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緊急事態宣言が解除されてから一週間あまりで次のレベルまで緩和された。ちょっと早すぎるのではないかという感触だったが、それをどう評価するか。潜伏期間を一から二週間と見ていたのだから二週間は待つかな、と思っていたが、結果だけから云うと一部の異常値を示したところ以外は想定内ではないかと思っている。
異常値は 6月2日の 34人感染確認であるが、これについては都知事は「夜の接客業」へのテコ入れで対応しようとしている。しかし実際にはある病院での院内感染がその日に十数人発生したことの影響の方が大きいのではないかと思っている。医療関係者にはより緊張を強いることになってしまうが、施設の中で同じ人同士の往来がどうしても発生してしまう病院などでは注意が必要だと云うことだ。接客業はランダムな人の出入りなので、確率で考えると常に一定数の発生は避けられない、ということは最初から想像できたはずである。ちょっと方向違いな感がある。
まず東京都が公表しているデータによると日々の発生状況はこんな感じだ。
移動平均を取ったカーブの流れからすると緊急事態宣言解除後は少しずつ増えている。特に治療薬が出回ったとか、ワクチンが出来たとかという感染発生を抑える要因が出来たわけではないので、接触機会が増えた分だけ感染者数が増えるのは想定の範囲内ではないかと思う。これが医療機関の対応範囲内に入っていれば医療崩壊にならず、どこかでバランスすることになる。
ではバランス点はどこか、ということになるのだが、これは感染確認者数に対して治癒済みの人数と亡くなった方の人数の推移を見てみるのが良さそうと云うことで、前回のブログ記事以降データを集めてみたので紹介する。
データ量としては移動平均を取るには日数が不足しているので、そのままである。
意外や意外、実感染者数は一応減少傾向である。6月6日、7日が持ち上がっているのは土日だったため退院者数が動かなかったためではないかと見ているが、楽観的かな。明日のデータを注視することにする。
いずれにしても自粛上手になったというか、適度に活動しながらも用心するという習慣が根付きつつ有るのかも知れない。
新しいライフスタイルということか。
全国の状況を見てみる。土日分が抜けているところがある。こちらも移動平均を取るには期間が短い。
北九州市が大騒ぎになっているが、全国的に見ると感染確認者数は増えているとはいえ、それより早いペースで退院者数が増えているため、NHK での現在のデータ表示方法になった 5月12日には実感染者が 6,000人以上だったのに比べて、現在は 1,000人強である。公式には治療薬の効果は完全とはされていない中で、退院者数がかなり増えているのだ。いわゆる共生状態になったのか、抗体が出来て体内でウイルスを駆逐できたのかは分からないが、緊急事態宣言解除後も実感染者は減っているので、全国的にも自粛上手になっているのだろう。もちろんローカルには上手く行っていないところもあるし、そもそも人口密度が違えば自粛の方法も違うはずなので、地域毎にきめ細かな分析とガイドラインの作成が必要なんだと思う。まあ東京でも前述のようなので、よほどまずいことをしなければ、収束の方向に向かうだろうと思われる。ただ退院者が順調に増えている理由がよく分からないので、油断はできない。何らかの合理的、科学的説明が付くと安心できる。
さて、そうはいってもこれらはマクロ的視点のデータでしかない。政策としてはマクロ的に判断していくしかないが、ミクロ的に見れば一人一人にとっては感染した / しない、死亡した / しないという切実な話になる。個人個人でリスク回避のための行動を自分自身のために考えなくてはいけないのはいうまでもない。
ちょっと偉そうだったかな。自戒を込めてということでお許し願いたい。
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