マイナンバーカードへの公金受取口座の番号が誤って登録されている件が明らかになった。
なんでもその手続きをサポートするところ(主に各自治体、あるいは出張機関)で、自分でやりかたが分からない人への手続きを支援する際にオペレータが手順通りにやらなかったことが原因のようだ。
具体的には先に来訪者の手続きを終わったら、ログアウトしてから次の来訪者の手続きを行わなくてはいけないはずなのが、ログアウトをし忘れて進めたため、先の口座情報が次の人へも登録されてしまったようである。
で、デジタル庁は総点検の指示を出したわけであるが、再発防止としてマニュアルの徹底する通知を出したようである。
その他にも健康保険組合がマイナンバーカードへの健康保険証の登録を間違えたなどのケースがあり、これも入力者のミスのようだ。
そういえば二十年ほど前だったか「消えた年金問題」というのがあったな。窓口での登録を人手に頼っていたので入力ミスが多発していて大騒ぎになり「政権交代」の一要因になった気がする。なんかデジャブに思ったのは気のせいではないようだ。
なぜこんなことが起こるのか。ちょっと考えてみれば分かるが人間が操作する以上は操作ミスが起きるのが当たり前で、それを防ぐようにシステムを構築するべきだと思う。報道されている範囲からはそう思わざるを得ない。
最初の例では一連の手続きが修了した段階で、「完了しました。ログアウトします」というメッセージを出して、終了ボタンを押さないと次の操作ができないようにすれば良いだけの話だし、ユーザーインターフェースでの対策のみならず、同一の口座が使われたら確認のメッセージが出る、あるいはエラーにするなどのプログラム上の工夫をするだけで充分防げる。
健康保険証の誤入力の件は、実際どんな作業を健康保険組合員が行っていたか不明なのでなんともいえないが、情報を手入力ではなく直接カメラで読み取り、その結果を人がチェックするというやり方にするなどで防げそうな気がする。
私にとってはマイナンバーカードは便利なものである。で、多くの人の不安がセキュリティにあると思っていたが、出発点でこのような登録ミスがあってはさらに不安を煽る。ヒューマンエラーは常に起きるという前提で初動の情報登録はしっかりやってもらいたいものだ。
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