大昔、こんな記事を書いた。

 

「scilab で遊ぼう」。デジタル復調

 

 

ここで書かれているスクリプトを実行すると約 15分掛かったとしている。この時の CPU は記事にあるとおり Intel i5 3.5GHz だが、2012年の話なので世代は相当古い。LGA1156 だったので Socket H1 とかいうやつか。

で、それがどうしたかというと少々自慢話で申し訳ないが、CPU とその周辺をアップグレードしたのだ。

何をとち狂ったのか、第13世代 Intel i9 2.0GHz = Core i9-13900 の CPU に DDR5 メモリーを 32G 積んだという代物を組み立てた。

どちらかというとゲーミング目的スペックだが、自分としては色々アプリケーションを立ち上げまくることや Android エミュレータを動かしたり、同時にシミュレーションを動かしたり、時々将棋ソフトで遊んだりと気ままにやるため、そこそこのスペックが要りそうな気がしたのだ。

 

さて、Intel i9 はコア 24、スレッド 32 というとんでも仕様で何にするんだ、というツッコミをしたくなるレベルだが、私のように色々なアプリ-ケーションを同時に立ち上げる人にとっては結構有益に見えた。

 

ここでふと「果たしてコアが増えたが本当に実行速度は上がったのだろうか?」と疑念が湧いてきた。

世代更新や i3 -> i9 へのアップグレードはもしかしたらチップサイズのシュリンクによる最大クロック数のアップやコア数の増加だけで、一つのコア当たりのパフォーマンスは上がっていないのではないか、ということだ。

一応 Intel のサイトでは「世代ごとに処理能力は上がってます」的なことは書いてあるが、本当にそうか?

 

ということで試してみることにした。最近の CPU はクロック周波数の上限を設定したり、パフォーマンスモードや省電力モードなどの設定もできるので、それらをいじりながら前述の記事のスクリプト実行時間を測定してみることにした。

scilab のバージョンは 5.5.2。マルチコアに対応しているかどうかは分からない。

 

結果は以下の通り。省エネモードはおおよそ 2.0GHz を上限に動いていたようだ。

なるほど、前の世代では 3.5GHz のクロック周波数で約 15分掛かっていたのに対し、新しい CPU では、上限が 3.0GHz でも 7分ぐらい、5GHz なら 4分ぐらいと速くなっている。省エネモードだとだいたい 2.0GHz 以下で動いているので、それで昔と同等の 15分というところだろう。投資した価値があったと云うところだろう。

ただ投資に見合うリターンがあるかは不明である...。

 

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