昨日緊急事態宣言の継続が発表された。ただし地域別に自粛の取り扱いを変えておく、という内容になっていて、これはデータがそれなりに集まって分析されたと云うことだと思っておくだと思っておくことにする。

実際、人口密度の少ない地域において、人と人の接触機会を一律 8割減と云ったって無理ゲーなところもあるだろう。というか 3密を問題にするなら一平方メートルあたり 0.5人以下とかいうのが目標になりそうな気がするが気のせいか。

 

さて、例によって東京都の状況である。

前回のデータは検査日=感染発覚日としてまとめてしまっていたが、どうやらこの二つにはタイムラグがあるらしい。検体が取れれば 6時間ぐらいで結果が出るようだが、実際は順番待ちだったり、検体が検査機関に届くまで日数が掛かったりしているようだ。それで検査実施人数ゼロだが感染発覚人数が十数人という日が有ったりするようである。最近のデータを見ると感染発覚者は 5月4日まであるが、検査実施日は 4月30日が最後になっている。

 

ということで、どんぶり勘定で上述のタイムラグを 6日と設定してデータを集計し直してみた。

検査数と感染者数は 6日ずれて表示されるだけだが、感染者検出率が変わってくる。ここでも前回と同様ある日の検査実施人数も感染発覚者人数も前後二日間を含んだ平均値で計算してある。

結果はこうなった。

 

感染発覚日が検査実施日より遅れて出てくるので、累積で見ると検査実施人数が減ったように見えるので、感染者検出率は増えてしまう。6日のタイムラグが適性かどうかは分からないので、実態はもう少し感染者検出率は低いのかも知れない。

ただこうやってみると、感染者検出率はある程度のところで落ち着いて減少傾向にあるように見える。タイムラグを小さくすれば減少傾向はあまり見えなくなるので、このデータで判断されるのは困る。

まあそれなりに自粛の効果はあったような気がする、というのは信じて良いのかな、ということだろうか。で、不足しているデータが治癒者、完治者の人数である。

仮に感染検出率が減少しているとして、減少分に治癒者が含まれていれば、当たり前でデータになっていない。治癒者は別途示して、感染~発症した人の推移についてのデータが必要なのでは無いかと思う。

こういうデータは 30人ぐらいでも集まれば、傾向は見えてくるし 300人ぐらいあればかなりの精度の傾向が得られる、と云われている。そういった意味である事例だが、一旦陽性と判定されて二週間自宅待機していて、症状が特に変わらなかったので保健所?から検査もせずに普通の生活に戻っていいです、と云われた方のデータなどは惜しいことをしたものだと思う。幸いなことにこの事例では本人はさらに自粛状態を続けていたので、後で具合が悪くなったときに検査してもらったら陽性だった、ということだったから、拡散せずに済んだ。

一旦陽性と判定されたら、症状は出ていなくても経過検査を適当なタイミングで適宜行っていくべきではないかと思う。もちろん検査機関も手一杯だから理想論かも知れないが、30人ぐらいでもそれなりの傾向がつかめるので、本人の了承を得て公表することで、危機意識の度合いを持つことが出来るのではないかと思う。

 

何度も書いているが(一応厚生労働省のご意見欄には投稿しておいた)、日々の人数だけを取り上げて公表、報道するのはあまり意味が無いと思っている。

 

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