■ この記事以降の注意事項(著作権と利用範囲について)
本記事では、カセットテープなどのアナログ音源を録音し、WAVファイルとして管理・再生する方法を紹介しています。
このような録音・編集は、著作権法上「私的使用」の範囲であれば認められています。
✅ 認められること(私的使用):
- 自分で録音・編集した音源を foobar2000 などで再生する
- cueファイルを作成して曲単位で管理する
- CD-R に焼いて個人で楽しむ
❌ 禁止されること(著作権侵害となる可能性):
- 録音した音源や CD-R を他人に渡す(無償でも不可)
- 音源ファイルや cueファイルをインターネット上で配布する
- SNSやブログで音源そのものを公開する
注意:
- 音源の録音は、技術的保護手段(コピーガードなど)を回避して行うと違法になる場合があります
- 本記事で紹介する方法は、あくまで「個人で楽しむ範囲」での利用を前提としています
著作権を尊重し、録音・編集・再生は自己責任のもとで行ってください。
■ 参考リンク(公式情報)
- 文化庁「著作権Q&A:私的使用のための複製」
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/qa/copy.html
- 文化庁「著作権法第30条(私的使用)」
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000121#40
- 一般社団法人CRIC「著作権情報センター」
https://www.cric.or.jp/
- foobar2000 公式サイト(再生ソフト)
https://www.foobar2000.org/
■ cueファイルを作る 〜 曲単位で聴くために
WAVファイルを録音しただけでは、1ファイル丸ごとの再生になります。
曲単位で再生したい場合は、cueファイルを作成してインデックス管理するのが便利です。
■ 録音時の注意:先頭に数秒の無音を入れておく
録音時には、WAVファイルの先頭に3〜5秒程度の無音部分(ヒスノイズや針音など)を含めておくのが望ましいです。
これは後で cueファイルを自動生成する際に「曲の毛出し(ブランク検出)」の基準として活用できます。
録音手順(例:SoundEngineFree 使用):
1. 録音を開始する(録音ボタンを押す)
2. 数秒待ってからソース(カセット、レコードなど)を再生する
3. 曲が始まるまでの無音部分が WAV に記録される
■ cueファイルの基本構文
cueファイルはテキストエディタで作成できます。基本的な構文は以下の通りです。
PERFORMER "アーティスト名"
TITLE "アルバム名"
FILE "ファイル名.wav" WAVE
TRACK 01 AUDIO
TITLE "曲名1"
INDEX 01 00:00:00
TRACK 02 AUDIO
TITLE "曲名2"
INDEX 01 03:45:00
...
- INDEX 01 の時間は「分:秒:フレーム」(1フレーム = 1/75秒)で記述します
- 曲の開始位置を正確に指定することで、WAVファイルを分割せずに曲単位で再生できます
■ INDEX の検出方法
cueファイルの INDEX 01 の時間は、foobar2000 で WAV を再生しながらスライダーを動かして調べることができます。
曲の入りを耳で確認し、再生バーの時間を目安に記録します。
また、web上で曲時間が分かっている場合は、それを目安にして INDEX を記述することも可能です。
ただし、録音時のブランクがある場合は、その分を加味して調整する必要があります。
今後の記事では、曲時間情報から INDEX を自動生成する Pythonコードも紹介する予定です。
■ cueファイル作成の手順まとめ
1. WAVファイルを録音(先頭に無音を含める)
2. foobar2000などで曲の開始時間を確認(スライダーで調整)
3. テキストエディタで cueファイルを記述
4. `.cue` 拡張子で保存し、WAVと同じフォルダに置く
5. foobar2000で cue を読み込んで再生確認
■ 注意点
- cueファイルは Shift_JIS で保存するのが安全(UTF-8では文字化けすることあり)
- 曲名の記号(カンマ、括弧)は半角で統一すると見た目がきれいに表示される
- cueファイル名は WAV と同じにすると foobar2000 が自動認識しやすい
■ 次回予告
実例を挙げます。