「星野知子の鎌倉四季だより」 | あなぐまの下町質屋ブログ

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横浜の下町、弘明寺で創業65年の質屋を継いでいる
「あなぐま」です。
『質屋ってどんな人がやってるの?』という疑問にお答えするため、日々の業務や日常、趣味、質屋の裏側、クルマやバイクの話題を書き綴ります。
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昨日紹介した松井久子の「疼くひと」は、情交場面はともかく、70才でも、恋もして、生き生きと輝く人生を送っているという賛歌なのでしょう、その思いには大賛成なのですが、

最近、インスタグラムのショート動画で、「60才一人暮らし…」とか、料理や水回りの掃除などをしている動画を回しながら、『モラハラ夫と離婚して、今がとても幸せです・・・』みいたいな文章を流す動画がやたら多いです。

60才超えても、夫と離婚しても輝いて暮していますよ、という自分肯定の応援歌みたいな感覚で動画を作っているのでしょうけど、それを見た、私の妻が、夫婦生活の束縛から逃れ、生き生きと暮らすためには離婚しようか・・・など思ってしまったら、

 

むむむ、愛妻家であることしか取り柄がない私としては、非常に困ります。

 

NHK朝の連続ドラマ「なっちゃんの写真館」でデビューした、元祖・透明感半端ねぇ美人女優、星野知子さんの、

鎌倉での生活を書いたエッセィ「星野知子の鎌倉四季だより」も読んでみました。

 

この本、実は先日、辻堂の藤澤浮世絵館に行った時に、そこの図書コーナーに置いてあったのを妻が見つけて、パラパラと捲り読みをした後、スマホで検索して購入したものなのです。

 

星野知子さんは、妻と同じ新潟県長岡市の出身で、新潟県立長岡高校の先輩でもあります。

星野さんは、50代過ぎてから結婚し、現在は鎌倉にお住まいとのことです。

鎌倉と言うと、観光大使を務める鶴田真由さんといい、透明感あふれる上品な女優さんが多いですよね。

 

その星野知子さんが、住み始めて14年間の鎌倉生活を綴った本です。

 

本の構成は、春夏秋冬の章でまとめられ、ぱらっと開いたページから読み始めることが出来る読みやすい本です。

昔の、片岡義男の小説のように、要所要所に奇麗な写真が掲載され、その写真が鎌倉の生活を美しく見せ、そこから読み始めるのも楽しいです。

 

星野さんは、シラスを生で食べたことが無かったようで、鎌倉に越してきてから、その美味しさに感激して、直売所や漁師さんに片っ端から連絡して購入していたとか、そういえば私の妻も、鎌倉の生シラスの美味しさに夢中になってますし、意外と湘南以外の人は生シラスの美味しさを知らない人が多いのかもしれません。

そんな、食べることや、鎌倉の花、鳥など、そして神社仏閣やお祭りについても書かれ、

扇ヶ谷(おうぎがやつ)や比企ヶ谷(ひきが奴)、太刀洗(たちあらい)や化粧坂(けわいざか)など、

鎌倉独特の地名の読み方や、地名の歴史などにも、まるで外国人のように驚き、興味を感じたままに書いてます。

 

また、先にも書きましたが、星野さんは、私の妻と同じ新潟県長岡市の御出身で、子供のころから長岡祭りの大花火大会を見て育ったので、その長岡の大花火のエピソードを鎌倉・由比ガ浜の海上花火と並べて書かれています。

 

星野さんの旦那さんも新潟県柏崎市のご出身で、星野さんが子供の頃には柏崎市の鯨波海岸で海水浴をしたという思い出が書かれていますが、私が若い頃住んでいたのがその隣の上越市でしたから、私もこの辺の地理には詳しく、読んでいて親近感を感じます。

 

美人女優さんの年齢のことを言ってはいけないのでしょうけど、星野さんは66才とのこと。

この年代になれば、それまで生きてきた色々な体験が、その人の「深さ」になり、そんな女性の話を聞けば聞くほど面白く感じるし、魅力的に思えます。

また、その年代になっても新しく見つけた事や、初めての体験に感激する姿は、若い人よりも「かわいく」見えるものです。

 

日々の生活に悦びを感じる人は、とても素敵だなぁ、と感じました。