まず最初にお断りしておきたいが、私はニワカ W杯サッカーファンである。なので出来るだけ気を遣った書き方を心がけるが、コアなファンには不快になるような内容になり得るし、そもそもファンならばこういったネタに使って欲しくない、という気持ちも強いかと思うので、そういう方は先を読まないでいただきたい。しかもテーマの支配戦略に詳しいわけではないので的外れになる可能性も大である。妄言と笑い飛ばせる方のみ読んで下さい。
先日の W 杯予選リーグ最終戦のポーランド戦での出来事はファンでもあまり関心ない方でも何が起きたか、事情は知っているかと思う。その描写はここではしない。で、これもご存知のようにサッカーファンを中心に議論を呼んでいる。個人的には決勝トーナメントに行けたから結果オーライであるが、あの場面(後半、長谷部選手が投入された場面)で、どういう戦略と結果とリスクが考えられたか、という考察をしてみようと云うことだ。
自分が予測できない展開、制御できない展開が独立事象としてあって、さらに自分の行動と結果に対してそれらがなんらかの影響を与えるという場合、自分の行動をどう選択するか、というのは支配戦略という考え方でも考察できる。これに関して有名な例はゲームの理論で使われる「囚人のジレンマ」というのがある。
囚人のジレンマ(wiki)
ここでの考え方は、独立事象である他方の行動がなんであれ、自分は裏切る方が期待値としては得である、ということだ。
さて、これを先日のポーランド戦に置き換えてみる。
何が得か、何が損か、そのポイントは、というのは人それぞれの価値観なので絶対的なものではないが、ここでは個人的偏見に基づいてポイントを入れて見る。

ここで残り時間を考えてセネガルが逆転する、というのは除いてある。そういう意味で不完全だが、単に数値の遊びと割り切ってみて下さい。
こうやってみると実際の試合で選択した「ボールを回す」というのは、期待値がマイナスになる組み合わせが多く非常に割の合わない戦略のように見える。
従って支配戦略は「攻める」になる。
が、結果はご覧の通りだ。選んだ選択肢の中で唯一プラスのポイントが出る可能性が発生した。
もうお気づきだろうと思うが、「囚人のジレンマ」と違うのはその選択肢を選んだからといって、やりたい事象が自力で出るかも分からないところにある。攻めたからといって点が入るとは限らず、さらに傷を深めてしまう恐れがあり、またコロンビアがリードしている試合でも実力を考えるとセネガルが追いつく可能性がどうかは分からないという点だ。
こうなるとそれぞれの選択肢に対して起きうる結果の可能性を入れておかないと正しい推測が立たない。
ということで表はこのようになる。それぞれの結果が出る発生率は個人的偏見で入れて見た。

どうだろうか。やはり支配戦略は「攻める」になる。ただし実際に選んだ戦術の妥当性が高まると云えば高まる。失敗したときの得点が大きなマイナスなのでどうしても「攻める」場合に比べて低い値が出てしまう。ただ実際に起きたことはこの中でも最も発生率の高い事象だったと思われるので、やはり正しい選択だったのだろう。
異論は無制限に受け入れます。
海外での評判は「サムライの国日本らしくない潔くない戦術!」という論調を少々見かける。「潔さ」ばかり強調される「日本のサムライ」だが「斃れて後やむ」(原典は中国ですが)、「弁慶の仁王立ち」などといって「諦めの悪さ」もそれなりなのである。ましてや最近のサッカーの実力は本戦参加国の中でも下位に属する部類だろう。それが少しでも良い結果を求めるなら、泥を啜ってでも、という立場なのだ。横綱相撲をするなどまだ早いのである。ファウルが少ないことが今回の結果につながったので、その姿勢は維持しつつも一つでも上に行くためにはありとあらゆることの対して最善を尽くして欲しいものだ。
あまりこのような妄想でサッカーの結果をもてあそぶのは関係者に申し訳ないので、この程度にしておきます。
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先日の W 杯予選リーグ最終戦のポーランド戦での出来事はファンでもあまり関心ない方でも何が起きたか、事情は知っているかと思う。その描写はここではしない。で、これもご存知のようにサッカーファンを中心に議論を呼んでいる。個人的には決勝トーナメントに行けたから結果オーライであるが、あの場面(後半、長谷部選手が投入された場面)で、どういう戦略と結果とリスクが考えられたか、という考察をしてみようと云うことだ。
自分が予測できない展開、制御できない展開が独立事象としてあって、さらに自分の行動と結果に対してそれらがなんらかの影響を与えるという場合、自分の行動をどう選択するか、というのは支配戦略という考え方でも考察できる。これに関して有名な例はゲームの理論で使われる「囚人のジレンマ」というのがある。
囚人のジレンマ(wiki)
ここでの考え方は、独立事象である他方の行動がなんであれ、自分は裏切る方が期待値としては得である、ということだ。
さて、これを先日のポーランド戦に置き換えてみる。
何が得か、何が損か、そのポイントは、というのは人それぞれの価値観なので絶対的なものではないが、ここでは個人的偏見に基づいてポイントを入れて見る。

ここで残り時間を考えてセネガルが逆転する、というのは除いてある。そういう意味で不完全だが、単に数値の遊びと割り切ってみて下さい。
こうやってみると実際の試合で選択した「ボールを回す」というのは、期待値がマイナスになる組み合わせが多く非常に割の合わない戦略のように見える。
従って支配戦略は「攻める」になる。
が、結果はご覧の通りだ。選んだ選択肢の中で唯一プラスのポイントが出る可能性が発生した。
もうお気づきだろうと思うが、「囚人のジレンマ」と違うのはその選択肢を選んだからといって、やりたい事象が自力で出るかも分からないところにある。攻めたからといって点が入るとは限らず、さらに傷を深めてしまう恐れがあり、またコロンビアがリードしている試合でも実力を考えるとセネガルが追いつく可能性がどうかは分からないという点だ。
こうなるとそれぞれの選択肢に対して起きうる結果の可能性を入れておかないと正しい推測が立たない。
ということで表はこのようになる。それぞれの結果が出る発生率は個人的偏見で入れて見た。

どうだろうか。やはり支配戦略は「攻める」になる。ただし実際に選んだ戦術の妥当性が高まると云えば高まる。失敗したときの得点が大きなマイナスなのでどうしても「攻める」場合に比べて低い値が出てしまう。ただ実際に起きたことはこの中でも最も発生率の高い事象だったと思われるので、やはり正しい選択だったのだろう。
異論は無制限に受け入れます。
海外での評判は「サムライの国日本らしくない潔くない戦術!」という論調を少々見かける。「潔さ」ばかり強調される「日本のサムライ」だが「斃れて後やむ」(原典は中国ですが)、「弁慶の仁王立ち」などといって「諦めの悪さ」もそれなりなのである。ましてや最近のサッカーの実力は本戦参加国の中でも下位に属する部類だろう。それが少しでも良い結果を求めるなら、泥を啜ってでも、という立場なのだ。横綱相撲をするなどまだ早いのである。ファウルが少ないことが今回の結果につながったので、その姿勢は維持しつつも一つでも上に行くためにはありとあらゆることの対して最善を尽くして欲しいものだ。
あまりこのような妄想でサッカーの結果をもてあそぶのは関係者に申し訳ないので、この程度にしておきます。

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