コアなオーディオファンにとっては当たり前の話かも知れない。

先日付き合いのあるアマチュアオーケストラのメンバーの方に招待されてそのオケの演奏会を見に行った。

 

オケの演奏力は「アマにしては」をつける必要がないくらい安心して聴けるものだった。

で、「へぇ~」と思ったのがコンサートホールの響である。

私自身はこのオケとこのコンサートホールの組み合わせを見るのは二回目で、一度目は一階席正面中央でいわゆるS席である。

今回は三階席ほぼ正面だった。

これがなかなかの違いがあって、今までこのオケにせよ、プロのオケにせよ一階席正面付近か二階席袖とかで聴いていたので、オケの演奏も各楽器の音もそれなりに分離して聞こえていた。

 

ところが今回の三階席では印象が変わった。

オケがステージで演奏している感じよりも、ホール全体が音を響かせている感じの方が強かったのである。

たとえばところどころで楽器のソロがあると、今まではその楽器に注目して聴く、という感じであったのが、今回は全体のアンサンブルの中でソロが弾かれているという印象であった。

もちろん善し悪しを語るつもりはなくて、ホールの席によっては楽しみ方が変わるというのに気が付いた、という話である。

 

オケがひとかたまりになって聞こえてくることから、演奏者にとっては少し厳しいところがあるようで、ちょっとアンサンブルが不揃いになると目立ってしまうようだ。まあ多少は仕方が無いでしょうね。

 

さて、特に際立って響いたのがハープだった。

ステージ上で弾かれているのに、ハープの音はホール全体で響いているかのように聞こえた。ちょっとこれは楽しい経験だった。

 

ふと思うに、よくオーディオシステムに対するオーディオファン(評論家)のコメントで「まるで眼前でオーケストラが演奏しているように聞こえる」というのがある。オーディオ機器、セッティング、リスニングルームなどのセッティングは、まさにそのコメントを実現すべく、オーディオファンは頑張っているのだと思うが、コンサートホール三階席はどちらかというと良質なオーディオセットの音に近付いていて、「オーディオセットを聴いているかのごとくの響きをライブで再現」という印象だった。

オーディオセットはコンサートホールの再現を目指し、コンサートホール三階席はリスニングルームの再現を目指している...。

 

ちょっと解釈がひねくれているか?

 

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