バイト先の学生たちの就職先が決まりつつある。
秋になる前に 椅子を確保した子達のホッとした表情を見るとこちらも嬉しい。
一方で、この猛暑の中 リクルートスーツで街を行く子達はどことなく痛々しい。
<就職相談>のような事もしていて、言えない事もいっぱいある。
学生達が行きたいと言う会社を、私は個人的に『アソコはやめた方がいいよ~~』と思う場合などだ。
4月に大手の採用が始まり、徐々に系列に移っていく。 大きなドンブリからあぶれた子達が次の器に殺到する。 しまいにはその会社の名前さえ頭に付いていれば職種は拘らないという者まで現われる。
ブランド就職の現実をまのあたりにしてきた8ヶ月だった。
こんないい子が・・・と思う子が4月の大手に落ちた。
この子は合格間違いないと思っていただけにこちらもショックを受けて、言葉を失くした。 その一方で『え~~!?あの子が???』と思う子が採用された。
その<いい子>は更に格下の系列会社に合格した。
その会社は<グループとしての一体感>を謳って、本体も系列も同じ制服を採用している。
傍目には判らないが、内部の者にはハッキリと判る程度の差だ。
制服は同じでも、待遇には雲泥の差がある事を彼女はじきに知るだろう。
その会社は、もともと本体のコストを軽減するために作られた会社だから。
その会社の為に、新しく用意されたものは多くは無い。
本体のロゴを変えただけの備品。全てが、本体を越えるモノは無い。 ハッキリ言えば管理職も〔お下がり〕である。 本体に必要な人間を系列には行かさない。
新入社員も彼女のように、大手に落ちてこちらに来たという人が多い。
いろいろな意味で大手である本体への羨望感が溜まっている場所だ。
それが、訓練は同じ場所で行い、職場も近い。
この先、常に〔あそこに入れなかった自分〕を意識させられることだろう。
そのせいか、非常に〔離職率〕の高い会社である。
早いと数ヶ月で辞めて行く。 会社側も引き止めて長く働いてもらおうという意識は無いらしい。
希望の職種につけた事を素直に喜んでいる彼女の前途は決して穏やかなモノでは無いと思う。 しかし、何が幸いし、何が不幸の始まりになるかは誰にも判らない。
とりあえず、〔希望の職種の内定を得た〕事を一緒に喜んであげようと思う。