1.はじめに

今回は、相続税と贈与税の身近な事例をご説明します。


2.祖父母から孫への教育資金の贈与


原則、贈与税は課税されません。

贈与税の非課税項目のうちに、扶養義務者相互間の生活費や教育費の贈与は非課税となっております。すなわち、一切の贈与手続きや税務署への提出書類なしで、祖父母から孫への大学等の入学金(国立私立や医学部等関係なく)の贈与は贈与税が課税されないことになります。


この際のポイントは以下の通りです。

①必要な都度贈与すること。例えば、小学校から大学までの教育資金を一括贈与した場合は、贈与税が課税されますので、その都度贈与(小学校入学時に小学校の入学金の贈与、大学入学時に大学の入学金の贈与をする)を心がけてください。

②生活費や教育費に充てれなかった、つまり余ったお金で預金や車又は株式の購入をした場合は、その部分が贈与税の対象となります。

③教育費は、入学金だけでなく、学資、教材費、文具費、通学のための交通費、修学旅行費用なども含まれます。


3.さいごに

今般の税制改正により、税メリットはなくなりましたが、一括に多額の教育資金を贈与したい場合は、教育資金1500万円の非課税制度の適用が考えられます。ただし、祖父母が死亡した場合に、孫に相続税が課税されます(祖父母死亡時に孫が23歳未満、就学中などの場合を除く)。

また、30歳までに教育資金に残額がある場合は、孫に贈与税が課税されます。