今回の分からいくつかの記事が引っ越しの際に消えていました。手元のデータを元にできるだけ再現させています。

 
 
LTspice:「もう Level 3?ちょっと早すぎね?前回アナログスペアナの原理を説明しただけじゃん」
scilab:「しかもほとんど受け売り」
Excel:「実態は写真とリンク貼り」
画蔵:「いいんだ。アナログスペアナの原理は重要だから」
 

さて、実際にアナログスペアナの原理と同じことを机上でやってみるには機材がありません。シミュレーションでやるとするなら VCO は作れるとしても、特性の良いバンドパスフィルタはちょっと大変です。

そこでバンドパスを通す=特定の周波数を重畳する、という風に考えてサンプル信号に周波数を順番に重畳しながらその結果現れる信号レベルをみることで代用することにします。

手始めにこんなスクリプトで確認してみます。

5Hz の周波数が 1Hz の共振周波数をもつバンドパスフィルタに印加されたとして、それらを掛け算します。区間は 1 秒間とします。

clear

N=2000;//サンプル数
t=0:1/N:1-1/N;

A1=1;//共振周波数の振幅
A2=1;//調査信号周波数の振幅
f1=1;//共振周波数
f2=5;//調査周波数 ← ここを変えてみる

Wave1=A1*sin(2*%pi*t*f1);
Wave2=A2*sin(2*%pi*t*f2);

mix_sig=Wave1.*Wave2;

scf(1000);clf
plot(t,Wave1,t,Wave2,t,mix_sig);
legend('sin(1)','sin(1)','sin(5)*sin(5)')

disp(sum(mix_sig)*2/N)

結果はこうなりました。(グラフ)

出力値:- 4.111D-17

信号としての総和=積分がゼロになるため、レベルは得られませんでした。
どういうことかというと、1Hz の共振周波数を持ったバンドパスフィルタ(あり得ないぐらい鋭い)に 5Hz の周波数を通すとほぼゼロしか出力されないと云うことです。
では 1Hz を入れて見るとどうなるかというと、上の矢印の行を f2=1 にします。

出力値:1

ということでちゃんと出力が得られます。
周波数が同じ場合は当たり前ですね。直感的に理解できると思います。
違う場合は式だけ見ているとわかりにくいかも知れませんが、グラフを見ていると「まあそうだな」と思えると思います。周波数が奇数の場合と偶数の場合とで、総和がゼロになるからくりが少し違うというのもなんとなく分かるでしょうか。もっともそこは本質ではないと思いますので、これ以上は考えないことにします。
こういうのを「元祖フーリエ積分という」って云ってしまうと学術的に誤解をもたれそうなのでやめておきますが、性質としてイメージしておくといいと思います。

次回は複数の周波数成分を含む信号をやってみようと思います。
 

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