オーディオ信号としてのデジタルデータが化けるとどんなことが起きるのか、結構疑問を持っている人がいるかと思う。
これは一言で言えば「運が悪いとスピーカを飛ばす」である。少なくとも「プチッ」という音は入るだろう。
CD の場合は一つのサンプルデータを 16bit の階調で表現しているので、± 32765階調(一つは省略)の値を持っている。これが例えば±1V の信号を表していることになる。
さて、デジタルデータが何かの原因で化けるとすると、16bit の '0' と '1' の 16桁のデータのどの桁が化けるのか神のみぞ知る、であることは理解いただけるだろうか。16桁のうち最上位は符号を表しているが、運悪く最上位のデータが化けるとその瞬間だけ信号に不連続点が現れ、急峻なパルスが信号として発生する。まあ運が悪いという話だ。
で、CD の場合はこれを防ぐため、データエラーが起きてそれが検出されると「補間」が入る。これは前後のデータから類推または一つ前のデータを連続させる、という形でデータエラーをごまかすということだ。当然のようにこれが連続すると音質は劣化する。
PC で CD ドライブを使って音楽再生すると Play Audio というコマンドで再生しているので、ディスクの状態が悪くてデータエラーが出ている場合は「補間」をしながら音楽再生する。よって聴感上はデータエラーに気が付かない。ところがリッピングはどうかというと Data Read(単に Read だったかもしれない)というコマンドを使うので「補間」は行われない。ということはデータエラーが発生するとデータを転送できないと云うことになる。この場合は CD ドライブはありとあらゆる手段を尽くしてでも、データエラーをなくしてデータ転送すべく努力することになる。一番簡単なのは回転数を落として、再生しやすくする、というものだ。
ところが、P 社のドライブはどうやら違うらしい。リッピング時の Data Read コマンドに従ってデータを転送するのはいいが、データエラーが出ても知らん顔して誤ったデータを転送してしまうのだ。データディスクである CD-ROM でそんなことをやったら、アプリ-ケーションデータはメチャクチャになるし、コンテンツデータもおかしくなるし、場合に因っては OS を破壊する可能性すらある。なので CD-ROM ならリトライしてでも正しいデータを送る。だが CD-DA に対してはそうではないようだ。ユーザの求めるものは「高速リッピング」だと思っているらしく、「データエラーあるけど急いでいるみたいだからそのまま送るね。テヘペロ」てな案配のようだ。さすがにこれではまずいと思ったのか「Pure Read」なる機能をツールから設定できるようにして、データの正確性を担保するようにしている。
言語道断な話だ。Play Audio コマンドに対してはストリーミング再生という性質上、データエラーがあれば「補間」も止むなしと思うが、Data Read コマンドに対してはエラーがあるのに転送するなどもっての外である。なのに妙に「Pure Read」機能はすばらしい、などと持ち上げる記事もあったりしてなにやってんだろう、と思う。
で、実際に P 社ドライブでリッピングした結果、後で再生してみたら「ブチッ!」という音が時々発生している。オーディオデータでエラーが発生するとはこういうことなのである。経験している人はもしかしたら少ないか気が付かないかも知れない。P 社以外のドライブはエラーの多いディスクの場合、回転数を落としてエラー訂正時間を稼いだり、読み取りやすくしたりしている。
私の場合はメインが P 社ドライブなので、もともとの再生スピードを 24倍速に落とし「静音モード」にしてかつ「Pure Read」をパーフェクトモードにしている。普通はこれがデフォルトであるべきだと自分は思う。
かようなわけで、オーディオデジタル信号におけるデータエラーの影響を経験しているので、デジタルケーブルを変えて再生は出来るが音質は変わった、という場合に対しても「データエラーは起きていない」と思っている。
異論は無制限に受け入れます。
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これは一言で言えば「運が悪いとスピーカを飛ばす」である。少なくとも「プチッ」という音は入るだろう。
CD の場合は一つのサンプルデータを 16bit の階調で表現しているので、± 32765階調(一つは省略)の値を持っている。これが例えば±1V の信号を表していることになる。
さて、デジタルデータが何かの原因で化けるとすると、16bit の '0' と '1' の 16桁のデータのどの桁が化けるのか神のみぞ知る、であることは理解いただけるだろうか。16桁のうち最上位は符号を表しているが、運悪く最上位のデータが化けるとその瞬間だけ信号に不連続点が現れ、急峻なパルスが信号として発生する。まあ運が悪いという話だ。
で、CD の場合はこれを防ぐため、データエラーが起きてそれが検出されると「補間」が入る。これは前後のデータから類推または一つ前のデータを連続させる、という形でデータエラーをごまかすということだ。当然のようにこれが連続すると音質は劣化する。
PC で CD ドライブを使って音楽再生すると Play Audio というコマンドで再生しているので、ディスクの状態が悪くてデータエラーが出ている場合は「補間」をしながら音楽再生する。よって聴感上はデータエラーに気が付かない。ところがリッピングはどうかというと Data Read(単に Read だったかもしれない)というコマンドを使うので「補間」は行われない。ということはデータエラーが発生するとデータを転送できないと云うことになる。この場合は CD ドライブはありとあらゆる手段を尽くしてでも、データエラーをなくしてデータ転送すべく努力することになる。一番簡単なのは回転数を落として、再生しやすくする、というものだ。
ところが、P 社のドライブはどうやら違うらしい。リッピング時の Data Read コマンドに従ってデータを転送するのはいいが、データエラーが出ても知らん顔して誤ったデータを転送してしまうのだ。データディスクである CD-ROM でそんなことをやったら、アプリ-ケーションデータはメチャクチャになるし、コンテンツデータもおかしくなるし、場合に因っては OS を破壊する可能性すらある。なので CD-ROM ならリトライしてでも正しいデータを送る。だが CD-DA に対してはそうではないようだ。ユーザの求めるものは「高速リッピング」だと思っているらしく、「データエラーあるけど急いでいるみたいだからそのまま送るね。テヘペロ」てな案配のようだ。さすがにこれではまずいと思ったのか「Pure Read」なる機能をツールから設定できるようにして、データの正確性を担保するようにしている。
言語道断な話だ。Play Audio コマンドに対してはストリーミング再生という性質上、データエラーがあれば「補間」も止むなしと思うが、Data Read コマンドに対してはエラーがあるのに転送するなどもっての外である。なのに妙に「Pure Read」機能はすばらしい、などと持ち上げる記事もあったりしてなにやってんだろう、と思う。
で、実際に P 社ドライブでリッピングした結果、後で再生してみたら「ブチッ!」という音が時々発生している。オーディオデータでエラーが発生するとはこういうことなのである。経験している人はもしかしたら少ないか気が付かないかも知れない。P 社以外のドライブはエラーの多いディスクの場合、回転数を落としてエラー訂正時間を稼いだり、読み取りやすくしたりしている。
私の場合はメインが P 社ドライブなので、もともとの再生スピードを 24倍速に落とし「静音モード」にしてかつ「Pure Read」をパーフェクトモードにしている。普通はこれがデフォルトであるべきだと自分は思う。
かようなわけで、オーディオデジタル信号におけるデータエラーの影響を経験しているので、デジタルケーブルを変えて再生は出来るが音質は変わった、という場合に対しても「データエラーは起きていない」と思っている。
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