているようだった。


 釜わらしはピエロのように体を動かし、表情豊かに

伸介に話しかけてくれて楽しかった。


 「うーん、君って男の子?それとも女の子なの?」
 「さあ、どっちでしょう」
 「どっちかなあ」
 「当ててみて」
 「女の子かな」
 「外れ!」
 「じゃ、男の子」
 「外れ」
 「ええ。それじゃ変だよ」
 「そう?それじゃ、どちらも正解です!」
 「ええ?ますますわかんないや」
 「実は中性なんです。人間からは見る人によって、女

にも男にも見えるんです」
 「ああ、それで精霊というわけ」
 「そうなんです」


 女でも男でもないとすれば、どうなるんだろう。伸介は

いったいどう考えればいいのか、よくわからなかった。


→「第8章 釜わらし7」につづく


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      好きなアルコールは?


 これから暑くなると、ビールをぐっと一口に飲みたく
なりますが、みさんのお気に入りのブランドは何で

しょうか。


 子どものころ、大人が飲み残したビールを口にして、
こんな苦いものが、なぜあんなにおいしそうに飲める
のかという経験があります。


 ところが大人になって飲んでみると、逆こんなおい
しい飲み物があるのかと思うくらいです。


 昔は、ビールの種類も少なかったのですが、今は

国産ばかりでなく外国物も自由に輸入され、本当に

種類も増えてしまいました。


 おまけに発泡酒という種類もあり、スーパーなど

お酒コーナーにズラリと並んでいるのを見ると、どれ

を選んでよいのか迷ってしまいます。


 ビールだけでなく、日本酒、焼酎、梅酒なども数え

切れないほどの種類があり、眺めているだけでも楽

しくなります。


 昔は高値の花だったワインは、自由化や円高の

おかげで、値段もやすくなって手軽に飲めるように

なりました。


 ですから、ビールといえばドイツ、ワインといえば

フランスといった固定概念はなくなり、今ではどこで
生産されたものでも、それなりに素敵な味が楽しめ

ます。


 以前にオーストラリアに1年間滞在したとき、ビール

とワインの種類が豊富に味わえるので、、パーティ

ーでは持込の飲み物が常識だったことを思い出しま

した。


 さて、みなさんのパートナーはアルコールでは、どん
なブランド名がお気に入りでしょうか。


9.お気に入りの飲み物
  (                        )



 パートナー

  自分

ビール





ワイン





日本酒





地酒







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 そういえば、この世に「釜わらし」という精霊がいるという

ことを、世間の人は知っているのだろうか。


 伸介は子どものときとても不思議な経験をしたが、

そのことは未だに忘れられない。


 ある冬の日、伸介はいつものように湯槽の上でうた

た寝をしていた。寝返りをうったとき、手元で微かに

し殺したような声がした。


 虫か何か飛んで来たのかと気にしなかった。しかし、

唸り声がしばらく続くものだのから、気になってふと

腕を上げてみた。


 すると、小さな人形のようなものが、腕の下から目

の前にヨロヨロと立ち上がってきた。


 身長がわずか15センチぐらいしかなく、全身を透明

なブルーのナイロンのようなドレスでくるんでいる。


 頭には2本のアンテナがついていて、ときどき銀色

に光っている。真っ赤な靴を履いて、それがとっても

可愛いらしい。


 まだ完全目覚めていなかった伸介は、自分が寝ぼ

けているのかと一瞬目を疑った。


 そのお人形さんは伸介腕の下に挟まって足を痛

めたのか、顔をしかめながらうずくまって足を押さえ

ていた。


 伸介は心配になって覗き込んだが、なんとか大丈

夫のようで、それはすぐ立ち上がって伸介を見上げ

て言った。


 「こんにちは、伸介さん」
 「うわあ、話せるんだ!」

 「もしろんすよ」

 「驚いたなあー」


 目を見開いた伸介に向かって、人形が元気な声で

自分の名前を呼んだのだ。伸介は驚いて後ろに飛び

のきそう腰を浮かした。


 「お目覚めですか?」
 「ええ?人形がしゃべってる!」


 キョトンとして辺りを見回し、他にもいるんじゃないか

と辺りを見廻したが、だれもいなかった。


 釜焚き場の下を見ても、いつも釜番をしているはず

の親父さんの姿がなかった。トイレにでも行ったのか

もしれない。


 夕方なので、辺りは暗くなっていたが、このお人形

のいるところだけがスポットライトを浴びているように

明るかった。


 「君って、お人形さん?」
 「いいえ、『釜わらし』といいます」
 「なに?『釜わらし』だって?」
 「そうなんです」
 「人形さんじゃないんなら、小人なの?」
 「精霊です」
 「精霊?」
 「はい、霊の塊(かたまり)といえばいいでしょうか」
 「霊の塊ねえ。でも、何で人間みたいに話せる

の?」
 「何でも人間と同じようにできますよ。飲んだり食べ

たり、笑ったり泣いたりもね」
 「へえ、でも、なぜそんなに小さいの?」
 「人間には人間の物差しがあるのように、わたし

たちにもそれがあるのです」
 「ふーん、それで、どこに住んでるの?」
 「ここです」
 「ええ?まさかこの釜場?」
 「正解、だから『釜わらし』っていうですよ」


 わらしの話は聞いたことがあるが、まさか自分の目

の前に姿を表すことなどは、想像したこともなかった

ので、伸介は非常に驚いた。


→「第8章 釜わらし6」につづく


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