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斬新な発想力よりも大事なこと、大手メーカーが望む電子技術者の資質とは?
さて、ここでは電子機器に対する技術者へ求められることが従来とは変わってきている、ということが書いてある。
記事自体は昨年の日経エレクトロニクスに掲載された内容の転載のようだ。
大ざっぱに言うと従来は要素技術開発がトリガーとなって機器開発に結びついていく、といった形態が多く、斬新な発想の要素技術が求められてきたが、現在はありきたりの要素技術をベースに顧客要求を掘り当てて機器開発を行っていくという形態に変わってきている、そういう環境では電子技術者に求められる資質というのも変わってきている、という内容だ。
例として日立、パナソニック、富士通などの人材採用やデンソーの話が載っている。
要は技術自体はオープンソースであり、いつでもどこからでも手に入るので、それらをコーディネートして顧客提案をプロデュースする力が求められると云うことだ。
まあ確かにハードウェアのコア部分は標準化されたようなもので、センサーなどの入力と機構、駆動部の出力部や、ネットなどへの結合などとの繋がりは ADC - プロセッサ - DAC または I/F となっていて、それだけなら誰が作っても同じということで、魂の部分に付加価値と差別化のキモがあるという時代だから、そういう考え方が主流になるのも分かる。
一方記事ではロームの意見も載せていて、
「材料技術や回路技術といった要素技術開発ができる技術者を今もなお求めている。技術者に求める資質も大きく変わらない」
ということも書いてある。
実感としてはどちらもアリだが、個人の能力としてどこまで対応出来るのかが興味がある。
今は電子系技術者にとってはちょっとお寒い時代ではないかと思っていて、上述のように普通のハードウェア設計ならちょっとやれば誰でもできるような状態である。つまり人材はそのレベルで良いならそんなに不足はしていないのではないかと思う。海外に出すという手もあるわけだし。
20世紀の終わり頃までなら、部品集めて回路図書いて基板設計できれば一人前の技術者だったのが、そうではなくなっているというわけだ。
各々の電子設計技術者のアイデンティティーはなんぞや、というと今は結構難しいのではないかと思う。
よってこのようなシーズを開拓して技術をコーディネートできる技術者でないと、一人前とはいえないというハードルの高さになってきているわけだ。さもなくば部品、材料のスペシャリストになるかだ。
と、厳しい状況のようなことをいっているが、実際は IC 組み合わせて回路図書いて基板設計するにしても、だれでも出来るようになっているようでいて、あまり上手く出来ていないというところだと思う。経営側から云うと出来て当たり前と思われている節があるが、多分そうではないだろう。
大事なことに気が付いていないだけじゃないかな、と思う。あくまでも思うだけだが。
ただ世の中の流れと電子技術者への見る目が変わってきているのは確かなようなので、自分のテリトリーをどんどん広げるとか顧客目線に立つような職種も時々経験した方が良いと思う。顧客評価部隊への人質となってべそをかきながら、数ヶ月異境の地で過ごすことも大事な経験になるかと思う。
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斬新な発想力よりも大事なこと、大手メーカーが望む電子技術者の資質とは?
さて、ここでは電子機器に対する技術者へ求められることが従来とは変わってきている、ということが書いてある。
記事自体は昨年の日経エレクトロニクスに掲載された内容の転載のようだ。
大ざっぱに言うと従来は要素技術開発がトリガーとなって機器開発に結びついていく、といった形態が多く、斬新な発想の要素技術が求められてきたが、現在はありきたりの要素技術をベースに顧客要求を掘り当てて機器開発を行っていくという形態に変わってきている、そういう環境では電子技術者に求められる資質というのも変わってきている、という内容だ。
例として日立、パナソニック、富士通などの人材採用やデンソーの話が載っている。
要は技術自体はオープンソースであり、いつでもどこからでも手に入るので、それらをコーディネートして顧客提案をプロデュースする力が求められると云うことだ。
まあ確かにハードウェアのコア部分は標準化されたようなもので、センサーなどの入力と機構、駆動部の出力部や、ネットなどへの結合などとの繋がりは ADC - プロセッサ - DAC または I/F となっていて、それだけなら誰が作っても同じということで、魂の部分に付加価値と差別化のキモがあるという時代だから、そういう考え方が主流になるのも分かる。
一方記事ではロームの意見も載せていて、
「材料技術や回路技術といった要素技術開発ができる技術者を今もなお求めている。技術者に求める資質も大きく変わらない」
ということも書いてある。
実感としてはどちらもアリだが、個人の能力としてどこまで対応出来るのかが興味がある。
今は電子系技術者にとってはちょっとお寒い時代ではないかと思っていて、上述のように普通のハードウェア設計ならちょっとやれば誰でもできるような状態である。つまり人材はそのレベルで良いならそんなに不足はしていないのではないかと思う。海外に出すという手もあるわけだし。
20世紀の終わり頃までなら、部品集めて回路図書いて基板設計できれば一人前の技術者だったのが、そうではなくなっているというわけだ。
各々の電子設計技術者のアイデンティティーはなんぞや、というと今は結構難しいのではないかと思う。
よってこのようなシーズを開拓して技術をコーディネートできる技術者でないと、一人前とはいえないというハードルの高さになってきているわけだ。さもなくば部品、材料のスペシャリストになるかだ。
と、厳しい状況のようなことをいっているが、実際は IC 組み合わせて回路図書いて基板設計するにしても、だれでも出来るようになっているようでいて、あまり上手く出来ていないというところだと思う。経営側から云うと出来て当たり前と思われている節があるが、多分そうではないだろう。
大事なことに気が付いていないだけじゃないかな、と思う。あくまでも思うだけだが。
ただ世の中の流れと電子技術者への見る目が変わってきているのは確かなようなので、自分のテリトリーをどんどん広げるとか顧客目線に立つような職種も時々経験した方が良いと思う。顧客評価部隊への人質となってべそをかきながら、数ヶ月異境の地で過ごすことも大事な経験になるかと思う。

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