ディスクの状態が非常に悪ければ、リッピングの際に「補間」が出まくって音質を劣化させる可能性があるというのはありそうな話ということだったが、部分的なら音質を語るほどの「補間」が入るわけではないので気が付かずにスルーしてしまう可能性がある。
デジタルオーディオファンとしては、可能な限り(普通は可能なはず)ビットパーフェクトでリッピングをして欲しいのだが、リッパーが音をいじるのは論外として、少なくとも CD-ROM ドライブの設定で勝手なことはやって欲しくはないと思うだろう。その一つの予防策として倍速を落とす、というのを私は推奨しているが、実際にリッピングに失敗した箇所を含むトラックとそうでないトラックをドライブの設定を変えて Windows Media Player でリッピングを行い、ドライブの悪あがきっぷりを評価してみたので紹介する。

トラック A:50分ぐらいのコンテンツの最後の 10分ぐらいの楽曲。P 社ドライブでデフォルト
       設定したら「バチッ!」という音がして、リッピングをやり直すという黒歴史を持つ。

トラック B:別の CD で同じように 50分ぐらいのコンテンツの最後の 9分ぐらいのもの。
       とりあえずリッピングに失敗したということはない。

この二つのトラックを、P 社ドライブの倍速設定「パフォーマンスモード」と24倍速制限モード」の 2種類と Pure Read 設定「標準モード」と「マスターモード」の 2種類の組み合わせで行った。なお「パーフェクトモード」はやることは「マスターモード」と同じだが、訂正出来ないとエラーで停止させてしまうことが違う(前の記事と内容が違っています。ご容赦)。「標準モード」と「マスターモード」の違いは前者は C2 エラーが出た場合は即「補間」、後者はドライブの状態を変えてリトライをするとのことである。

ディスクの装着は一回のみ。時間測定は 3回おこなった。時間測定は一旦楽曲の再生を開始してすぐに停止、それから「CD の取り込み」ボタンを押すという方法で行った。シーク時間とか回転数変更時間の影響をできるだけ少なくするためである。

結果は以下のようになった。
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トラック A は失敗した履歴があるので、どこかディスク上に欠陥があるのだろう、パフォーマンスモード(おそらく 32倍速以上)だと威勢良く高速回転してリッピングに行くが、途中で回転数を落としてリッピングし直しているようで、24倍速より倍の時間がかかっている。標準モードならエラーがあろうとヒャッハーと走りきりそうなものだが、なぜか速度を落としていて時間も掛かっている。それでもわずかにマスターモードよりは速い。
トラック B は特に欠陥がなかったようで、パフォーマンスモードでリッピングし切ってしまっている。なので 24倍速の方が時間がかかっている。
トラック A でのパフォーマンスモード + 標準モードでの結果が解せない(なぜ時間がかかったのか)が、なんとなく倍速は少々控えめにした方が精神衛生上いいのではないかと思うがいかがだろうか。

自分は P 社のドライブに関しては 24倍速再生、パーフェクトモードで動作させると心に決めているので、もうこれ以上実験する気はない(たとえば全面擦り傷だらけのでぃすくだったらとか)が、みなさんがドライブの設定を色々出来るツールをお持ちだったら試してみて、安定に出来そうな設定を選ぶのも良いだろう。

ということで大炎上したリッピングの話はこれで終わりにして、ケーブルやジッターの話に移りたいなぁ~と思っている。

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