ここは「紅魔館」。妖怪や魔女、メイドや吸血鬼、そして人間でもあり吸血鬼でもある外来人が住んでいる。
今日はとある部屋に全員が集まって、何やら物々しい空気が立ちこめていた。
レミリア「今日は良惟の日傘のデザインを皆で決めるわよ!」
一同「わ~っ!(パチパチパチ!)」
・・・。物々しさなど皆無であったw。
レミリア「誰か案がある人?」
フラン「はいは~いっ! お姉様、私、良惟の日傘を絵に描いたの!」
良惟「わ~っ。すごいね、フラン姉さん。早速見せてよ!」
フラン「うん! ジャジャ~ン!」
一同「(これは・・・)」
良惟「(ピンクだ・・・)」 レミリア「(恐ろしくデカイ傘ね・・・)」
咲夜「(ピ○ソもにんまりしそうですね・・・)」 パチュリー「(コメントに困るわ・・・)」
フラン「・・・? 皆、どうしたの?」
美鈴「あ~・・・、妹様。中々良いと思いますよ。でもこれをベースに、皆の意見を盛り込んでみてはいかがでしょう?」
フラン「え~っ? ・・・分かった」
小悪魔「それでは、皆さん意見をどうぞ。私が書き留めますから」
良惟「じゃあ、まずはグリップは木製で、まっすぐなのが良いなぁ」
咲夜「傘の色は濃い目のグレーはどうでしょう?」
パチュリー「クリスタルは残しても良いんじゃない? スカーレット家らしさが出てるもの」
レミリア「じゃあ蝙蝠の羽の装飾を付けましょうよ! そうすればもっとスカーレット家らしくなるわ!」
美鈴「お言葉ですが、お嬢様・・・。蝙蝠の羽は付ける所が無いですよ?」
レミリア「えっ!!? グリップの所とか付けられるでしょ?」
良惟「う~ん・・・、グリップに蝙蝠の羽は・・・イヤかな」
レミリア「う~っ! ・・・じゃあ赤いリボンは!? 私やフランの帽子についてる・・・、あっ、ダメだわ。それじゃあフランのと見分けがつかなくなる・・・。どうしよう、どうしよう・・・」
小悪魔「え~と、皆さん、意見は出し尽くしましたか? 無ければこれで決定となりますが・・・」
レミリア「あ~っ!! 待って待って! え~と・・・、そ、そうだわ! 良惟はスカーレット家の一員なんだから、せめてSマークの装飾を付けなさいよ!」
良惟「おぉっ! それ良いね、レミリア姉さん! カッコいいよ!」
咲夜「ふふっ、そうですね。Sは『神堂』や『親切』の意味も表わせますしね」
フラン「お姉様すご~いっ!」
レミリア「えっ? ・・・と、当然よ! 『紅魔館』の主たる者、これくらい朝飯前だわ! ははは・・・」
パチュリー「(テンパってたくせによく言うわね・・・)」
小悪魔「ではこれで決定とします。皆さん宜しいですか?」
一同「は~いっ!」
それから程なくして、良惟は専用の日傘を手に入れた。その日から、レミリア、フラン、良惟の三人が日傘を差しながら外出する姿が至る所で目撃され、クリスタルとSマークのついた奇想天外な日傘は、人間や妖怪たちの間でもっぱらの評判となるのであった。
END
とまぁ、こんな感じです。
読んで下さって、ありがとうございました。
ではでは~。