電柱広告 | あなぐまの下町質屋ブログ

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横浜の下町、弘明寺で創業65年の質屋を継いでいる
「あなぐま」です。
『質屋ってどんな人がやってるの?』という疑問にお答えするため、日々の業務や日常、趣味、質屋の裏側、クルマやバイクの話題を書き綴ります。
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一般人の視点から見て、街に溢れる電信柱に巻かれた広告看板、電柱広告に注目する人は少ないでしょう。

電柱に掲げられた店名・企業名を見て、『その店に行こうかな?』と思う人は・まず居ないと思います。

それほど、広告効果が薄い看板なのですが、じゃぁ何のために掲げているのか?

多くは店名、企業名を知ってもらいたいから・・・、

その程度のことに、毎月何千円も払っているわけです。

 

電柱広告は、その電柱が立っている場所や、都市によって値段が違うのですが、

横浜のような中核都市で、駅前や一級国道の道路脇だと一本両面で毎月4~7千円、住宅街だと3~5千円、

東京や大阪だと、もっと高いと思います。

これを何本も掲げているのだから、それなりに広告効果がある看板になってほしいと思うのは経営者として当たり前ですよね。

 

で、この看板は、経年劣化もあるので、5年に一度、新しいものに付け替えてもらえるのですが、

今回、京急弘明寺駅前の看板が、5年を迎えるので、これを機に、この電柱広告看板を新しい表記を変えようと思ったのです。

 

ここは、電柱広告を扱っている代理店さんを呼んで、

「まだ、電柱広告を諦めたくないのです。」とか熱く語り、

本来、企業名と連絡先ぐらいしか書いてなかった電柱広告を、広告媒体としてふさわしいコピーを使わせてもらえるように力説したのでした。

代理店さんの応えは、あっさりOK、

以前は、景観を壊さないように使える色制限もあったのですが、最近では赤も使えるようになってきた。

電線の地中化によって、電柱自体が減ってきて、電柱広告による広告収入も減ってきたので、東電さんも規制を緩めているようなのです。

なにか、アピールポイントがあったら、ぜひアイデアを出してください、と言われ、私自身で広告コピーを考えることになったのです。

 

で、出来たのがこれ!!

 

京浜急行弘明寺駅の改札を出て、階段を下りた正面にある看板です。

全質連=全国質屋組合連合会の配布するポスターには『この町には質屋がある』という宣伝コピーが使われていますが、

それをそのまま使うと、全質連から文句が来そうだし、ゆくゆくは、弘明寺商業圏の外にも掲げたいので、

『弘明寺には質屋がある』としました。

 

続く二行目には、まあ、当店の売りですよね。

正直言って、この二年間、買取り専門店との顧客獲得競争は、どんなに買取価格を高くしても、毎日のように折込広告を出す買取専門店にはかなわない部分があり、そうした不毛な戦いから脱却して、地元で60年間、お客様の立場になって、一緒に泣きながら営業してきた部分を広告として出してしまおう!と思い。

恥ずかしながら『親切な質屋 岩田質店』と入れてしまったのです。

 

いや、ホント恥ずかしい!!

恥ずかしいけど、電柱広告に、こう書いた以上、『親切な質屋』に徹しようと、自分に対する決意表明の意味もあるのです。

 

・・・というわけで、決意表明なので、どうせなら、横浜市営地下鉄弘明寺駅の前にも、掲げてしまいました・

 

それから、横浜中心街と鎌倉を結ぶ鎌倉街道沿い、弘明寺バス停の近くにも。

これだけ決意表明をすれば、ズボラな私も親切な質屋にならざるをえんでしょう。

 

というわけで、先月から、計3本の電柱広告を変更しています。

 

それ以外の住宅地にある電柱は、以前のまま、店名と道順が書かれたシンプルなものです。

 

この方が、すっきりしていいような気もしますが、

まあね、『自営業はチャレンジ精神を無くしたら、それでノーサイド』と言われますので、

数年は、あの決意表明の電柱広告を掲げようと思うのです。

 

 

で、初めに戻って、電柱広告は店名・企業名と道順程度しか書いてない・・・と思ったのは、

そもそも私の認識違いで、

今の若いお医者さんたちの電柱広告には、それこそ溢れんばかりの情報をあの狭い看板に書いているのですね。

 

 

まあ、自分の営業意欲が間違っていなかった、ってことでしょう。