波浪光に照らされ輝く海面 忘れさられた漆黒の海底 果てしなく広い海に 独り流された流木 抗うこともなく 慌てることもなく すべてを受け入れた その姿は 仏のように思える 怖くはないのか 不安ではないのか 幼い俺はそんなことを考えてしまう 流れ着く先は地獄かもしれない でも流木は命の儚さを知っているように思える 少しずつ小さくなっていく後ろ姿は 悲しそうだったが すごく安らかに思えた