ちょっと前に法事があったので、親族(といっても数名だが)が集まった。父は数年前になくなっているが、叔父達はぼちぼち 90歳になろうかという年で、さすがに動きが鈍いが元気なことは元気だ。
さて、叔父達の住まいはいわゆる田舎で交通機関が不自由だとのこと。なので免許を返上したいが躊躇してしまう状況である。
だがやはり自分たちも危ないし、人に迷惑を掛けるようでは困るので「もうそろそろ返上しないと」忠告した。ところが娘達(私にとって従姉妹)が「そんなこと云ったって交通機関がないから何も移動出来ないのよ!」と私に抗議。ではタクシーは、と聞くとほとんど走っていないらしい。
確かに何度か叔父達の住むところに出向いたことはあるが、駅前でタクシーを拾えればラッキーという程度だろう。一般住民がちょっと用があるから、とタクシーを呼べるほど走っていないのかも知れない。

どこの田舎、地方都市もそうだと思うが高度成長期にとにかく車を、ということで誰もが免許を取り、マイカーブームを起こしているので叔父達の世代はほとんど免許を持ち、マイカーを持っている。そのおかげでその地域は公共交通機関が壊滅しているのだろう。
だがその高度成長期の担い手達はとっくの昔に現役を退き年金生活に入っており、地域の土地、物価の安さに安住して細々とマイカーを乗りながら、生活を営んでいる。それが延々と続いているので相変わらす公共交通機関は立ち上がらない。
なのでそろそろ運転が怪しくなってきたにも関わらず車を手放せないでいる。
従姉妹達に抗議されたのでその場はすごすご引き下がったが、やっぱり危ないよな~、と母にぼやくと「それなら解決案を出しなさい!」と云われてしまった。

それでは高齢者の免許返上と公共交通機関の充実という案件(「首相案件」にして欲しい)というどちらかが卵でどちらかが鶏にならなければいけないという命題を考えなくてはいけなくなった。もっともどっちが卵になっても問題解決にならないようだが。
なんでいつもトラブル解決案を出さなくてはいけない立場に追い込まれるんだよ~、と思いながら小考。ある程度の頻度で利用されることが分かっていれば、専用タクシーみたいなことは考えられるな、ということで掲題の「ドライバー付きカーシェアリング」と云うのを思い付いた。いや、すでにあれば馬鹿みたいだが。
そこまでタネが出来ると、後は妄想あるのみ。

ある程度の人数の高齢者(高齢者に限る必要はないが)を登録しておき、時間割を決めてドライバーが車を転がして、登録されている人の送り迎えや買い出しのサポートをする、というアイディアだ。自動車自体は小型でも良いかも知れない。ドライバーは現役は引退したがまだ元気という世代の人がやるとか、もちろん働き盛りの人が専任でやってもいい。高齢者向けに特化するならドライバーはなにがしかの介護資格を持っておくと、家族も安心出来るだろう。
運用モデルは何が参考になるか。介護施設の送迎車などはどうだろうか。稼働率としてはどのくらいならぎりぎりやっていけるのか。また田舎や地方都市では代走車が結構あるようだが、それらの稼働率なども参考になるかも知れない。
利用者にとってはどうなるのか。車の維持費と稼働費用に対して、利用料が同じか少し高いぐらいでもニーズはあると思う。その都度タクシーを呼ぶよりはずっと安く済みそうな気がする。実経費分さえイーブンならば人件費などは自治体が援助出来るかも知れない。
高齢者の場合、医療機関に行くスケジュールなどはだいたい決まっているだろうし、買い物などの生活に必要な行動もある程度決めておくことが出来るだろう。登録者の都合を調整すればそれなりのシェアプランが立ちそうだが、どうだろうか。

と、まあここまで妄想してみたが、自分自身は運転しないので、どれだけ実態に即しているか分からない。第一、もうすでにあったって不思議はない。母はそこまで案が出るならどこかに提案してみたら、というが親だから甘い判断だろう。

ただ思うに高齢者の免許返上、しかし生活は出来るようにする、という命題はもはや待ったなしになっているのではないかと思う。高齢者の運転事故で次世代の犠牲者が出てはやるせない気分である。
アイディアを誰か考えて欲しい。

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