「ピッタリ」は話しコトバ!
「ピッタリ」は話しコトバの代表的なものなので、書きコ
トバの中では使わないようにしたいものです。
なぜなら、この言葉が一つあるだけで、文章の調子が
いちじる崩れてしまうからです。
たとえば、次のような例はどうでしょうか。
(例文71)
この学科では、英語でのコミュニケーション能力
を養えます。中国語を基礎から身につけることが
できます。母国語である日本語をちゃんと見直し、
文章をまとめたりする力も養えます。だから本当に
学びたいことがすべて学べるので、自分にピッタリ
な学科だと思いました。
・能力を→能力が
・身につける→習得する
・ちゃんと→改めて
・文章をまとめたりする→文章をまとめる
・ピッタリな→合致した、適合した、最適の
一見、何も問題のようにない文章にみえますが、よく
見るといくつかの問題があります。
やはり、最後にある「ピッタリ」が非常に気になります
ね。それに冗長な言葉遣いになっているので、次の
ように簡略にする方がいいでしょう。
(訂正文)
この学科では、英語でのコミュニケーション能力
が養えます。また、中国語も基礎から習得できま
す。母国語である日本語を正しく見直し、文章を
まとめる力が養えます。本当に学びたいことが実践
できるので、自分に最適の学科だと思いました。
このように直してみましたが、どうでしょうか。
さて、次のような場合はどうでしょうか。
(例文72)
私は高校の頃、ただ勉強をがんばってきました。
それは、良い成績を残しておけば損はないし、自分
の目標達成にピッタリ合っている思っていたからで
す。しかし、そのときはちゃんとした目標がなくひた
すら勉強するのはとても苦痛でした。そんなときに
私は数学の楽しさに気づき、それを習うことが楽しく
なりました。そうしたら、他の教科の面白さにも気づ
き、内容を理解して勉強するようになりました。そし
て、進路について考える時、自分が楽しんで学べる
ものがある大学へ行こうと考えました。
・がんばって→努力して、励んで
・損はない→無駄にはならない、効果的だ、有益だ
・ピッタリ→最適の
・ちゃんとした→正しい
・楽しさ→面白さ
・習う事→習うこと
・そうしたら→それで
この文章は何が言いたいのかはわかりますが、表現
力があまりにも低レベルで、とても大学生の文章とは思
えません。
これは大幅に手直しする必要があります。
(訂正文)
私は高校の頃、ただ勉学に励んできました。良い
成績を残せば効果的であるし、自分の目標達成に
最適だと思ったからです。当時は定まった目標が
なく、ひたすら勉強するのはとても苦痛でした。そん
なとき私は数学の面白さに気づきました。そして、
他の教科の面白さにも気づき、内容を理解して勉強
するようになりました。それで、進路については
自分が楽しんで学べる大学へ行こうと考えました。
これで、なんとか文脈は繋がったようですが、まだま
だ不十分ですね。
みなさんはどのように手直しするでしょうか、一度やっ
てみてください。
→「話せても書けない日本語(38)」に続く
